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社会

懲りない詐欺メール

皆さん方のパソコンに、次のような電子メールが来ませんか。

「ご注意◆E T C利用照会サービス※解約予告のお知らせ
いつもE T C利用照会サービスをご利用いただき、誠にありがとうございます。
E T C利用照会サービス(登録型)では、お客さまのアクティビティとセキュリティを確保するため、450日以内にログインがない場合、ユーザーIDを自動的にログアウトする仕組みを設けています。 解約予定日は「 2024年04月25日 」となっておりますので、お手数ですが、ログインと個人情報の更新をお願い申し上げます。」

私は自動車を持っていないので、もちろんETCは使っていません。このメールが来るたびに、「それなら早く解約してくれ」とつぶやいて、削除しています。「もう送らないでください」と返事したいところですが、それをやったら相手の思うつぼなので。

発信先は、訳のわからないアドレスであったり、最後にcn(中国)がついていたりします。中には、私のメールアドレスが発信者で、私のメールアドレスに来ているのもあります。そんな偽装ができるのですね。
同じような詐欺メールが、銀行やらクレジットカード会社から届きます。利用してもいない会社から来ても、引っかかりませんわ。でも、引っかかる人もいるということですね。
なお正確には、古い方のメールアドレスに来るのです。プロバイダー会社がこの手のメールを「迷惑メールフォルダー」に隔離してくれるので、たまにそのフォルダーを見て削除しています。その振り分け機能をかいくぐって、届く詐欺メールもあるのです。

電車の車内テレビ、親の仕事ぶり

通勤に、地下鉄と東日本旅客鉄道株式会社を使っているのですが、車内の電光掲示板「トレイン・チャンネル」がいろんな宣伝を流してくれます。東日本旅客鉄道では、4月からテレビ番組に近いものも放映しています。

その中に、子どもがお父さん、お母さんの働く姿を見るという番組があります。先週の分を、インターネットで見ることができます。子どもたちの驚く姿と、親に感謝する姿が、いいですねえ。ほかの週の放送も、見ることができればよいのですが・・・。

農業や自営業が少なくなり、ほとんどの人が勤め人です。そして、職住が接近していないことと、建物の中で仕事をしているので、子どもたちは親がどのような仕事をしているかを知らないのです。「職場訪問」をやっている会社や役所もあります。事務職では、働いている姿を見ても、子どもは理解しがたいでしょうね。

「私は大丈夫」だから、あなたもだまされる

4月22日の朝日新聞夕刊、西田公昭・立正大学教授の「「私は大丈夫」――だから、あなたもだまされる 自信捨て、違和感大事に」から。

オレオレ詐欺が登場してから20年以上になる。被害に遭う人は絶えず、警察庁によると、昨年は約4千件の被害が確認され、被害総額は130億円を超えた。記者(28)の祖母(81)も昨夏、100万円の被害に遭った。だまされてしまう人の心理を、立正大学心理学部の西田公昭教授(社会心理学)に解説してもらった。

――高齢者が被害に遭いやすいと言われます。
完全な勘違いです。家族の危機を察知し、時には銀行の制止を振り切ってまでお金を渡す。これは認知機能がしっかりしていないとできない。実際、働き盛りや若者、いろいろな世代が巻き込まれています。

――実際にオレオレ詐欺の被害に遭った人の8割近くが、「自分は被害に遭わないと思っていた」と答えたという調査結果もあります。
警戒できていないわけだから、だまされやすいのは当然ですよね。自分の弱さを知らない「脆弱性の無知」と言うんですけどね。自分が弱い、もろい、だまされやすいと分かっていないから、誰かが被害に遭ったと報道されても「ひとごと」としか思っていない。だから、無警戒なんです。

――だまされないためにはどう行動すればよいのでしょうか。
違和感を大事にできるかどうかが、一番大きなところだろうと思います。電話がかかってきた時点、話の内容、指示される行動におかしいと思えるか。
一度立ち止まって考えられるかどうかは、もともと、自分がだまされるかもしれないと思っているか、思っていないか。その差なんですね。
自分自身がだまされるかもしれないと思っている人の方が慎重に行動できるはずです。「自分は大丈夫」という自信を捨てること。私自身もだまされると思っています。
立ち止まるポイントは、お金の話が出たらすべて詐欺だと疑うことです。そのうえで、電話の相手が本人かどうか確かめる。自分の知る番号にかけて確かめれば良い。それが一番最初にできることです。

ひとりミドルの衝撃

4月11日の読売新聞「シングル欄」(こんな欄があるのですね)、宮本みち子・放送大学名誉教授へのインタビュー「ひとりミドルの衝撃って?」から。宮本先生には、私が第一次安倍内閣で再チャレンジ政策を担当したときに、ご指導をいただきました。

