「官僚論」カテゴリーアーカイブ

行政-官僚論

報道記者との付き合い方

黒江哲郎・元防衛次官の「失敗だらけの役人人生」、第16回は「マスコミとの接し方」です。
報道機関との付き合いは、官僚にとって重要な仕事なのですが、どの省庁でも、これまではきちんと教えられることはなかったでしょう。通常の取材、記者会見、オフレコの取材、記者懇談会(バックグラウンドブリーフィング)、さらなる付き合い・・・。
黒江次官の経験談を、お読みください。自衛隊はこれまで、報道機関からは「批判の対象」と扱われてきました。他省庁の官僚とは違った苦労があったでしょう。

私も官僚人生を振り返って、報道記者との付き合い方は経験して、勉強になりました。30歳の課長の時に、業務の失敗を新聞社に「抜かれ」たこと。地方財政のあり方を巡り、記者さんたちと議論や勉強をしたこと。42歳の総務部長の時に、1年で4回お詫びの記者会見をしたこと。総理秘書官での経験。大震災時の経験。いや~、いろいろありました。
職場では系統だって教えてもらえず、先輩を見て、そして自分で身につけました。それを文章にまとめつつあります。後輩たちに語っておこうと考えたのです。書きかけたのですが、途中で放置してあります。いずれ、このホームページに載せようと考えています。

法案の記載誤り

今国会に政府が提出した法案と条文に、いくつも記載間違いや脱字が見つかったとのことです。その原因と対策が議論されています。例えば、3月28日の日経新聞1面コラム「春秋」。
・・・政権肝煎りのデジタル改革関連法案では関連資料に45カ所の誤記があり、それを修正した正誤表も間違っていた。新型コロナ対策に追われた結果、で済む問題ではない。正午すぎ、電気を消した暗い部屋で作業する職員たちの姿を思い出す。「休み時間に仕事をしていたとなるといろいろややこしいので」と、笑っていた。
役所が様々な問題を抱えていることは事実だが、誤表記の山から悲鳴が聞こえてくるような気がする。人事で翻弄され、不本意な国会答弁を迫られ、激しい批判を浴びる。「政治主導」が官僚に無理難題を押しつけ、やる気や志を損ねることにつながっているとしたら……。私たちはやがて大切なものを失うのではないか・・・

内閣法制局での読み合わせは、それはそれは厳格なものです(参考資料はその範囲外)。私も若いときに、経験しました。しかも、時間に追われ、深夜や疲れたときに行うのです。
大切な法律案に、間違いはあってはいけません。しかし、人間がやることですから、間違いも起きます。完璧を期そうとするなら、大勢の人数で、時間を掛けて確認する必要があるでしょう。
現役官僚諸君たちも、精一杯やっていると思います。精神論だけでは、間違いはなくなりません。人を増やすのか、余裕を持った作業日程にするのか。それができないなら、ほかの仕事を後回しにして、この仕事を優先するしかありません。
もう一つは、少々の間違いは起きることと観念して、間違いが見つかったら訂正することです。新聞社も、しばしば訂正を出しているではないですか。

これだけ劣悪な職場環境(長時間勤務が常態化、給料は仕事に比べ安い)、そしてマスコミや議員からは批判ばかりされて、それでいて完璧な仕事を求められても、それは無理ですわ。後輩たちが、かわいそうです。立派な成果を求めるなら、それだけの処遇をしなければ。

黒江・元防衛次官の壮絶な体験談、その2

2月21日に紹介した「黒江・元防衛次官の壮絶な体験談」。
朝日新聞ウエッブ論座に、載るそうです。予告編として「筆者の黒江元防衛事務次官に聞く」が載っています。
「論座」には、今日から載りました。「第1回 防衛官僚の道を選び⽗から勘当 しくじり糧に「背広組」トップへ」。記事の最後に、記者による補足もついています。

元の連載は、22日に、第12回「官房業務 ~官房とは謝ることと見つけたり~」が載りました。

黒江・元防衛次官の壮絶な体験談

市ヶ谷論壇」に、黒江・元防衛次官の回顧談「失敗だらけの役人人生」が連載されています。本人の失敗と苦労が生々しく書かれていて、防衛官僚の苦労と黒江さんの生きざまがよくわかります。

第1回は、親の反対を押し切って防衛庁を選んだことです。その後も、苦労を重ねます。自衛隊が「日陰者」扱いされた時代です。
第6回は、「三つのK」です。きつい、汚い、危険の3Kとともに、企画する、形にする、共感を得るの3Kが説明されています。これは、どの職場でも通じることでしょう。
第7回と第8回、第9回は、交渉についての苦労、調整の板挟みの苦労です。これも、若手官僚には勉強になります。
圧巻は、第10回と第11回の「健康管理」です。黒江さんは、過労とストレスで6回倒れました。退官した直後にも、救急搬送されます。私も若いときは職場に泊まり込みましたが、さらに上がおられました。

東京のスーパーマーケット、福島応援

わが家の近くのスーパーマーケット「クイーンズ伊勢丹、新高円寺店」で、福島産品の販売企画が行われていました。「発見ふくしま」。この企画は東京電力が協力しています。

キョーコさんが、いろいろと買ってきました。「良い商品がたくさんあった」とのことで、私も行ってきました。
店内の一つの場所でなく、野菜、魚、肉、お菓子などそれぞれの棚で、福島産の食品が並んでいます。各棚を、福島産品が占拠しているのです。目立つ幟も、たくさん立ててあります。これは、目立ちますわ。
クイーンズ伊勢丹の各店舗で、4日間にわたってやってくださっているようです。ありがとうございます。