昨日、内閣官房に置かれた各種会議を紹介しました。今日は、内閣官房に置かれている組織(事務局)の数々を紹介しましょう。これだけの組織を知っている人は、国家公務員でも少ないでしょう。各種会議は主に合議制ですが、ここにある組織は、それら会議の事務局が多いです。
また、内閣府に置かれる組織もたくさんあります。こちらもいろんなものがあります。私たちの被災者生活支援チームも、内閣府に置かれた組織なのでこの図に出てくるべきものですが、臨時なのでか、載っていませんね。
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行政-行政機構
終わった政府組織の記録
政府では、新しい課題について、いろいろな検討組織が作られます。これらは、任務を終えると廃止されます。
現在は、それらを調べることが、容易になっています。内閣官房のホームページに「各種本部・会議等の活動情報」のページがあり、そこに「現在活動中の会議」と「活動を停止・終了した会議」の一覧が載っています。そこをクリックすると、それぞれの会議の資料を見ることができるのです。便利なものですね。私の関係した組織でも、「再チャレンジ推進会議」と「安心社会実現会議」は載っています。「省庁改革本部」は載っていないようです。これは、内閣官房でなく、内閣に直属したからでしょうか。若い人は、これらの組織を知らないでしょうね。
私の記憶では、安倍晋三内閣の時に、このページ(終了した会議)が作られたと思います。当時、内閣府に出向していて、内閣官房の職員に「こんなページを作って欲しい」とお願いしていたのです。私以外にも、問題意識を持った幹部がいたのかもしれません。
各省に置かれた暫定的組織なら、どこかの部局に引き継がれるのでしょう。しかし、内閣や内閣官房につくられる組織は、そもそもが各省に属さない、あるいは各省にまたがる課題を扱います。どこにも引き継がれない可能性が、大きいのです。さらに、ファイルに綴じられた文書も重要ですが、一般の国民や若い公務員には、インターネットの方が便利でしょう。理想的には、各組織ごとにきちんとした文書が記録され、インターネットで公表資料が残り、できれば1冊解説書があれば、便利ですね。
行政改革の分類
以下の記述は、この論文を書くまでの道のりです。
日本が取り組んでいる行政改革を、目的別に整理してみました。「行政改革の分類」です。かなり前から試行錯誤していたのですが、ようやく一つの割り切りにたどり着きました。あわせて、行政の分類もやってみました。これはもう、10年以上前からの宿題です。もちろん、分類はその目的によって様々なものがあります。私の分類も、一つの試みでしかありません。でも、本人は、すごく意欲的な表と思っています。まだ改善の余地はありますが、ひとまず、すっきりしました。(2007年2月19日)
Ⅰ 行政改革の分類
(行政改革の目的別分類)
今日本が取り組んでいる行政改革を、分類したいと考えていました。かつて、省庁改革に携わったときに、少し試みたことがあります。「省庁改革の現場から」p218では、主に政治と行政機構の改革について分類しました(下の参考に載せてあります)。「新地方自治入門」p244では、行政のスリム化という観点で、図示しました。
その後も、いろいろな行政改革が続けられています。しかし、その中にはいろんなものが含まれていて、きれいに整理されていません。また、ある言葉の中に様々な目的のものが含まれています。例えば、「官から民へ」へといった場合、民営化・民間委託だけでなく、事前調整から事後監視へや、規制改革も含まれます。「規制改革」は小さな政府からスタートして、市場の活性化にシフトしてきました。これらの言葉も、整理してみたかったのです。
(行革を迫るもの、目的からの分類)
試行錯誤した結果が、「行政構造改革の分類」(目的・効果別の歴史)です。行政改革といわず、行政構造改革と名付けたのは、より深く構造的な改革を迫っていると考えるからです。
今回もうまく表にできないので、ファイルで載せます。うまく開かないときは、一度パソコンに(デスクトップにでも)保存して、それから開いてください。(2007年2月19日)
加筆修正しました。分類を大きく、「財政再建・経済活性化」「官の役割変更」「ガバナンス改革」に分けました。この順に、行政改革が対象範囲を広げ、意図も拡大したという意味を込めています。
一つの改革が、2つ以上の意味と効果を持つこともあり、いくつかの欄に分類されることもあります。ひとまずの割り切りだとご了解下さい。また、範囲が広がったこともあり、表題を「行政構造改革」と変更しました。副題は、「目的別・効果別の歴史」です。(2010年10月9日)
その後、さらに加筆しました。表題は「行政改革の分類」としました。(2010年12月11日)
行政改革の分類(ワード)
【歴史遺産】(古い表)
2007.5.3 gyouseikouzoukaikakubunnrui.doc
この表の作成には、山下哲夫総務省行政管理局管理官、福井仁史福岡大学法学部教授の協力を得ました。表の都合上、時期が必ずしも正確ではありません。
これはその名の通り、近年の行革をその目的や効果で分類したものです。もちろん、分類はその目的によって、いろいろなものが考えられるでしょう。この表は、日本の行政をめぐる「環境の変化」と「役割の変化」から、考えてあります。改革を迫るものは、一つには「日本社会の成熟」(右肩上がりの終了、発展途上国の終了)であり、もう一つは、「世界の進化に合わせること」(国際化への対応、新自由主義的改革、公開と参加)です。
