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行政
金融行政・官僚の失敗、対行政暴力
抵当証券会社「大和都市管財」の被害者が国に損害賠償を求めた裁判で、国が負けました。6月7日の各紙が、大きく取り上げていました。消費者の被害について国の賠償責任を認めた、初めての判決だそうです(6月10日付け朝日新聞社説)。
問題は、1995年に大蔵省近畿財務局が、同社の経営状態に問題があるとして業務改善命令を出そうとしました。しかし、呼び出された社長が、あたかも同和団体であるかのような名刺を示し、「組織を挙げて闘う」と抗議すると、財務局は改善命令を撤回してしまったことです。そして3年ごとの登録を更新したことが、合理性を欠いて違法と認定されたのです。判決には、「及び腰」「先送り」「検査を放棄」といった文言が、並んでいるとのことです。
新聞は、次のことも指摘しています。
・・当時は、大蔵省による護送船団方式にほころびが見え始め、金融システム不安が広がりつつあった。金融機関の経営危機に対応する制度も未整備だった。金融庁幹部は「100%の証拠がないと、危ない印象だけで破綻なんかさせられなかった」と振り返る・・(7日付け朝日新聞「官僚の失政浮き彫り」)。
地域の若者自立支援の仕組み2
政府から独立した政策機関
9日の日経新聞「世界を語る」は、「重みを増す金融政策」で、前イングランド銀行総裁へのインタビューでした。イギリスでは、不安定な経済とポンド危機から、中央銀行の政府からの独立とインフレ目標政策を採用し、成功しました。日本でも、日銀が大蔵省から独立し、インフレ目標は立てていないものの、政策決定をより透明にしました。
私は、金融政策という国家の重要な政策が、政府とは独立して行われることに、関心を持っています。素朴な民主主義では、内閣か大統領が責任を持つべきです。しかし、これまでの経験から得られた結論は、政治が関与すると良い結果にならないということでした。もちろん、政府は総裁の任命権を持つなど、関与はします。その代わり、中央銀行には説明責任が生じたのです。
これは、NHKにも共通しています。報道は政治から独立すべきだということは、常識になっています。公共放送ということで、受信料や経営には政府と国会が関与します。しかし、放送内容には関与しないようにしているのです。