9月6日朝日新聞オピニオン欄、「非行少年に寄り添う」。弁護士の多田元さんの発言から。
「少年犯罪は年々、凶悪化しているように見えます」という問に対して。
・・家庭裁判所に殺人罪で送致された少年は戦後のピークだった1961年は396人です。いまは年間40人前後。ここ何年か変わっていないから、データでいうと凶悪化とは言えません。メディアの影響が大きいですね。かつては日常的な事件として報道されていましたが、いまは事件が起こると、その報道で埋め尽くされ、凶悪さが社会に印象づけられています。それが厳罰化を望む声につながっていると思います・・
・・男子高校生が、カッターナイフで同級生の顔面を切りつけた事件がありました。逮捕され、鑑別所に入った少年が、家裁の調査官の面接で「謝りたくない」と話して、反省していないとされました。付添人になって何回目かの面会で「謝るのが怖かった」と話してくれました。「謝って許されて学校に戻ったらもっといじめられると思った」とも。少年はひどいいじめを受けていました。いじめの中心人物をやっつければ逃れられると、切りつけたのです・・
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仕事をしながら介護をする
読売新聞8月19日朝刊スキャナーに、「働き盛り、介護で離職」が載っていました。
総務省の調査では、介護をしながら働く人が291万人います。今後も増えるでしょう。しかし、仕事と介護の両立は負担が大きく、介護を理由に離職した人が年間10万にも上ります。本人にとっても大変、企業にとっては損失、社会にとっても大きな課題です。
子育ては女性にしわ寄せされてきましたが、介護しながら働く人の数は、男女に大きな差がありません。
子育てに比べ、介護は先が見えないこと、長期にわたることも指摘されています。また、子育ては子どもの成長が喜びになりますが、介護は元気だった親が衰えていくのを見ることで、苦しいです。
日本の移民政策
8月25日朝日新聞オピニオン欄、ザ・コラムは、有田哲文編集委員の「移民政策、「だましだまし」に迫る限界」でした。
・・人口減少への対策で、わが国の政治家があまり語りたがらないテーマがある。移民である・・
・・日本には、外国人の技能実習制度がある。建前は実習だが、3年を上限に外国人を労働者として使える・・日本は移民政策の代わりに、変な建前を作ってしのいできた。単純労働は禁止だが、研修や実習ならかまわない。日本人の血を引く日系人なら、3世までは出稼ぎに来ていい―。そんな「だましだまし」は、もうやめにした方がいいのではないか・・
・・移民政策の両輪は、「社会的包摂」と「戦略」である。前者が、外国人を底辺に追いやらずに共生するにはどうすればいいかを考えるものだとすれば、後者は、国力を維持するためにどれだけの人をどう受け入れるかという、冷徹な態度である。
過去20年、社会的包摂は、それぞれの地域で試行錯誤を重ねてきた。しかし、戦略の方はまだこれからだ。
外国人支援を続けてきた多文化共生センター大阪の田村太郎さん(42)は、少子高齢化に立ち向かうための戦略が必要で、外国人受け入れ政策も、その一環として考えるべきだという。
「単純に日本の人口が減る分を外国人で穴埋めしろというのは、乱暴だし無理な話。女性が働きやすい社会をつくるなかで、外国人の力も借りるべきだ」。洗濯や掃除などの家事労働を担う産業を育てるとともに、外国人に労働許可を出していくことを提案する。希望すれば長く働くことができ、いずれは永住資格も得られる。日本版移民制度といってもよさそうだ。「男女とも働きやすくなれば、世帯の所得が増え、子どもも生みやすくなる。欧州には実例があります」
移民政策を語るのは、どこか心が痛む。自分たちのやりたくない仕事を押しつけようとしているだけではないか。でも、日本人だけで人口減少社会を乗り切れるとも思えない。
「だましだまし」は大人の知恵だったのかもしれない。しかし今必要なのは、もっと別の知恵である・・
太郎さんが、有田記者の記事に出てくるとは。世間は狭いですね。
官僚の象徴、スリッパで仕事
8月23日の日経新聞連載「迫真、取引所大競争。スリッパ禁止令」から。
・・「官僚よりも官僚的だ」。東証の職員はこれまで、霞が関の役人からも、こう冷やかされてきた。国内では断トツの市場である東証は、黙っていても企業や投資家が集まる殿様商売の時代が長かった。市場の運営という公的な役割を担うこともあり、お役所体質が染みついた。その象徴が、職場でスリッパを履いて働く人の多さだった。自ら外には出ない、待ちの姿勢だ・・
う~ん。スリッパが官僚の象徴ですか。世間では、そう思われているのですね。これについては、『明るい係長講座』でも、挿絵入りで批判しました。
また、待ちの姿勢については、新入生の時に、先輩から「お客さんが来ているうちは、商売ではない。客が来なくなってからどうするか。それが商売や」と言われたことを、思い出しました。その頃は、民間の商店のことを思い浮かべましたが、役所にも拡大できますね。
階段で荷物運びを助ける
朝日新聞8月19日夕刊に、「ベビーカーおろすんジャー現る」という記事が載っていました。
東京の地下鉄丸ノ内線の方南町駅(我が家の近くです)に、戦隊ヒーローの格好をした男性が現れ、ベビーカーを抱えて、階段を下ろすのを手伝ってくれるのです。
エレベーターやエスカレーターのない駅で、ベビーカーや荷物を持った人が困っていることが多いです。このヒーローは、顔を見られるのが恥ずかしいので、ヒーローの仮面をかぶっています。最初は、不審がられたそうです。
かつてこのホームページでも紹介しましたが、日本は荷物を持った弱い人に対し、冷たいようです。私は、最近は恥ずかしくなくなったので、見かけたときにはお手伝いしています。もっとも、それくらいでは、我が子の子育てを手伝わなかった(そもそも、手伝いという表現が、間違っています。正確には、責任を果たさなかった)罪は償えません。「今日のささやかな善行」(2010年12月18日)、「読者からの反応」(2010年12月6日)。