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慶應義塾大学、公共政策論第5回目

今日は、慶応大学法学部で公共政策論の第5回目の授業。
先週提出された、小レポート(49人分)の講評から始めました。地方自治論でも小レポートを課したので、その79人分をあわせて、昨日までに読み終えました。今日、15人が遅れて提出してくれました。
一人一人に返せれば良いのですが、これだけの人数になるとそうも行かず。2ページにわたる講評(箇条書き)を配り、口頭で説明しました。しかし、「このように書いた人がいますが、それは気をつけましょう」という講評は、各人のレポートに添削することとは違った利点があります。

10年前に教えに行っていたときも、このような小レポートを課していたのですが、それらと比較して、今回の学生たちは、非常に出来が良かったです。何より、文章が読みやすかったです。体裁も、ごく少数の学生を除いて守ってくれました。
講評とともに、文章の書き方を指南しました。文章は短く、1文には内容を1つに、段落や見出しの使い方。そして、小説とレポートとは違うこと、結論を先に書く、起承転結は使わないなど。これは、先に教えた「本の速読法」とともに、学生には喜んでもらえたようです。今日の出席カードに、「次回は、注意します」と書いてくれた学生がたくさんいました。
今回の課題の趣旨は、日本の社会問題に関心を持つ、それに関した本を読む、そして自分の考えを書くことです。多くの学生が、その点では及第点でした。このあとも、関心を持った課題を追い続けることで、勉強が深まると思います。

授業は、復興を通して考える「まちのにぎわいの要素」「それについての手法」「行政と企業とNPOの貢献」を説明しました。先週までの授業で、写真などを見て具体・各論をお示ししました。それを素材に、「公共政策」を考えています。抽象論だけでは、面白くないですよね。

慶應義塾大学、公共政策論第4回目

5月10日は、慶応大学で公共政策論の第4回目の授業でした(このページへの掲載が遅れました)。
授業は、「大震災から見た行政と社会」の続き、「街のにぎわいを取り戻すには」です。具体施策を示すとともに、それが理論的にはどのような位置づけになるかを説明しています。

連休中に課した小レポートは、49人から提出がありました。体裁(A4縦置き横書き、活字の大きさ、冒頭に学籍番号・氏名、選んだ本の書名などを書くこと)を詳細に指示したので、ほぼ全員が読みやすい形でできています。
選んだ本は、数人の重複を除けば、様々な分野を選んでいます。レポートの最初に、選んだ本の概要を書き、その後に自らの意見を書くように指示しました。今、その力作を読んでいます。

慶應義塾大学、地方自治論第5回目

今日は、慶応大学で地方自治論の講義。今日も大勢の学生たちが、熱心に話を聞いてくれました。教師にとって、学生たちの真剣なまなざしが、講義の際の一番のご褒美です。
前回の授業で、いくつも的を射た質問をもらっていたので、今日の授業もそれへの回答から始めました。良い質問は、うれしいですね。
私の授業は「通信教育」ではないので、学生たちの反応を確かめつつ、話を進めています。地方自治の知識だけなら、教科書を読めばすみます。生の授業の勝負は、本を読んだことを前提に、それにどれだけの「付加価値」をつけることができるかです。配付資料も、工夫をしています。
今日から、国と地方の役割分担に入りました。実態がどうなっているか、法律の定めはどうなっているか、ここまで進んだ分権の歴史、そしてあるべき姿は・・・。
ここは、自治論の主要テーマの一つです。

連休前に課した小レポートを、提出してもらいました。合計79人が提出してくれました。さて、これをすべて読まなければなりません。レポートは、書く学生も大変ですが、読む教師はもっと負担が大きいです。

慶應義塾大学、地方自治論第4回目

今日は、慶応大学で地方自治論の講義。早いもので、もう4回目です。前回の出席カードに、たくさんの質問を書いてもらったので、それへの回答から始めました。
・ドイツの自治制度が、第2次大戦後の占領国の違いによって、4種類の型になったことについて。
より詳しく知りたい人や、外国の自治制度に関心ある学生がいたので、自治体国際化協会の資料(抜粋)を配りました。日本の制度が唯一のものではないこと、また、首長の直接公選制を導入したことの長所と短所を勉強してもらうのに、ちょうど良い資料でした。
・「自治体が定めた条例を、誰が執行するのか。裁判所が自治体にないので、それは誰がするのか」。これは、国と自治体との役割分担について、きわめて良い質問です。
国が定めた法律に基づく事務でも、通常の執行は国だけでなく自治体も行います。例えば、義務教育は自治体が行います。他方で条例で定めた事務はその自治体が行い、国が行うことはないようです。
法令違反があった場合はどうするか。多くの取り締まりは、自治体の警察が行います。麻薬取り締まりのような、国が行う場合もあります。そして、刑事訴追は、国の機関である検察が行い、裁判も国の裁判所が独占しています。自治体には検察はなく、裁判所もありません。
そこで、条例で罰則を定める場合は、自治体は検察に協議することになっています。
・「国政においても、三権分立ではないのですね」。
そうです。分かれてはいますが、独立しているのではなく、相互に「牽制」する仕組みが組み込まれています。さらに、国会を国権の最高機関と定めているので、三権が平等でもありません。「三権分立」と聞くと、それぞれが独立して、同等かと思ってしまいますが、そうではありません。

授業の本論は、「統治としての地方自治」を終えて、「自治の仕組み」に入りました。まず、自治関連法令にどのようなものがあるかを解説しました。あわせて、「自治六法」の実物を見てもらい、法律とはどんなものかを実感してもらいました。
自治体と関連法人にはどのようなものがあるか、その種類。そして、地方自治体とか市町村と言っても、大きなものから小さなものまで、かなり多様だということを見てもらいました。たとえて言うと、一つ一つの花びらが不揃いな「あじさいの花」です。

慶應大学、公共政策論第3回目

今日は、慶応大学で公共政策論の第3回目の授業でした。
日経新聞からいただいた「就活ブック」、朝日新聞からいただいた「新聞社と記者の紹介」パンフレットを配りました。それぞれ良くできたパンフレットです。学生諸君は見たことがないでしょうから、役に立つと思います。
地方自治論履修者と合わせて140部。重くて、宅急便で送ってもらいました。教員控室から教室まで運ぶには、学生さんに手伝ってもらいました。

今日は、先週に引き続いて、大震災からの復興過程を、写真を見ながら解説しました。国の役割、市町村役場の役割、住民の役割などを中心にお話ししました。
写真があると興味を持ってみてもらえるので、効果がありますね。パワーポイントの操作は、今日も院生のI君にお願いしました。ありがとう。

大型連休中に本を読んでもらうべく、小レポートを課しました。 現代日本社会の問題に関する書物を1冊読み、その概要をまとめることと、 それについて自分の意見を書くことです。
あわせて、本を要領よく読む方法を伝授しました。1ページ目から丁寧に読む方法もありますが、忙しいときに全部を読まずにポイントをつかむこつです。出席カードの感想には、何人かの学生が「勉強になりました」と書いてくれました。社会人になったとき、いえ学生時代でも、要領よく仕事を進めることは重要なことです。
もう一つ、生きていく際に重要なことは、友人を作ることです。授業を休んだ際に資料をもらってもらうことや、ノートを貸してもらうこと。勤め先で悩んだ際に、相談に乗ってもらうことです。一人で悩んではいけません。