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社会

重力波

昨日に続き、ノーベル賞の話を。2017年の物理学賞は、重力波を世界で初めて捉えることに貢献したアメリカの研究者が選ばれました。
先日、出版されたばかりの、高橋真理子著『重力波発見! 新しい天文学の扉を開く黄金のカギ』(2017年、新潮選書)を読んだところでした。

宇宙(大きい世界)や物質(小さい世界)がどうなっているのか、どうしてできたのか、知りたいですよね。また、人体はどうなっているのか、意識はどうしてできるのか。で、時々自然科学の本、といっても専門書でなく「読み物」を読みます。
この本も、朝日新聞記者が書かれたものなので、読みやすかったです。でも、「わかった!」とはなりません。古事記や日時計まで出てくるのです。う~ん。アインシュタインの相対性理論も、読む度に分かったような、分からないような・・・。時間と空間がゆがむと言われても、ぴんときません。

それより、どうして重力(引力)が働くのか。目に見えない「こびとさん」(粒子)が引っ張り合っていると思うのですが。重力子が発見され、私の目に見えたら、「なるほど」と納得するでしょう。

キレるコオロギとその社会復帰

KDDI総合研究所の「季刊 Nextcom31号」に載っている、長尾隆司・金沢工業大学教授の「キレるコオロギの社会復帰」が興味深かったです。詳しくは、原文を読んでいただくとして。
集団で飼育したコオロギと隔離して育てたコオロギを闘わせると、隔離コオロギが圧倒的に強く、しかも透明なケースで隔離したコオロギは、ひたすら攻撃を続け、最後は相手をばらばらにして食べてしまうほど凶暴なのです。悲しいことに、透明なケース隔離コオロギは、相手がメスでも性行動ができず、殺してしまいます。
この隔離コオロギを、集団コオロギの中に入れると、数日後には攻撃性も収まり、性行動も正常にできるようになります。
仲間との触れあいを断たれた中で育つと、このようになるようです。そして、脳内ホルモンが影響しているようです。

先生は、この透明なケースで飼育した隔離コオロギを「インターネットコオロギ」と名づけておられます。この命名は的を射ています。完全に隔離されて育っているのではありません。つながっているけどつながっていない。インターネットでのつながりに似ています。
先生の研究内容は、「コオロギで探る人間の心」(athome教授対談)でも読むことができます。

フラリーマン

「フラリーマン」って、ご存じですか。NHKが解説しています。仕事が終わっても、まっすぐ家に帰らない会社員です。「“フラリーマン” まっすぐ帰らない男たち」。詳しくは、原文をお読みください。
長時間労働は、個人と職場だけでなく、家庭、地域、日本社会に染みついた意識であり仕組みです。これを変えるには、巨額の公共投資は必要ありませんが、一種の革命が必要です。時間がかかるでしょう。
でも、クールビズも、あっという間に定着しました。人間の意識、習慣とは、そんなものです。

お母さんはマンマ、ではお父さんは

昨日、「イタリアでも引きこもり」の記事で、お母さんを「マンマ」と呼ぶこと、そして、お父さんをどう呼ぶか知らないと書きました。

ある読者から、「それはゴッドファーザーですがな」と、笑える答えをもらいました。この有名な映画も古くなったので、見ていない人は、分からないでしょうね。確かに、イタリア(系移民)の話ですが。

イタリアでも引きこもり

8月31日読売新聞国際面に、「引きこもり増、悩むイタリア」が載っていました。
・・・陽気で楽天的な国民性で知られるイタリアで、「引きこもり」問題への関心が高まりを見せている。自宅から出ず、他人と関わらない若者は「HIKIKOMORI」として認識され始め、対策に日本の知見を期待する声も上がっている・・・
イタリアでは引きこもりの若者が10万人ほどいるとみられています。しかし、認知度が低く、支援団体もなく人知れず悩んでいるとのことです。

イタリアは日本と同様、家族のつながりが強く、その象徴がマンマ(お母さん)だと聞いたことがあります。引きこもりができるのは、家族の支援があるからという面があります。家族の絆の強さ、それへの依存が背景にあるのかもしれません。他の国では、どうなっているのでしょうか。

以下、脱線です。
対になるお父さんは、イタリア語で何というか、知っていますか。私を含め、多くの人が知らないでしょう。家庭は、母で持っているのでしょうね。