慶應大学から、公共政策論の成績評価のレポートが届きました。68人の力作です。これから、じっくり読んでと採点します。
おおむね3ページから10ページをめどにと指示してあったのですが、たいがいの学生は5~10ページ書いています。予想されたことですが、けっこうな分量です。
明日は授業がないなあと、少し余裕を持っていたのですが(苦笑)。
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慶應義塾大学、地方自治論第14回目
今日は、慶應大学で地方自治論、第14回、最終回の講義でした。
これまでの授業のおさらいをしました。これまで配ったレジュメの総目次を配って、全体像を振り返るとともに、何が重要かをお話ししました。それが、期末試験の傾向と対策になります。
その後、アンケートを書いてもらいました。この授業で何を学んだかと、私の授業についての評価です。公共政策論と同じです。81人の学生が出席し、A4用紙にびっしりと書き込んでくれました。
「この授業で学んだこと」は、私の意図通りの反応が返ってきました。自治論については省略するとして、私の経験を踏まえた説明が理解されていました。
「ほかの授業では、理論ばかりを聞いていましたが、実態を合わせて聞く授業は初めてでした」「大学の授業では制度を習いますが、運用を聞くのは初めてです」「理論だけでなく現実を聞いて、身近に感じることができました」「政治の授業で、戦後政治を聞くことはありましたが、今を聞くのはなかったです」とも。
また、公務員の実態、面接の対策、社会人のマナーの話も、評判が良かったです。
「私の授業についての評価」は、次のようなものでした。
毎回、前回学生が出した質問に答えたことは「一方向でない授業で良かったです」という反応が多かったです。他方で、「毎回の質問への回答が長すぎます」「回答のいくつかは、先生のホームページに載せてはどうですか。時間の短縮になります」という意見もありました。
大型連休に課した小レポートについて、「講評してくださったのはありがたかったです。初めての経験です。どのように書けば良いかがわかりました」という意見。
「新聞を読むようになりました」という学生が結構いました。「岡本先生のホームページの解説を読んでニュースを読むと、さらによくわかりました」とも。
「レジュメが簡潔でわかりやすかったです」という意見と、反対に「レジュメが簡潔過ぎます」という意見もありました。これは、意図して簡潔にしてあります。隙間は、学生に書き取ってもらうためです。重要なことは、自分で書くことで覚えることができます。
「配られる資料が多くて整理するのが大変でした」「板書の図を使った説明がわかりやすかったです」という意見とともに、「板書をもう少し丁寧にしてください」という意見もありました。「話に脱線が多い」「ノートを取るのが難しかった」という意見もありました。
「朝の1限でしたが、起きて出席できました。それだけの価値がありました」と言ってくれる学生が数人いました。「遅刻してくる学生には腹が立ちましたが、彼は先生の話を聞いていないという損をしているので、まあ許します」という感想も(笑い)。
相反する反応があるので、全員に満足してもらうことは無理です。院生相手なら、本は読んでくることを前提に、内容も難しくしても大丈夫です。しかし学部生を相手にすると、一定の基礎知識と重要な点は教える必要があります。「次回の授業の準備のために、教科書の××ページを読んでくること」と義務づける方法もありますね。
もらった意見は、次回の参考にします。
水曜日(公共政策論)、金曜日(地方自治論)とも、14回ずつ休み無しで勤めることができました。これは、自分を褒めてやりたいですね。毎週、レジュメと配付資料を用意することは、結構負担でした。かつて使った資料を再利用できると思っていたのですが、駄目でした。ほぼすべてを、最初から作り直しました。
これまでの経験と、授業を進めていくうちに、話すポイントを絞るようにしました。若いときは、あれもこれも教えたいと思ったのですが、大量かつ多分野の詰め込みは、学生には頭に残らないでしょう。特に公務員にならない学生は、地方自治制度のすべてを知る必要はありません。自治の基本、現在の制度が唯一のものではないこと、時代の変化とともに課題も変わってくることを理解してもらえれば良いのだと、割り切りました。その代わり、重要な点やトッピックは、新聞記事などを配って、掘り下げて解説しました。
慶應義塾大学、公共政策論第14回目
今日は、慶応大学法学部、公共政策論第14回、最後の授業でした。官僚の役割を実例を基にお話しした後、おさらいをしました。