・・・ 「東京ミドル期シングルの衝撃」(宮本みち子・大江守之編著、東洋経済新報社)という本が刊行された。東京区部単身者の4割近くを占める35~64歳を対象にした研究だという。筆者もその一人。何が「衝撃」なのだろうかと、研究グループを主導した宮本みち子放送大学名誉教授を訪ねた・・・

――本に、この年代の単身者は行政には見えない存在だった、とありました。
「シングルに対する行政の関心は主に高齢者にあり、現役で働く人たちに政策としてかかわる必要はあまりないという認識が強いと思います。この本は2013年に開始した新宿区の調査を踏まえてその後23区に広げ、約10年に及ぶ研究をまとめたものです」

――何が見えましたか。
「ミドル期シングルには多様性があるとはいえ職業上の役割が生活の多くを占め、人間関係は限定的です。個人化と流動化が進む都市空間で、シングルが孤立せずに暮らすには、“開かれた場所”と“弱い絆”を豊かにする街づくりが必要です」

――調査したシングルたちの関心事は何でしたか。
「一番の不安は、寝込んだ時にどうするか、でした。女性は親きょうだいに頼る意識が強く、日頃から仲良くしてもいます。男性は仕事中心で親族との交流の頻度が低く、行政サービスを頼る意識が強い」
「互いの関心と配慮で結び付く持続的な関係を『親密圏』と呼びますが、これを持たない人が特に男性で目立ちます。家族を基盤にした親密圏が弱まる一方で、会社中心の日々で新たな親密圏の存在が見えない。そうなると孤立、孤独の問題が出てきます」

――どんな親密圏を築けばよいのでしょう。
「二つの方向があって、一つは家族の見直し。法律婚か未婚かという二者択一を脱して、LGBTQ(性的少数者)の人たちも含めた多様な親密圏を広げていくことです。もう一つは住宅。孤立した住宅ではなく、シェアハウスのように、プライバシーを確保しながら共同生活のメリットを増やしていくなど、住まいの多様化を進めることです。どちらも今のところ、期待されたほどには増えていません」

ソーシャルメディアの心への悪影響

4月3日の朝日新聞教育欄に「若者の心に影響?SNSに懸念 摂食障害・うつ…関連研究、米「深刻なリスク」」が載っていました。

・・・ソーシャルメディア(SNS)が若者の心の健康に及ぼす悪影響への懸念が、世界で強まっている。SNS利用と、摂食障害やうつ病といったメンタルヘルスの問題に関する研究が進み、脳の発達期にある10代の子どもたちが特に影響を受けやすいとの指摘もある。世界と日本の現状と取り組みを探った。
目白大大学院修士1年の上條凜さんは2年前、インスタグラムを使う都内の女子大学生約150人にアンケートした。調べたのは、インスタへの投稿行動と、自分の体形への認識や心理的ストレスとの関連だ。
調査では、自分の投稿への承認欲求が強い人ほど、体格指数(BMI)では「標準」や「やせ」でも自分を太っていると認識する「ボディーイメージのゆがみ」が強いという結果がでた。ボディーイメージのゆがみは、摂食障害につながる原因の一つとされる・・・

・・・SNSが若者に与える影響は、社会問題化している。
米国では、SNSの影響を受けて自殺したとして、保護者らがインスタを運営する米メタなどを提訴する動きが広がる。昨年5月には、米公衆衛生部門トップのマーシー医務総監が「SNSは若者の心の健康を害する深刻なリスクがある」とする勧告書を公表した。
勧告書によると、米国のSNSを利用する13~17歳は95%に上る。10代前半で1日3時間以上SNSを使うと、抑うつや不安などの症状を引き起こすリスクが2倍になると指摘した。
さらに脳の発達の面からも、SNSの影響について特段の調査が必要だと指摘。アイデンティティーが形成される思春期は社会的プレッシャーや仲間との比較に敏感になるためだ・・・

・・・法律で有害情報から子どもを守る動きもある。
英国では昨年10月、「オンライン安全法」が成立。自殺や自傷行為、摂食障害を助長する情報などを「子どもに有害な情報」と定義し、子どもが見られないようにする措置をSNS事業者などに義務づけている。
後押ししたのが、2017年に起きた14歳の少女の死だ。少女はインスタグラムで大量の自傷行為やうつ病に絡む情報を見ていたという。
少女の家族を支援した英NGO「5ライツ財団」のリアンダ・バリントンリーチ専務理事は「SNS事業者は、子どもをサービス内に引き留めるためにアルゴリズム(計算手順)を駆使し、刺激的なコンテンツを使う。子どもの利益より企業の利益を選ぶ事業者を正しい軌道に乗せるのは政府の責任だ」と話す・・・