法案の記載誤り

今国会に政府が提出した法案と条文に、いくつも記載間違いや脱字が見つかったとのことです。その原因と対策が議論されています。例えば、3月28日の日経新聞1面コラム「春秋」。
・・・政権肝煎りのデジタル改革関連法案では関連資料に45カ所の誤記があり、それを修正した正誤表も間違っていた。新型コロナ対策に追われた結果、で済む問題ではない。正午すぎ、電気を消した暗い部屋で作業する職員たちの姿を思い出す。「休み時間に仕事をしていたとなるといろいろややこしいので」と、笑っていた。
役所が様々な問題を抱えていることは事実だが、誤表記の山から悲鳴が聞こえてくるような気がする。人事で翻弄され、不本意な国会答弁を迫られ、激しい批判を浴びる。「政治主導」が官僚に無理難題を押しつけ、やる気や志を損ねることにつながっているとしたら……。私たちはやがて大切なものを失うのではないか・・・

内閣法制局での読み合わせは、それはそれは厳格なものです(参考資料はその範囲外)。私も若いときに、経験しました。しかも、時間に追われ、深夜や疲れたときに行うのです。
大切な法律案に、間違いはあってはいけません。しかし、人間がやることですから、間違いも起きます。完璧を期そうとするなら、大勢の人数で、時間を掛けて確認する必要があるでしょう。
現役官僚諸君たちも、精一杯やっていると思います。精神論だけでは、間違いはなくなりません。人を増やすのか、余裕を持った作業日程にするのか。それができないなら、ほかの仕事を後回しにして、この仕事を優先するしかありません。
もう一つは、少々の間違いは起きることと観念して、間違いが見つかったら訂正することです。新聞社も、しばしば訂正を出しているではないですか。

これだけ劣悪な職場環境(長時間勤務が常態化、給料は仕事に比べ安い)、そしてマスコミや議員からは批判ばかりされて、それでいて完璧な仕事を求められても、それは無理ですわ。後輩たちが、かわいそうです。立派な成果を求めるなら、それだけの処遇をしなければ。