28日の分権委員会第1次勧告に関連して、委員である露木順一神奈川県開成町長が、次のようなことを書いておられます。29日付け朝日新聞私の視点「分権委勧告、中央支配脱却へ正念場」
・・国からの地方自治体への権限移譲に「ゼロ回答」を繰り返す中央省庁の官僚たち。やり取りは、一筋縄ではいかなかった。「露木委員もすでにご承知のこととは思いますが」。官僚の言い回しは実に丁重だ。しかし、煮え切らない議論。同じことの繰り返しが続く。せっかちな私には耐えられなかった・・そうか、官僚は自分の組織と権益を守ることを最優先に考えているのだ、と思えてならなかった。ほとばしる情熱を感じる官僚は少ない。理屈ではない。さすが中央官僚、と思わせる心底からの訴えが欲しかった・・
カテゴリー別アーカイブ: 官僚論
行政-官僚論
危機の際の指導者論
19日の日経新聞経済教室は、ジョセフ・ナイ教授の「指導者のリーダーシップ発揮、状況を察する知力が重要」でした。危機への対処で指導者は鍛えられる、良くある危機とまったく新しい危機を見分けよ、何を自分が決定し、何を委ねるか分別を、と主張しておられます。
リーダーが存在を発揮できるのは、危機の時です。平常時なら、官僚組織が処理してくれます。また、改革をする時に存在を発揮できます。官僚機構は改革を嫌いますから。上に立つ者は、何を自分が判断するか、何を部下に委ねるか、その判断が最も大切だと、私は考えています。これは危機の時だけでなく、平常時においてもです。
パラサイト・ミドル
19日の朝日新聞に、三神万里子信州大学客員准教授が、「パラサイト・ミドル。若手の成長遅らせる原因に」を書いておられました。
・・近年、日本企業の間で、若手社員の対人能力や行動力に不満を抱く様々な調査結果がでているが、中堅のもたらす弊害にも着目したい。・・発端は「45歳を境に現場の情報をゆがめる。波風を立てずに退職まで過ごそうとするためで、企業の動きが遅れる」という現場の声にある。大企業では、若手の成長機会が遅れるキャリアの足踏み現象が起きている。高齢化と年金受給年齢の引き上げに伴い、定年延長の動きから、意思決定権限が高齢層に移っているためだ。55歳定年制が一般的だった80年代は、日本の部長職の平均年齢は40代だった。しかし現在、就職後20年を経ても、上場企業の平均値では42歳で係長であり、45歳で課長に届かない。他の先進国や中国、インドなどの成長国では、45歳といえば経営層の年齢である。福井県の繊維メーカー、セーレンは80年代後半からこの問題に策を講じ、下請け繊維加工業から短期間で世界企業に脱皮した。変革当時から陣頭指揮をとる川田達男社長は語る。「社員個々人の意識改革では限界があった。効果が出たのは、昇進するほど働かなくなる中間管理職の評価方法を変えてからだ」。中高年は、大組織に所属していることを実力とはき違え、若手は、組織内の同僚や上司との比較で自分を測っていないか・・
とても刺激的な指摘です。原文をお読みください。