日経新聞29日夕刊に、イギリスのボランティアの警察官が紹介されていました。100年以上の伝統があり、1万4千人、正規警察官の1割もいます。それを支えているのは、「自分たちの安全は自分たちで守る」という住民の自衛意識だそうです。
類似の例で、日本の場合は消防団が、ボランティア消防です。これも危険を伴う仕事ですが、住民の力で安全を守るという意識に支えられています。
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行政
地域づくり事例集
総務省が、「地域づくりキーワードBOOK 地域コミュニティ再生」を発行しました。毎年テーマを変えてつくっているようですが、今年は、地域コミュニティ再生がキーワードです。また、今年からHPに載せたので、簡単に見ることができます。紹介せよとの指示が来たので、お知らせします。これで良いかな、鈴木係長。
包括民間委託
25日の日経新聞経済教室は、根本祐二教授の「学ぶ点多い米の包括委託」でした。警察・消防・教育・保健福祉以外の業務を、企業に包括的に委託した市役所の例です。政策決定などを市職員が行い、実施のための企画や実施は受託企業が行います。ほぼ半分の経費で、できているそうです。日本でも、刑務所の一部や駐車違反取締りが、民間委託される時代ですから。まだまだ、工夫できると思います。
官僚のごまかし術
昨日、「順調に進んでいて、達成率は1%」という、笑い話のような話を書きました。その続きです。
官僚は、しばしば「このような事業を行います」「研究会を立ち上げます」と発表します。例えば、地域振興などでも「こんな施策をやっています」と言って、いくつかの取り組みを紹介します。それは事実なのですが、聞いていて、何か納得できない時ってありますよね。
理由は簡単です。やっているけど、成果が見えないからです。見えないというのは、まず第一点目に、その説明に「成果」がついていないこと。第二点目に、成果が付いていたとしても、全体での達成度が示されていないことです。
第一点目は、次のようなことです。「これからやります」「こんなことやってます」は、これからの取り組みについての説明であって、「これだけできました」という成果の説明ではありません。ここがポイントなのです。国会でも地方議会でも、予算について議論します。でも、それは予定であって、どれだけの成果が出たかの説明ではないのです。
第二点目は、昨日の記事のように、ごく一部をとらえて「進んでいます」といっても、全体ではまだまだ進んでいない場合です。
これらの説明は、嘘ではないのですが、結果として国民をだましています。議員さんも記者さんも、もちろん国民も、こんな説明にだまされてはいけません。そのような説明があったら、次のように質問してください。「それで、全体ではどれだけ進んだのですか。どんな結果が出たのですか」と。
岡本審議官、官僚に苦言を呈す
先日、ある政策の状況を、聞いたときのことです。説明資料に、右肩上がりの棒グラフが付いていて、「月平均増加率17%。順調に推移」と書いてあります。「なるほど」と思って、その上の本文を読んだら、その結果の達成率は1.3%でした。比較対象となる某国は、100%です。
岡本審議官曰く「おいおい、こんな説明資料つくっていたら、官僚は信頼されないよ」「0.2%が0.4%になったら、『倍増』と書くのかね」「書いていて恥ずかしくないかい・・」
ある経済人は、「君たち官僚の説明は、ユビキタスだ」と揶揄されます。その方が何か質問すると、官僚は何についても、どんなことでも、「やっています」と答える。しかし、よく聞くと、少しやっているけれども、結果が出ていない、という意味です。
正直に答えれば、いいのですよね。「できていません」と。そして官僚に求められるのは、達成するにはどんな方法があるか、どの方法が効率的かを提示することです。