講談社PR誌『本』2013年6月号、佐々木毅・東大名誉教授の「平成デモクラシーを問う」から。
・・平成になって四半世紀が過ぎた。平成元年はベルリンの壁が崩壊し、冷戦が名実ともに終焉を迎えた年であった。平成時代は世界史の大きな区切りとともに始まった。従って、平成を問うことは冷戦後の世界がどうであったかを問うことに重なる・・
政治についていえば、この四半世紀は世界規模での民主化の大波に洗われた時代であった・・日本はこの大波に無縁な民主主義国であったはずであるが、気がついてみると、日本の民主制もそれなりに大きく変貌した・・
今から四半世紀前の政治はすっかり姿を消した。確かに自民党という政党はあるし、再び政権の座についているし、相変わらず派閥という言葉はあるが、その内実は月とスッポンほどに違う。違いといえば「政治とカネ」の問題はその代表例であるし、今や「一票の格差」が二倍を超えたりすると違憲判決が出るようになった。
自民党自身が自らを変えようとし、それに他の政治勢力やメディア、有権者が加勢し、日本は連立政権から政権交代まで一気に走り抜けた。今や政治にとって透明性は命綱であるが、四半世紀前の政治は一言でいえば、派閥に代表される不透明性の集塊の感があった。「平成デモクラシー」はいわば透明性と変化に向けての体系的な跳躍の試みであり、リーダーシップにしろ、政権公約(マニフェスト)にしろ、そうしたものへの注目はこの大転換の中で生まれたのであった・・
この項続く。
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世論支持率の不確かさ
5月20日の日経新聞夕刊に、「ブッシュ前政権、割れる評価」が載っていました。ブッシュ前大統領は、政権末期の支持率は2割台でした。イラク戦争の理由とした大量破壊兵器が見つからなかったこと、大型ハリケーン「カトリーナ」への対応のまずさ、金融危機での企業救済に対し、批判が多かったのです。
ところが、今年4月のワシントン・ポスト紙の調査では、支持率は47%で、5割台のオバマ大統領とほぼ同水準になっているそうです。
日本でも、毎月、マスメディアによる内閣支持率が発表されます。あの数字が、何を意味するのか。かつて、薬師寺克行・元朝日新聞政治部長の「世論調査政治の落とし穴」(2012年10月28日の記事)を紹介しました。
ブッシュ大統領記念図書館が、今月からテキサス州で公開されました。そこには、最も論争となった4つの政策決定(イラク戦争、金融危機対応など)に焦点を当てて、来館者が大統領の立場になって、さまざまな選択肢の中から政策決定を追体験できる展示があるそうです。これは、興味深い試みです。
世界金融危機に対処するため、2008年11月に、主要国首脳がワシントンに集まりました。1929年の大恐慌を繰り返さないため、各国が協調して事に当たろうという趣旨です。日本が先駆けて財政出動などを決め、世界各国に訴えました。中国も協調し各国の財政出動や、「囲い込み」をしないことなどで、危機は回避されました(総理記者会見時に、国際金融対策は、官邸の記者さんたちには理解されなかったようでした。質疑応答を読んでください)。
なお、この展示の「Decision Points Theater」は、ブッシュ大統領の回想録『決断の時 Decision Points』の表題と同じようです。
規制委員会は業界から嫌われるべき
朝日新聞3月6日オピニオン欄「原発安全の番人」グレゴリー・ヤツコ前アメリカ原子力規制委員会委員長の発言から。
「日本の原子力規制委員会は、NRCをモデルにして原発を推進する省庁と切り離しましたが、電力業界から不満や批判もあるようです」という問に対して。
・・業界の人たちが不満を持っているのなら、たぶんいいことです。規制当局にとって最も大切なのは、許認可の意思決定の際、独立して判断が下せる能力です。日本には今、それがあると信じます。
それには、自らが技術的な専門家集団でなくてはなりません。そうでないと、他の人たちの情報に頼らざるを得なくなる。規制当局の存在意義とは突き詰めると、事業者が自らノーと言いたくないことに対して、時にノーを言うことです・・
古くてすみません。連休中に資料を整理したら、切り抜いてあったのが出てきたので。でも、この主張には納得します。
グローバル化が行政に与えるインパクト、その2
また、大橋洋一先生は「グローバル化と行政法」で、国際的約束を実現するために国内法が必要である場合に、法律制定手続きが持つ意味を、次のように整理しておられます。
1 与野党間の利害対立を統制する。
2 実現に向けた行政機関の権限や組織を指定する。
3 実施に向けて紛争が生じた場合の評価規範としての意味を持つ。
4 国民に対して、新規施策を宣伝する。
5 既存法律体系との調整が必要になる。
確かに、果たしている機能から見ると、このようにさまざまな効果があります。
市町村役場の役割、住民相談
市町村役場では、住民に対し、さまざまな支援(サービス)を提供しています。その一つに、住民相談があります。
どのような肉や野菜を買ったら良いかや、どのような服やスカートが似合うかは、商店に行けば相談に乗ってくれます。しかし、日常の暮らしには、いろんな困りごとや、どうしてよいかわからないことも多いです。子どもの時は、家族や先生に相談し、教えてもらったものです。職場の同僚に教えてもらうことも多いです。最近だと、インターネットで調べたり、聞いたりすることもありますね。
それができない場合、どこで誰に聞けばよいか。親しい人に知られたくないこともあります。でも、直ちに弁護士に相談する人は多くないでしょう。市町村役場が、この機能を担っています。
杉並区の広報4月1日号(p10)に、1ページにわたって、区役所が行っている相談事業が載っていました。
子育てや教育、保健福祉、高齢者、障害者、就労、消費者、家庭内の悩み(離婚、親子の悩み)、住宅、犯罪などなど。ご覧ください。これだけもあるのかと思うとともに、一つひとつなるほどと思うことばかりです。皆さんの住んでいる市町村役場でも、行っています。
相談というのは、見えにくいですが、重要なサービスです。ここで情報を得て安心することもあるでしょうし、それぞれの悩みを解決するために行っている具体サービスや専門窓口(経済支援や入所サービス)に誘導することもあるでしょう。