「自治大学校」カテゴリーアーカイブ

地方行財政-自治大学校

第1部学生、もうすぐ卒業

今日は、第1部学生に、2時間あまり、講話と講義をしました。第1部の学生は4月に入学し、明後日9月2日に卒業します。私は7月末に大学校に着任したので、彼らと話す機会がありませんでした。今日の午後は、寮を出る準備などのために取ってあった時間なのですが、教務部にお願いして、校長講話を入れてもらいました(学生にとっては、迷惑でしたかね)。
私が、校長講話としてお話ししたのは、自治大学校が学生に何を期待し、そのためにどのような講義や演習を提供しているかということです。第1部学生は、県や市の幹部候補生です。これからの活躍と出世を、期待されています。
講義としては、社会の変化が地方自治体と公務員にどのような課題を突き付けているか、これから私たちは何をしなければならないかという見取り図を話しました。皆さん、熱心に聞いてくれました。
また、放課後は、学生主催の卒業パーティに、呼ばれました。クラブ活動の成果発表が余興として出され、武道の演技や民謡なども披露してくれました。その他に茶道など、みんなそれぞれ、5か月間の寮生活を活用、エンジョイしているようです。5か月間の生活を振り返るスライドも、上映されました。初めのうちは歓声が上がっていましたが、最後はみんなが「じ~ん」と来ていました。ちなみに、今期の学生は、平均年齢40歳です。いろいろと、楽しかったこと苦しかったことを、思い出していたのでしょう。
懇談の中で、大学校生活の成果と反省を、本音で聞かせてもらいました。「授業が高度で、最初はついていくのが大変でした」「先輩からは、飲み代が大変だと聞いてきましたが、そんなに飲む時間はなかったです」「演習は勉強になりました」などなど、充実した体験だったと報告してくれました。もちろん、校長にですから、割り引いて聞かなければなりませんが。

2010.08.27

今日は、自治大での「政策課題研究」発表会の2日目。学生が選んだ研究テーマは、さまざまです。児童虐待防止、ソーシャル・ビジネス支援といった地域の新しい課題から、国・県・市町村の権限再配分方法といった分権のあり方まであります。地域振興も多く、日帰りで帰る観光客をどうしたら1泊させることができるかや、今流行のキャラクターを使った地域振興もありました。
このような研究成果=政策提言の出来具合も重要な成果であり、学校からすると評価の要素ですが、私は、それとともにもっと重要な成果があると考えています。
それは、この研究のプロセスです。課題を見つけ、現地を調査し、解決策を立案し、発表資料を作って、発表する。それも、考え方が違う職員が、一緒になって取りまとめる。この過程が、重要なのです。この反対は、言われたことをする、言われた通りにする、課題があっても知らんふりをする、どこかのモデルを探してきてそのまねをする、批判はするが自分では代案を出さない・・などです。これまでの地方公務員は、これでもすみました。これからは、課題は地域から発生するのであり、見つけるのも地方公務員です。そして、解決策は、自分たちで考えなければなりません。横へ倣えは、できないのです。
そして、「明るい係長講座」にも書きましたが、公務員の多くは、資料を作ったり、人に説明することは不得手です。記者会見も。もちろん、経験が少ないからまだ下手だ、という理由もわかります。でも、優秀な管理職には、必要な能力です。自治大は、幹部候補生養成学校なので、それらの知識と技術を提供するだけでなく、模擬訓練で身につけてもらうのです。

政策課題研究

今日から、自治大学校では、第1部課程学生の「政策課題研究」発表会が、始まりました。自治大では、座学のほかに、演習を重視しています。
特にこの政策課題研究は、その中でも、もっとも高度なものです。5人程度の班を編制し、地方の現場での課題を取り上げ、その解決のための政策提言をするものです。学生は、4月に入校以来、5か月をかけて、課題の設定、現地調査、政策の立案、実現可能性の確認などを行い、今日の発表会に至っています。自分で考え、班で議論し、実現可能性などを多角的に検討しなければなりません。
発表会では、同僚学生による質疑のほか、大森弥東大名誉教授、宮島勝東工大名誉教授ほか、本学で講師を勤めていただいている先生方からの、質問や講評もあります。なかなか厳しいものです。

税務専門課程

今日は自治大学校で、税務専門課程徴収事務コースの入校式がありました。文字通り、地方税の徴収事務の専門課程です。全国の都道府県・市町村から、101人の税務職員=学生が入校しました。これから1ヶ月半、みっちりと専門研修を受けます。もっとも、すでに1か月以上の事前研修を済ませて、入校しているのですが。この課程では、授業方法にかなりの工夫をしています。
1 専門講師による講義(これは通常)
2 講義中に随時課題が出され、グループで検討する授業(講義・演習一体型)。学生はグループに分かれて、座っています。
3 事前に課題を与え、個人で検討した後、グループで検討。その結果をレポートにまとめて提出し、それを元に講師が講義をする授業(講義・演習分離型)
4 納税交渉や財産調査の事案について、行政側と納税者側に分かれての、ロールプレイング型授業
5 各人が持ち寄った、現状と課題などを元に、グループでおこなう討議・情報交換授業
といった、実践型の授業を行っています。税の徴収にあっては、滞納者に対する交渉、財産の調査、差し押さえなど、難しい場面が多いのです。
また、今日は校長講話を変更して、総務省自治税務局青木企画課長に、講義をお願いしました。講義を終えた青木課長からは「今日の学生さんたちは、真剣さが違いますね」と、おほめの言葉を頂きました。ありがとうございました。
防後教務部長、担当の松崎君、ご苦労様です。

2010.08.06

今日は、地域経営コースの卒業式。男性はスーツを着てネクタイを締め、女性もそれにふさわしい服装です。学生代表謝辞の際に、代表者が、なかなか良い謝辞を述べました。式が終わって見送る際に、彼が「校長の講話を謝辞に盛り込みましたが、わかりましたか」と言ったので、「もちろん」と答えました。私の言いたかったことが、このように吸収反映されると、うれしいですね。