カテゴリー別アーカイブ: 社会と政治

社会と政治

貧困と社会的排除

7日の読売新聞「社会保障・安心」は、「貧困拡大、見えぬ実態」を取り上げていました。日本では貧困状態にある層を把握する手段がないこと、生活保護制度の限界、生活保護と職業紹介の縦割りの問題などが指摘されています。
さらに、「社会的排除」=企業、学校、家族などとのつながりが薄く、社会から孤立しがちな状態の課題も、指摘されています。私は、この課題を中間集団の機能として、「新地方自治入門」第8章で論じました。

男女の賃金格差

26日の朝日新聞「あしたを考える」は、「男と女、賃金格差大国日本」を大きく解説していました。同一労働同一賃金原則が、徹底していないようです。「総合職と一般職に分かれていて、一般職の多い女性は平均賃金が低い」というのが、会社側の説明です。女性からすると、「仕事も大して変わらず、残業までしているのに、賃金格差がひどすぎる」という主張です。
パートが正職員と同じような仕事をしていながら、賃金が低いことも、問題です。男性のパート職員が増えたことが、問題を顕在化させました。男性正職員の賃金を100とした、女性正職員、男性パート、女性パートの賃金格差がわかりやすい図で示されています。

危機管理

今日12日早朝、東京は非接触型定期券・パスモとスイカが使えない自動改札が生じて、混乱しました。その際に、自動改札をやめて、改札なしで通した駅がありました。そうしないと、たぶん大混乱が生じたでしょう。私は、この判断は正しかったと思います。しかし、この判断は、かなり難しいものです。
こうすると、切符を持っていない人が、通る恐れがあります。ただ乗りを防ぐことができません。いちいち確認をしようとしても、駅員が少なく、とても確認はできません。定期券でない人には「切符を買ってください」と呼びかけた駅もあったそうです。趣旨はわかりますが、これは「まじめな人が馬鹿を見る」ことになりかねません。
また、いったん自動改札を通った人がいると(故障していない駅もありました)、その人は、出るときも自動改札を通る必要があります。パスモのカードは入場を記録するので、自動改札を通らず出た人は、その記録を訂正しないと次に入場できないのです。今日の夕方、帰宅する人たちをどうさばいたか、これも検証して欲しいです。
パスモとスイカを使える駅は、すごい数です。一駅だけが臨機応変の判断をしても、全体では大変な混乱を招きます。今回、どのような判断で、このような処置をしたのか。マニュアルはあったのか。検証して欲しいです。

ワークライフバランス

21世紀職業財団が、ワーク・ライフ・バランス企業診断・認証事業を始めます。今日の日経新聞に全面広告が出ていたので、ご覧になった方も多いでしょう。ご関心のある方は、アクセスしてみてください。村上理事から、「PRせよ」とのご指示がありました。資料は少し詳しくて、読みにくいですが、そのうちにより簡単な、わかりやすいページもできるでしょう。
「男は仕事、女は家庭」という時代ではありません。夫婦がそのような役割分担を選ぶことは妨げませんが、他人に押しつけないでください。そして、「男は家庭と個人を犠牲にして仕事にすべてを捧げるべきものだ」というのも、本人が選ぶことを否定はしませんが、部下に強要しないでください。そこまでしていながら、一人当たり生産性は、欧米諸国より低いんですから。
世の中の猛烈管理職さんに、よーく反省して欲しいです。上司が変えない限り、部下は変えられませんよ、帰れませんよ。
私も若いときは、「その宗教」の信者でした。職場に泊まり込むことを、自慢していたのですから。反省しています。今は、たぶん内閣府で一番早く退庁している上司だと思います。「上司元気で留守が良い」。さあ、早く帰りましょう。明日の朝、早く出社すればいいのです。

多重債務者対策

月刊「国民生活」10月号は、「行政における多重債務対策の充実を求めて」を特集しています。多重債務者は、近年大きな社会問題になっています。その対策が、政府の仕事となったのです。そして、相談窓口の役割が、地方自治体に求められています。新しい時代の、新しい行政です。
ところで、「国民生活」は、これまで政府では、主に消費者問題と考えられていたようです。近年はNPOや個人情報保護も、国民生活局の仕事となっているようですが。私は、政府・自治体の役割として、もっと広い範囲で生活をとらえるべきだと考えています。生活者支援については、その一端を、「再チャレンジ支援施策に見る行政の変化」月刊『地方財務』(ぎょうせい)2007年8月号に書きました。