一つは、私が考える公共政策論についてです。何を(社会の課題)、誰が(主体)、どのように解決するか(手法)について、従来の公共政策論より視野を広げました。社会のリスクは時代とともに広がっていること(かつては個人の責任だったものが、社会のリスクになっていること)、主体は、政治と行政だけでなく、企業や非営利団体も重要な主体であること。すると、規制・誘導・提供などの手法だけに限らないこと、などです。
もう一つは、実務家教員として経験を踏まえた、社会の見方や考え方です。これは、毎回の授業で折に触れて、お話ししていたことです。
その後、アンケートに答えてもらいました。この授業で何を学んだかと、私の授業についての評価です。慶應大学の学生は、紳士淑女ですね。多くの学生が、A4用紙にびっしりと書き込んでくれました。
「学んだこと」については、私が教えたかったことを、焦点の違いはありますが、それぞれに適確に書いてくれました。「新聞を読むようになりました」という記述も多かったです。
「授業への評価」も、高い評価をもらいました。「本に書いてないことを教えてもらった」「実体験の雑談が勉強になりました」「配ってもらう資料やレジュメがわかりやすかったです」とです。
毎回、学生に意見や質問を書いてもらい、次回の授業で主なものに答えるようにしました。これは、評判がよかったです。「前回授業の質問への回答がうれしかった」「ほかの学生が何に興味を持っているかが分かりました」「ほかの学生が、私とは違う考えだと分かりました」とか。
批判もありました。「話がどんどん広がるので、理解するのが難しかったです」「板書が汚くて読めませんでした」など。
多くの学生に喜んでもらえたことが、一部の学生には不満だったこともあります。「教科書を読んでいることを前提に授業をするので、わかりにくかったです」「前回授業への回答が長すぎます」「脱線が多いです」。もっとも、この不満は少数でした。もらった意見は、今後の授業に生かしましょう。
今日も55人の学生が出席したのですが、多くの学生が、14回を休まずに出席しています。9時開始の授業は、学生にとってはつらかったと思います。そのように記入した学生が、何人もいました。「でも、出席して良かったです」とも書いてくれました。
成績評価はレポートで行います。どのようなレポートが出てくるでしょうか。また、私の振り返りについては、別途書きましょう。
慶應義塾大学、地方自治論第13回目
今日は、慶應大学で地方自治論、第13回の講義でした。
地方公務員について、お話ししました。特別職と一般職の違い、その人数と分野別の人数などの基礎データを示しました。教育関係と福祉関係が多いことに、みんなびっくりしていました。
公務員特有の規制(労働基本権の制約など)とともに、採用、異動、昇進、人事評価の実態についても、お話ししました。教科書には書かれていないことです。実務家教員なのでお話しできる内容だと思います。特に、懲戒処分を受けたこと(管理不行き届きですが)の話は、経験者でないと話せないですよね(苦笑)。
学生諸君へ
次週は、いよいよ最終回、おさらいです。これまでに配ったレジュメと資料を持ってきてください。
慶應義塾大学、公共政策論第13回目
今日は、慶応大学法学部、公共政策論第13回の授業でした。公共政策の「元締め」である政府の役割について、機能別に分類してお話ししました。政府の役割を分類したものって、ないのですよね。かつてつくった表を配り、説明しました。
その際に、政治(学)、行政(学)、社会(学)と、公共政策論がどのような関係にあるのかを説明しました。「岡本先生の公共政策論の位置づけが分かりました」という学生の反応がありました。この授業では、関心を持ってもらうために、具体的各論から入ったので、私の公共政策論の全体像がわかりにくかったかもしれません。もっとも、抽象論や理論を話しても、面白くないでしょう。
さらに、政府の役割の具体例として、麻生政権での政策体系をお話ししました。
麻生総理の政策、目指したものは、一言でいうと「安心と活力」でした(官邸、麻生内閣のページ)。社会では高齢化、財政は赤字財政、そしてリーマン・ショックによる世界同時不況。これらに立ち向かう際の、大きな方向性が、安心と活力だったのです。それを、国民にわかりやすく示すこと。これは重要だと思います。
残念ながら「マニフェスト」は、民主党政権の失敗(実現困難なことを並べたこと)で、国民の口に上らなくなりました。しかし、政治家(政党)にとって、どのような政策を実現するかを国民に示すことは重要です。それも、羅列でなく、一貫性があり分かりやすくなければなりません。