カテゴリー別アーカイブ: 消防・防災

行政-消防・防災

消防大学校・幹部科卒業式

今日は、幹部科の卒業式。72人の学生が卒業していきました。うち1人は、航空自衛官です。そのような人も、受け入れています。幹部になる人たちなので、平均年齢は47歳でした。
彼らは、インターネットによる e-ラーニングを、4か月受けてから、入校します。教育訓練を効率的にするために、このような自宅学習を取り入れています。パソコン画面で授業を受け、そこに示される小テストに回答しないと、次に進めないようになっています。各人の進捗状況は、消防大学校で監視しています。勤務をしながらの自宅学習なので、結構大変です。さらに、入校すると、達成度テストがあります。
学校では、約2か月、220時間の授業・訓練を受けます。法規、リーダーシップ論、組織管理、危機管理、指揮訓練のほか、消防特有のものとして惨事ストレス対策などもあります。
彼らが、立派な幹部として活躍してくれることを、期待しています。

消防大学校の授業と評価

今日は、火災調査科の卒業式でした。以前、このページで紹介した「消防大学校で家を燃やす」の主人公たちです。10月19日に入校して、約2か月の研修を終え、各消防本部に帰っていきました。合計47人、うち女性1人、平均年齢39歳の精鋭たちです。ちなみに、あのとき燃やした家屋も自動車も、ちゃんと原因を見つけたそうです。さすが「コロンボ」。
この間に、授業科目は70科目、延べ255時間の授業です。化学知識、模擬の現場調査、鑑識、調査書類の作成、法令、訴訟などなど。途中に、4回の効果測定(試験)もあります。一定点数に達しないと、卒業できません。また、優秀者は表彰します。各人の成績は、所属の消防本部に連絡されます。決して、楽な研修でないことが、おわかりいただけると思います。
でも、日本の消防行政の水準を保つためには、必要なことです。そのために、消防大学校があるのです。彼らは選ばれて、全国から来た職員であり、これから、各地で幹部として部下を指導する立場にあるのです。
逆に、学生が教師を評価する制度もあります。5段階で、各教師を評価してもらい、さらに具体的にどこが良かったか悪かったかを、書いてもらいます。校長講話も、学生による評価の対象になります(うぐっ)。
学生も熱心ですから、教師に対する要求も高いです。「本に書いてあることをしゃべるだけなら、時間の無駄だ」「もっと、××のことを知りたい」とか。それを基に、私たち学校側は検討会議を開き、次の授業内容や講師を入れ替えるのです。

消防大学校長の仕事

今日は、消防団長科の卒業式。式の後、中島みゆきさんの「ヘッドライト・テールライト」(NHKプロジェクトXのエンディングテーマ)の音楽が流れる中、在校生に見送られ、全国に戻って行かれました。
消防大学校では、消防職員(市町村の常勤職員)のほか、消防団長も受け入れています。今回、卒業された団長さんたちは、20名。平均年齢60歳です。
ご存じのように、消防団は職業を持ちながら、ボランティアで消防に従事してくださる人たちです。全国に約90万人おられます。常勤の職員は16万人ですから、その大きさがわかります。かつては、常勤の消防職員は都会しかいなくて、田舎は消防団だけでした。全国に消防署ができたのは、昭和40年代以降です。詳しくは、消防庁のホームページをご覧ください。
団長科は9日間のコースです。でも、農業なり商店なりお勤めなり、お仕事をお持ちですから、休んで入校するのは、大変なことです。もちろん、日頃の訓練や出動も、仕事を持ってのことですから、ありがたいことです。
日本のボランティア活動の中でも、元祖だと、私は考えています。しかも、危険を伴う活動です。

消防大学校での講義

今日は、大学校の幹部科(消防本部の幹部になる職員コース)で、地方行政を2時間講義しました。これまで外部講師にお願いしていたのですが、私の「得意」とする分野なので、今回、私が担当しました。
久しぶりの講義なので、資料の準備に、手間がかかりました。単なる制度論でなく、現在の地方行政や市役所が置かれている問題を取り上げたので。慶応大学などで使っていた資料は、1年以上前のもので、数字が古くなっています。総務省の関係者、さらには富山県の職員に協力を得て、作りました。ありがとうございました。用意したレジュメと資料に、しゃべるポイントを、赤で書き込んでおき、そして2,3度事前に予行演習をして、準備はばっちり。おかげで、流れも良く、お話しできました。ところが、久しぶりなので、時間配分を誤りました。あれもお話ししたい、これも教えたいと。いろいろと具体事例を出してしゃべっているうちに、時間が足りなくなりました。もっとも、これはいつものことですね。反省。