富山県立山町が、小中学校の体育館建て替えなどの財源とするため、固定資産税率を引き上げることを決めました(北日本新聞ニュース)。議会では、大議論があったようです。
良いことですね。自分たちが必要とする財源を、住民に求めることは。これが自治です。議会の本来の役割です。交付税や補助金の増額を待つようでは、自治とは言えません。英断に拍手を送ります。これが普通のことにならなければ、いけませんね。他の自治体にも広がることを、期待します。全国の超過課税の状況は、総務省が調べています。
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行政
規制改革
規制改革会議が、第2次答申をまとめました。各紙が解説しています。26日の日経新聞には、「後退目立つ」として、項目別採点表がついていました。表にして○×を付けると、わかりやすいですね。もちろん、微妙な点が表せない、という批判もあるでしょう。しかし、多くの場合は、まずは全体を簡単に理解したいのです。
地方議員の報酬
20日の朝日新聞は、福島県矢祭町の町議会が、議員報酬を月額制から日当制に変える方針であることを伝えています。記事に「欧米では日当制やボランティア制を採り入れている議会もあるが・・」とありますが、私の知る限り、月額制の方が少ないです(拙著「新地方自治入門」p338)。
議員活動に支障があるとの意見もありますが、ヨーロッパの市町村のように、昼間に議会を開かず、夕方から開けばいいのです。もちろん、議員にどれだけの報酬を払うべきか、その報酬を負担する住民に、民意を問えばいいことです。(12月20日)
イギリスの市の場合は2002年欧州探検記に、ドイツの町は欧州探検記その2に、フランスの村は欧州探検記その3に、イタリアの市は欧州探検記その4に載せてあります。
政策の検証
17日の日経新聞「核心」西岡幸一コラムニストの「トップは20年後もつくる」は、今年亡くなられたNEC元社長と日立製作所元社長の功績と責任についてでした。本論も興味深かったのですが、次のようなくだりにも目がいきました。
・・1980年代から90年代の日本の電子産業絶頂期を築いた経営者・・
そのピークは半導体で米国を抜いて世界一に立った1987年、ちょうど20年前だ。当時の業界の自信を示す格好の材料がある。産業構造審議会が87年に発表した「2000年の情報産業ビジョン」だ。電子、通信、情報サービスを合わせた情報産業の生産額は2000年に140兆円、国内総生産(GDP)の20%を占め、電子産業だけで110兆円になるとした。電子産業は現在でも20数兆円にすぎない・・
私が関心を持ったのは、外れたかどうかよりも、外れたことの検証を行政が行ったかどうかです。官僚は新しいプランを打ち出すことは好きです。でも、それが5年後、10年後にどうなったかを検証しないのです。当事者は2年で異動。政策は引き継がれるより、新しいことを打ち出すと評価されるという風土があります。もちろん、この記事にあるのは民間活動の予測ですから、政策そのものではありません。しかし、この審議会は省庁の一組織です。
官僚制問題の責任者
今日は、佐々木毅先生「守屋問題と政官関係」、『公研』2007年12月号から。
守屋問題は・・改めて、官僚制に対する監督責任の問題を、浮き彫りにした・・この責任問題は、政と官との接点に関わる極めて重大な論点を含んでいる。私のもっとも理解できない点は、あれだけ官に対する批判を口にする政に、官に対する監督責任を自ら引き受ける覚悟がほとんど見られないという点である。政権党であれば、政策をコントロールすることは勿論のこと、それを効果的に実現するためにマシーン(官僚制)の整備に配慮することは当然のはずである・・現状は、官が自己統治をしているというべき状態にある・・
私は大連載「行政構造改革」(第2章四)で、官僚機構の管理と評価は政治の責任であることを主張しています。もちろん、現在指摘されている官僚問題は、官僚自身に責任があるのですが、民主制において行政を監督する責任と権限は政治にあります。この部分は、2008年2月号に載る予定です。