「著作と講演」カテゴリーアーカイブ

早稲田大学(牛丸先生・地方財政論)講義

23日は、早稲田大学政治経済学部で地方財政論(牛丸教授)の1コマをいただき、「地方財政の仕組みと三位一体改革」をしゃべってきました。200人を超える学生で、教室は大盛況でした。

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私語もなく、熱心に聞いてくれました。ノートを取るだけでなく、テープレコーダを回す人まで。最近の学生は真面目ですね。感心しました。質疑の時間も、なかなか鋭い質問が出ました。ありがとうございました。

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実は、娘も聞きに来ていて、少々緊張してしゃべったのでした。娘によると「父親の話は理解できた」、娘の友人によると「佳子のお父さんはおもしろかった」とのことです。

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早稲田大学政友会講演

5月22日:地方財政学会報告は、日本地方財政学会のページへ。
6月 4日:政策研究大学院講義①
6月18日:政策研究大学院講義②

今日は、早稲田大学政友会で講演をしてきました。40人近くの熱心な学生たちが、集まってくれました。質問も幅広い、的を射たものでした。時間がなくて、私の意図が十分伝わったか心配です。というより、何回やっても、人前でしゃべることは難しいですね。

合併記念講演会

4月3日は「南砺市合併調印式記念講演」(富山県井波町)に行ってきました。8町村の大型合併です。大ホールがほぼ満席でした(写真も載ってます)。
「これからの日本、これからの南砺」と題して、21世紀は20世紀(モノとサービスの拡大の時代)の「延長」ではないこと、市役所が提供するサービスや施設は「住みよい町」のごく一部でしかないこと、住民の関係や人情が重要であることをしゃべってきました。
簡単な講演録は、4月9日付け「富山新聞」に載りました。また、事務局が講演録を作ってくださいました。(6月10日)

東京大学公共政策大学院

今日は、東京大学公共政策大学院での連続講演「国家行政の課題と展望」に行ってきました。この講演会は、各省の課長が、リレー式にそれぞれの省の「政策課題」を語るものです。しかし、私は、日本の行政機構が抱える「構造的課」をしゃべってきました。連続講演の「総論」になると思います(いずれ、行政・官僚論としてまとめたいと思っています)。

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法学部31番教室(大教室)に入るのは、四半世紀ぶりでした。大勢の学生が、熱心に聞いてくれました。終了後も、何人もの人が、質問に来てくれました。最近話していないテーマであり、1時間40分こなすと、へとへとになりました。今日も国会対応が忙しく、昼飯抜きで駆けつけたのも原因ですかね。場所も場所なので、「吉本的お笑い」も使えませんし・・。もっとも、私の意図が、どれだけ学生・院生に通じたかは不明です。少々、難しかったでしょうか。

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責任者である森田朗教授に挨拶しようとしたら、先生の方から来てくださいました。先生のゼミで、拙著を参考書に使ってもらっています。お礼を言うと、「いやー、批判の対象として使うかもね」と、笑われました。これまで、学問・教育(東大法学部)と実務の連携が少なかったことを述べ、「また講義に呼んで下さい」と売り込んでおきました。

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【学生の反応】
13日の講演を聞いた学生さんから、メールが届きました。要旨は、「とても興味深かったです。全体像がつかめて、ためになりました」です。私の意図が、成功したということでしょう。
講演に対する一番の「ご褒美」は、「観客の反応」です。こういうメールは、嬉しいですねえ。だから、へとへとになっても、やめられないのです。

新地方自治入門 補足3

【街の醜さ】
朝日新聞7月6日夕刊に文化欄に、丸谷才一さんが連載「袖のボタン」で「内の美と外の美」を書いておられました。
古代日本語では、所属の助詞が2つあったとのことです。一つは「我ガ背子」のガで、自分あるいは自分に近いものを受けます。もう一つは「諸人ノため」のノで、それ以外のものを受けます。前者を内扱いのガ、後者を外扱いのノというのだそうです。
そこから始まって(このあたりが格調が高いですね)、日本人にとって内と外の区別は重要で、しかも内を重んじ外を軽んじてきたことを論じておられます。そして話は、都市景観の醜さに発展します。日本人の坪庭の思考と、西洋建築の外見を重んじる思考との差です。電線類の醜さを取り上げ、海外旅行に行っても見方が変わらないことを指摘しておられます。(2004年7月18日)
【第7章】
社会的共通資本(p193)については、
内閣府国民生活局が、15年8月に「ソーシャル・キャピタル-豊かな人間関係と市民生活の好循環を求めて」(2003年8月、国立印刷局)をまとめ、出版しました。
宮垣元著「ヒューマンサービスと信頼-福祉NPOの理論と実証」(2003年11月、慶應義塾大学出版会)が、教育や福祉といった対人サービスにおける、信頼・情報・NPOの機能を分析しています。
そこでは、福祉サービスが家庭から行政へ「外部化」することによって、信頼の役割がどのように変化するか、NPOの場合はどうかなど、をわかりやすく分析しています。また、コミュニティを、「地域コミュニティ」と「テーマ・コミュニティ」に区分するなど、示唆に富んでいます。(2003.11.24)
【文化の効果】
14日の読売新聞「地球を読む」で、白石隆京大教授が「韓流と東アジア、文化が一大産業に」という題で、韓国ドラマなど文化商品による、東アジアの「一体化」「均質化」、アジア人意識の形成を論じておられます。(2004年11月15日)
【第8章】
山脇直司先生が、「公共哲学とは何か」(ちくま新書)を出版されました。先生は、東京大学大学院総合文化研究科授です(3月まで私も客員教授を勤めていました)。先生の主張は、
①公私二元論でなく、政府の公・民の公・私的領域の三元論
②経済・科学・教育などにおいても、「公共性」が必要であること
③学問においても、現状分析だけで終わらせる実証主義や、批判だけして対案を提示しない批判主義でなく、「現状分析」と「あるべき社会像の追求」と「実現可能性の探求」を考えるべき
④「公共性と個人の関係を重視する」。滅私奉公でも滅公奉私でもない、「自己-他者-公共世界」論。中間集団の重視、などです。
拙著「新地方自治入門」(第7章地域の財産とは、第8章公の範囲は)での主張と、大きく重なっています。意を強くしました。ご関心ある方は、ご一読ください。
私は、「政治をシステムとして理解する現在の政治学」に不満を持っています。大学の講義でも、政策=アウトカムを分析の軸に据えました。拙著では、p280以下で触れています。(2004年5月9日)
【第10章】
日本の政治のページをご覧ください。