「小さな政府」といっても、歳出削減のためのものもあり、官の役割縮小のためのものもあります。ここでは、それを目的別に分類したのです。もちろん、すべてがすっきりと分類できてはいません。
(環境の変化の分類)
日本に行政改革を迫る環境と、対応しなければならない役割の変化を整理すると、次のようになります。
環境の変化と役割の変化=改革を迫るもの
(1)日本社会の成熟
① 右肩上がりの終了
→財政再建、行政改革(狭義)
② 発展途上国の終了
→官の役割縮小、国から地方へ、官から民へ、事前調整から事後監視へ
(2)世界の進化に合わせる
① 国際化への対応
→国際規格への適応
② 新自由主義的改革
→規制改革、市場の活性化
③ 行政の管理運営改善(民主主義の補完)
→官の独占を止める、公開と参加
Ⅱ 日本の構造改革の分類
「省庁改革の現場から」p218では、日本が取り組んでいる改革を、次のように分類しました。これは、対象別、領域別の分類です。
1 社会経済システムの改革
(1)税財政等(財政構造改革、税制改革、社会保障制度改革)
(2)社会システム(地方分権改革、司法制度改革、規制改革、教育改革、金融制度改革)
2 政治・行政の改革
(1)政治改革
① 政治制度(選挙制度改革)
② 政治主導(内閣機能の強化、副大臣・政務官の新設)
(2)行政改革
① 組織改革・縦割り是正(省庁改革)
② スリム化(局・課の削減、定員削減、審議会整理、独立行政法人化、特殊法人改革)
③ 透明化(政策評価、パブリックコメント、情報公開)
④ 公務員(公務員制度改革)
(2007年2月19日、24日)
構造改革の体系図を新しくしました。
元の表は、「省庁改革の現場から」p218です。(2011年1月9日)
「構造改革の体系図」2010.12.9kouzoukaikautaikei.doc
Ⅲ 行政の分類については「行政の分類」へ。
拙稿『行政改革の現在位置」
北海道大学公共政策大学院の年報『公共政策学』に、拙稿「行政改革の現在位置~その進化と課題」が載りました。PDFで、読むこともできます。抜き刷りも送っていただいたので、関係者に送る準備をしているのですが。インターネットでも読めるのは、便利なものですね。宮脇淳先生から執筆依頼を受け、長年温めていたテーマを論文にしました。
1990年代以降の行政改革を整理し、範囲と目的が広がってきたことを論じました。この20年間に、様々なそして大きな行政改革が行われました。それらの改革がなぜ行われたか、その社会経済的背景を述べるとともに、それらを「小さな政府・財政再建」「官の役割変更・経済活性化」「ガバナンス改革」の3つに分類しました。近年の行革は、スリム化だけではないというのが、一つの論点です。いろいろ試行錯誤した結果、このような分類にたどり着きました。この分類が成功していると、嬉しいのですが。
また、第一次臨調と第二次臨調は全体像が明確であったのに対し、これらの改革は全体を統括することなく進められたというのが、私の主張です。
先行研究を探したのですが、ぴったりするものを、見つけることができませんでした。官僚の知人たちや、八代尚宏先生にも助言をいただき、完成させました。ご関心ある方はお読みいただき、批判をいただけると幸いです。
もう少し書きたいこともあったのですが、分量が多くなって、断念しました。次の機会に補足します。
組織を考える視点・その2
昨日の続きです。
(継承と変革)
最近、組織の設計と管理を考える時に、もう一つ重要な切り口があることに気づきました。それは、継承と変革です。
職員は、決められたことを実行しなければなりません。上司の命令、規則や法令に違反して、勝手なことをしてはいけません。しかし、現場でそれら規則に合わない事態が起きたときや、社会が変化してこれまでのやり方ではうまくいかない場合に、仕事のやり方や仕事そのものを変えていく必要があります。
そのために、組織論として、組織の中に、継承と変革の仕組みを組み込んでおくことが必要ではないかということです。
経営者が交代することで、変わる場合もあります。例えば、社長の交代、政権や首長の交代です。しかし、それは外部からの指示であり、たぶん大きな方針変更でしょう。そうではなく、現場での執行段階での変革の仕組み、組織内部での変革の仕組みが必要だということです。
「官僚機構とは、命じられたことを実行する仕組みである」と定義づければ、組織と職員による自らの改革は不要でしょうが、私はそうではないと考えています。
この場合も、組織と人との二つがあるのでしょう。
人の場合は、職員が改革意識を持っているかどうかです。幹部とともに、一般職員にその意識をどう植え付けるかが、課題になります。各職員の改革意欲であり、組織の文化・DNAです。しかし、これは人の意識に左右されるという欠点があります。
組織に着目すると、改革を担う部署を組み込んでおくということです。従来通りのことを続けていては、発展はありません。民間企業の場合は競争があるので、新しい製品を考えたり、業務の効率化を考えることが、組み込まれていることが多いのではないでしょうか。そのような部署とともに、カイゼン運動があります。
行政機関の場合に、どう設計するかです。これまでは、自らの予算や組織を大きくすることは、得意でした。事業の拡大ではなく、新しい問題を拾い上げること、今やっているやり方を変えること、場合によっては縮小することもです。この場合も、各人や各部署が、てんで勝手に好きなことをしては、収拾がつかなくなります。しかし、統制だけでは新しい変化は生まれません。かつて書いたように、秩序と混乱、維持と発展のバランスをどう取るかになります。