カテゴリーアーカイブ:経済

基礎年金消費税方式

2008年6月25日   岡本全勝
25日の日経新聞経済教室は、八代尚宏先生の「未納こそ年金財政のカギ。税方式で真の皆年金、保険料は厚労省の目的税」でした。
未納の実質放置は、国民皆年金の放棄に等しいこと。税方式は、未納問題がなくなること。社会保障国民会議の年金財源試算には、あり得ないケースも含まれていること。年金の税方式化は、全体では負担増にならないことを主張しておられます。私は、先生の主張に賛成です。

石油危機の歴史

2008年6月8日   岡本全勝
8日の朝日新聞時時刻刻が「迫る第3次石油危機」を解説していました。その中で、第1次・第2次の石油危機と今回を対比した表を載せています。
第1次石油危機(1973・74年)では、1バレル当たり3ドルが12ドルまで4倍に上昇。物価上昇率は20%に達しました。トイレットペーパーなどが店先から消え、戦後初めてマイナス成長になりました。第2次危機(1978~82年)では、1バレル12ドルが34ドルに、約3倍になりました。物価は8%上昇しましたが、社会での混乱は生じませんでした。
今回(2003年~)は、1バレル25ドルが現在140ドル近く、5倍になっています。今のところ、物価上昇にはならず、景気は(もともと弱いですが)減速していません。
かなり耐性がついたようです。エネルギー源に占める石油の割合は、1973年度の77%から、現在は50%以下に落ちています。発電は、75年には石油火力が62%だったものが、現在は8%。発電効率は3割から5割に上がっています。
24日の日経新聞経済教室は、吉川洋教授の「社会保障国民会議ー中間報告の焦点」でした。

前川リポート

2008年5月17日   岡本全勝
17日の朝日新聞・変転経済は、「前川リポート」でした。アメリカとの貿易不均衡は、「貿易摩擦」と呼ばれ、激しい対日批判がおきました。1980年代は、アメリカが経済的に自信をなくし、日本がJapan as No1と浮かれた時代でした。アメリカからの批判に答えるため、日本の経済構造をどう変えるかが議論されました。さらにこの後、日米構造改革協議が行われました。
このリポートは、その後、日本経済がバブル経済に飲み込まれ、目標を達成しなかったと評価されています。詳しくは記事を読んでもらうとして、私はこのリポートは大きな意味があったと思います。
それまで日本は、せっせと輸出してお金を稼ぐ、という発想に囚われていました。もちろんそれが成功して、世界第2位の経済大国になったのです。しかし、そこまで大きくなったときに、国際社会で一人勝ちしては、許されないでしょう。日本は、もはや発展途上国ではなく、トップを走る先進国になったのです。しかし、国民の意識は、まだ切り替わっていなかったのです。このリポートは、輸出志向から内需拡大へと、方向転換を打ち出しました。
「日本人は貧しさの中で生き方は知っているが、豊かさの中での生き方は知らないのじゃないか」。これは、大平首相の言葉です。「新地方自治入門」p181で、紹介しました。
1986年のことですから、もう22年もたつのですね。私は、鹿児島県で課長をしていました。プラザ合意(1985年)による円高不況に、苦労していました。今の大学生には、わからないことですね。

保育所に市場原理を

2008年5月1日   岡本全勝
5月1日の日経新聞経済教室は、鈴木亘准教授の「待機児童対策、市場原理で。大幅な財政削減可能、質向上と効率化同時達成」でした。
・・厚生労働省は待機児童数は1.8万人とするが、全国的には100万人近い供給不足がある。8,000億円の財源が必要とされるが、厚労省は財源が確保できないと改革の議論はできないとして、改革をサボタージュしてきた。
しかし、その考え方は全くの間違いである。政府の規制改革会議が提案しているのは、直接契約・直接補助方式の導入と、保育に欠ける要件の見直しの2点である。これで、追加財源はいらず、供給量を増やし、質の向上もできる。
認可保育所入所者は運営費の4分の1程度しか保育料を払っておらず、残りが公費補助である。一方、認可外保育所への補助金はわずかで、これは官業の民業圧迫である。保育所に補助金を出すのではなく、利用者に利用券を与える方式にすれば、競争条件が均等になる・・
提案のように、施設補助から利用者補助に変え、措置から契約に変えた前例として、介護保険があります。詳しくは、原文をお読みください。

サービス業の生産性はなぜ伸びないか

2008年4月4日   岡本全勝
これに関連して、朝日新聞が3日から、「成長戦略の足元」を連載しています。3日は「生産性、伸びぬサービス業」で、散髪屋さんが出ています。散髪屋さんは、生産性の上がらない代表例として、良く取り上げられます。でも、10分1000円の散髪屋さんが、はやっています。逆に、カリスマ美容師がいるのですから、理容もカリスマ理容師が、良いサービスと高い料金を取ればいいと思います。一律料金でカルテルを結ぶから、生産性が上がらないのです。
4日は、「商店街、進まぬ代謝」です。高松市の成功した商店街と、寂れた商店街を取り上げています。ここは、諮問会議が出張した場所です。成功した秘訣は、所有と利用の分離です。地権者は共同出資した会社に、土地を定期借地で貸します。そして、別の使いたい人が、商店を使うのです。寂れている商店街は、土地建物を持った商店主が、はやらない店を続けます。記事は、中小企業の延命策が起業家の参入を阻み、結果として商店街を衰退させていることを指摘しています。これは、農業も同じです。
わかりやすく、読み応えある連載です。