今日は、福島県が避難者のために行っている支援を、紹介します。「支援事業一覧」をご覧頂くと、さまざまな分野で、支援施策が行われていることがわかります。
高齢者、子どもといった「弱者」向けのもの。健康も、こころのケア、健康管理、医療支援。地域での暮らしについては、コミュニティ支援、交通確保、治安など。働くことについては、雇用、事業継続。それらの分類の中に、いくつもの事業が並んでいます。
そして、そのほとんどがいわゆるハード事業ではなく、ソフト事業です。ソフト事業の難しさは、一度作ったらそれで終わるものでないこと、継続が必要なことです。写真に撮りにくいので、部外者に説明したり理解してもらうことが困難です。お金を渡したら終わり、というわけにはいきません。人によるサービスが必要です。そして、対象者によって、「メニュー」を変えなければなりません。アウトプットやアウトカム(成果)を測ることも、難しいです。対人サービスの、難しいところです。
短期間なら「しばらく辛抱してください」と言うこともできますが、長期にわたると、そうはいきません。人が社会で暮らしていくのを支えることはとても難しいと、改めてわかります。
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外部から来て、まちづくりを支える
釜石市に、「釜援隊」(釜石リージョナルコーディネーター)という人たちがいます。市役所と住民をつないだり、外部からのアイデアをつないで、復興まちづくりに取り組んでいます。民間人を、市役所が非常勤職員として採用しています。
事務局の石井重成さんが、東北復興新聞に、「社会の役割を再定義する。釜石市の挑戦」を寄稿しています。彼らの活動状況がよくわかります。そして、彼らの目指している社会も。ご一読ください。藤沢烈さんに教えてもらいました。
民間人を市町村現場に派遣する仕組み(財政支援)は、総務省が作ってくれました。それを、釜石市が活用しました。一番必要なのは、困難な状況の中で、難しい仕事に取り組もうという意欲を持った彼らたちです。そして、彼らと市役所をつないだNPOも、必要です。募集すればすむ、といったものではありません。
成果を出すには、住民との信頼関係と、継続した長期間の活動が必要です。インフラ復旧だと、「いつまでに何をして、そのためにどれだけの資材と金がかかる」といった工程表が、事前に立てられます。しかし、この仕事は、そのように機械的にはできません。もちろん、目標とスケジュールは重要ですが。市町村役場の職員でも、難しい仕事です。それを、復興の現場という条件を「逆手に」とって、挑戦しています。彼らの活躍に期待しつつ、長い目で見守ってください。
復興計画の見直し
8月13日の毎日新聞に、「閖上再建計画かさ上げ32ヘクタール、認可申請へ」という記事が出ていました。宮城県名取市閖上(ゆりあげ)地区の再建計画について、市がかさ上げ面積の見直しをしている、という内容です。
この地区(120ヘクタール)は平野で、津波で大きな被害を受けました。市が、住民の意向を聞き、当初の計画を縮小するのです。最初70ヘクタールだったものを、45ヘクタールに、さらに今回32ヘクタールに縮小します。
名取市に限らず、他の地区でも、見直しが行われています。当初は、急いで計画を造りました。その後、住民の意向や人口の見込みなどによって、見直しているのです。これについては、かつて復興推進委員会でも、取り上げられました。「当初の計画にこだわることなく、現実的に見直すべきである。役人はとかく一度できた計画にこだわり、見直し特に縮小は嫌がるが、そうならないように」とです。
大きな街を作っても、人が住まないと、住む人も快適ではありません。もちろん、多額の国民の税金を投入するのですから、ムダを造る余裕はありません。
復興推進委員会 平成24年度審議報告(平成25年2月)p14
3 今後の課題と提案、(2)地域づくり・住宅再建の早期実現
・・復興計画の柔軟な見直しと、それに伴う各種事業スケジュールの見直しを必要に応じて行うことができるようにすべきである。例えば、住民と行政との間におけるキャッチボールがうまく実施されていないため、必ずしも被災者の意見が反映されず、また、実施が困難な事業スケジュールや規模が設定されているケースもあり得る。このような場合について、状況に応じて「手戻り」を含め復興計画の柔軟な見直しができるよう、手続や手順の簡素化などを検討することも課題である・・
福島、国と県との協議会。資料を載せました
遅くなりましたが、当日の資料を、復興庁のHPに載せました。
政府が何をしているか、福島県ではどこまで進んでいるかが、わかりやすい資料で載っています。ご利用ください。このように、何をしなければならないかという課題の整理、それがどこまで進んだか、何が進んでいないかの提示。これを一覧表にすることは、とても重要だと考えています。
一般論ですが、これまでの役所は、資料を出し渋る傾向がありました。できる限り公開して、国民の皆さんに評価を仰ぐべきです。その際には、わかりやすく、かつ全体がわかるようにです。
時に、一部のマスコミや一部の方は、「官僚が悪い」と定型的な批判をすることがあります。もちろん、私たちに非がある場合は、正す必要があります。しかし、地元の合意が遅れている場合や、資材や職人が追いつかない場合など、官僚だけでは直ちに対応できないものもあります。官僚がサボタージュしたから対策が遅れているわけではないことを、知ってもらうためにも必要です。
さらに、「遅れている」「細かいところに手が届いていない」「地元の要望に応えていない」といった「抽象的な批判」をする人もいます。これも定番の批判ですが、困りものです。批判する場合は、「どこそこの、この点が、こういう風に困っている」と指摘してください。抽象論では、私も対策が打てないのです。
事実や現状を理解してもらう。そして信頼を得ることが、行政を進める上で、重要です。
福島、国と県との協議会
今日は、福島市で、「原子力災害からの福島復興再生協議会」を開きました。復興庁からは国が取り組んでいる諸施策についての報告、県からは復旧の現状と来年度予算への要望が出されました。資料は、おって復興庁のHPに載せます。
今回で、8回目になります。2年前、原発事故が起きた年の8月に、第1回を開催しました。当時は事故直後、全く先行きが見えない頃でした。会議自体が、なかなか難しい状況での開催でした。その後、徐々に事態が見えてきて、会議も議論がかみ合うようになってきました。
もちろん、避難している方にとって、いつ帰還できるかわからないという厳しい状況にあります。今日の会議で出た意見も、第1原発での汚染水対策、除染、賠償、風評被害などで、原発事故の収束、放射線対策が主でした。復興の前に、これらを片付け、めどを立てる必要があります。