カテゴリーアーカイブ:行政機構

連載・厚労省

2008年7月19日   岡本全勝
日経新聞が、連載「ザ厚労省」を始めました。第1回は「羅針盤なき巨大組織、思考停止に膨らむ不信」です。
・・・人が生きるための制度をつかさどる。老後の安心、働く環境、医療の再生、子供の未来・・。頼るべき組織と人に、頼りないことばかり起きている。古びた制度や体質が、この国の行く先をさびつかせる。
・・・座標さえ見失った老朽船。厚労行政は、今も古い時代を生きる「戦時下の落とし子」だ。・・戦後は成長のレールの上で国富が膨らみ、人口も増えた。社会保障という「成長の果実の分配」に大きな苦労はなかった。そして急成長の時代が過ぎ、少子・高齢・人口減の時代が来た。過去の延長線では、日本の社会保障は崩壊する。価値軸が「負担の調整」へと変わっているのに、それを説明するすべを持たず、行き先を示せず、制度の手直しにきゅうきゅうとする。それが10万人を超す大所帯に膨れあがった今の厚労行政だ。
・・・「すべてを自分たちが扱っているようで、実は何も扱えていない」。昨年まで厚労相だった柳沢伯夫はそう思う・・
日々の事件報道だけでなく、このような構造的な分析記事は、重要です。連載に期待しましょう。そこには、厚労省に限らず官僚機構に共通する問題、日本の政治の問題、そして厚労省に特有の問題が含まれています。それらを腑分けして、論じてもらいたいです。

空港経営の効率化

2008年7月15日   岡本全勝
赤井伸郎准教授が、週刊『エコノミスト』7月15日号に、「インフラ資産の有効活用を促すガバナンスのあり方を考える」を書いておられます。空港と道路というインフラ資産について、どう仕組むと管理者がよりよい経営をするかについてです。
空港には、国管理と地方団体管理がありますが、国管理の中にも、直営(羽田)、特殊会社(成田)、株式会社(関西、中部)と、いろんな形があります。そして、滑走路、空港ビルなどで、管理者が別れています。

目標による管理

2008年6月29日   岡本全勝
組織の目標による管理の例として、鳥栖市の「部課長の仕事宣言」が、わかりやすいです。紹介します。
ある人曰く、「こんな簡単なので、良いのですか?」。良いのです。難しい複雑なことは、長続きしません。まず書いてみることで、本人にとって仕事の目標と重点が見えます。それが上司・部下と共有されることで、仕事が円滑に無駄なく進みます。さらに市民に見せることで、理解されまた評価されます。
先日、個人の能力と組織の能力は別だと書きましたが、このような仕事の「見える化」が、組織力を高めます。組織の能力を高めるためには、伝統や文化といった見えないものに頼るのでなく、見える化が大切なのです。

行政の分類

2008年6月29日   岡本全勝

授業で使っている「行政の分類」を、HPに載せました。これは、国家(政府)の役割から見た、行政分野の分類案です。去年載せたものを、加筆しました。

組織能力

2008年6月23日   岡本全勝
平野雅章『IT投資で伸びる会社、沈む会社』(2007年、日本経済新聞社)が面白く、勉強になりました。先生の主張は先日、日経新聞経済教室を紹介しました。その元となっているのが、この本です。
IT投資で成果を出すにはどうしたらいいかが、この本のテーマです。組織能力のない会社がIT投資をしても、成果が上がらないことを実証しておられます。能力のない会社が最先端の生産設備を入れても、使いこなせないのと同じ、という説明には納得します。IT投資をすれば組織能力が上がるという考えも、間違いだそうです。素人がスーパーカーを運転すると事故を起こすのと同じです。
「手続きを変えることなくIT化してもダメ」と、はっきり書いてあります。行政機構でのIT化の失敗を観た私としては、もう少し早くこの本を読んでおればと、思いました。もっとも、失敗しているから、この本を読んで納得したのですが。
もう一つは、職員の能力と組織の能力は別であり、いくら職員研修をしても組織の能力は上がらないという指摘です。相撲の団体戦は各選手の力を強化すれば勝てますが、サッカーは各選手の連携を強化しないと強くなれないのです。私は、組織能力は、漠然と組織の伝統だと思っていました。でも、この本に指摘してあるように、まだできて新しい会社でも組織の能力が高いか低いかがあるのですから、「伝統」と片付けるのは間違いですね。
その他、組織の管理者として、納得することが多かったです。すごく、触発されました。