カテゴリーアーカイブ:災害復興

復興計画の見直しと縮小

2014年3月10日   岡本全勝

住民の意向の変化に伴って、高台移転や土地のかさ上げの計画を見直し、縮小している自治体が出ています。このページでも、朝日新聞の記事を紹介しました(計画の見直しと縮小。2月27日)。
3月9日のNHKスペシャル「どう使われる3.3兆円~検証 復興計画」は、女川町での計画見直しとそれによる経費削減を詳しく伝えていました。
繰り返しになりますが、国民の税金でまかなっている事業です。それも、かなり巨額の事業です。住民の意向の変化に従って、見なおすことは当然です。記者さんたちの多くは、「役所は、一度作った計画は見なおさないのでしょ」と、先入観(定番の公務員批判)を持ってみています。そんなことはありません。

復興に関するアンケート結果

2014年3月10日   岡本全勝

各紙が、復興に関するアンケート結果を発表しています。
10日の毎日新聞では、42市町村長へのアンケートの中で、「復興庁の対応。機能強化、評価9割」として、次のように書いています。
・・「復興の司令塔」として1年前に機能が強化された復興庁の対応には、37人が「ある程度評価する」と回答。「高く評価する」の1人を含め、評価する声が9割を占めた。半年前の調査では5割だったが大きく改善した・・
また、「復興工事の進捗状況」については、・・「ある程度進んでいる」が23人と最も多く、「かなり進んでいる」の1人と合わせると、半数を超える57%となった。しかし、福島では3人が「かなり遅れている」と答えた他、4人が「検討する段階にない」として、進捗状況に大きな差が出ていることが浮き彫りになった・・
10日の日経新聞は、「震災復興まだら模様」で、40人の市町村長の回答を載せています。
・・復興の進み具合を聞いたところ、全体の77%が「4割以下」との見方を示した。一方で5割以上との答えも23%あった。1年前の調査では、全体の8割が「2割以下」としていた。進みが早いのは、津波被災地の中で人口の多い自治体。仙台市と福島県いわき市は復興完了の時期を聞いた質問に、15年度末におおむね事業を完了すると答えた・・
他方で、10日のNHKは、次のように伝えています(20歳以上の男女約千人の回答)。
・・復興について安倍内閣の対応を聞いたところ、「大いに評価する」が2%、「ある程度評価する」が36%、「あまり評価しない」が45%、「まったく評価しない」が11%でした。被災地の復興は進んでいると思うかどうかについては、「かなり進んでいる」が1%、「ある程度進んでいる」が22%、「あまり進んでいない」が56%、「ほとんど進んでいない」が16%でした・・
私たち(復興庁や市町村)の努力が、理解されていないのでしょうか、説明が悪いのでしょうか。市町村長の評価と、かなり異なっています。調査対象になった方々が、どの程度被災地を見ておられるのでしょうか。ぜひ一度、現地で工事が進んでいる状況を見ていただきたいです。マスコミの皆さんも、その状況を報道してくださいね。

復興推進会議、総理会見

2014年3月10日   岡本全勝

明日3月11日で、大震災から3年になります。今日10日夕刻、総理大臣官邸で、復興推進会議と原子力災害対策本部の合同会合を開催しました。
田村市(都路地区)の避難指示を4月1日に解除することを決定するとともに、「復興の実績と取組方針」を報告しました。3年が経ち、地震・津波からの復興は、住宅再建・街づくりの工事が本格化しています。原発事故からの復興も、筋道をつけつつあります。
そのあと、総理の記者会見がありました。

復興庁への批判に答える

2014年3月8日   岡本全勝

復興庁は、かなり高い評価をいただいていますが、批判もあります。それらの指摘には、謙虚に答えなければなりません。
ところで、批判の一つに、「復興庁は各省からの寄せ集めだから悪い」という趣旨の批判があります。これには、納得がいきません。
職員が各省からの寄せ集めであることは、事実です。それが、なぜ悪いのでしょうか。また、代案はあるのでしょうか。
復興庁は、官庁です。現地の課題を吸い上げ、各省や自治体と調整して課題を解決していきます。道路や住宅、農業や商工業、医療や教育。それぞれの行政に通じた人材が、必要なのです。そのような人材は、各省にしかいません。日本の労働市場に、これらの行政に通じた人材は、そんなにいません。
各省から、その分野に通暁した優秀な職員を集めることが、最も効果的なのです。そして、職員たちは、難しい仕事に、よく頑張ってくれています。

地域包括ケアの試み、新聞記事の後押し

2014年3月8日   岡本全勝

読売新聞1面連載「転機の復興」、3月8日は「多職種連携、医療支える」でした。
インフラ復旧や住宅再建の次の課題は、「産業復興」と「健康支援」です。健康支援には、時期によって、次のような課題があります。
まずは、長引く仮設住宅住まいでの健康維持です。ここには、体と心の両方があります。次に本格住宅に入った後の、健康です。被災地域は高齢者が多く、健康予防、福祉、医療、介護などの機能が連携して、各高齢者をお世話する必要があります。記事では「多職種連携」と書かれていますが、「地域包括ケア」と呼ぶ場合も多いです。ここでも、身体の健康の前に、引きこもりや閉じこもりによる身体の機能低下や孤立が課題です。仮設住宅は多くが団地なので、まだ見守りはしやすいのです。本格住宅になると、孤立が進む恐れもあります。医療、福祉、介護の専門家だけでなく、地域の住民の協力も必要です。
そしてこの課題は、被災地だけでなく、日本全国の課題です。全国の市町村長にとって、次なる大きな課題です。被災地が、先端を行っているのです。私たちも、市町村や関係者と、地域包括ケアの試みに取り組んでいます。
今日の記事は、具体事例を紹介しつつ、この大きな問題を指摘し、そして解決方向を示しています。有意義な記事だと思います。ご一読ください(うーん残念、インターネットでは読めないようです)。