今日は、福島県議会に呼ばれて、しゃべってきました。議会では毎年、このような勉強会を、しておられるとのこと。今日は、代表質問の2日目で、本会議終了後に、議員の方々が集まってくださいました。
頂いたテーマは、社会のリスクと地方行政です。今、連載している内容のうち、地方行政にポイントしぼって、お話ししました。福島県では、昨年、安全安心条例をつくっておられます。そこには、防災や消費者安全などの他に、虐待問題など、私が社会生活の問題として取り上げているリスクも含まれています。議員の方々の問題意識とかみ合ったので、しゃべりやすかったです。
終了後、県庁の自治大の卒業生さんたちが、懇親会を開いてくださいました。古川議会事務局長さんが、自治大第1部課程第80期の卒業生でした。皆さん、それぞれにご活躍です。ありがとうございました。さらなるご活躍を、期待します。
「著作と講演」カテゴリーアーカイブ
慶応大学大学院講演
今日は18時半から、慶応大学法学部大学院で講演。大山耕輔先生、小林良彰先生のお招きです。与えられたテーマは「地方自治の問題」でしたので、最近考えている「地域社会の課題と行政機構の課題」について、幅広くかつ歴史的・国際的視野から、お話ししてきました。院生が相手なので、話しやすいですね。質問も鋭く、やりがいがあります。
盛りだくさんのことを、短時間にお話ししたので、聞いている方は疲れたと思います。いつもながら、反省です。
進む三位一体改革ーその評価と課題
月刊『地方財務』(ぎょうせい)2004年8月号、9月号
続きは、続・進む三位一体改革に書きました。
私が、月刊『地方財政』(地方財務協会)に「地方税財源充実強化の選択肢」という論文を書き、税源移譲などの選択肢を論じたのは、平成13年4月でした。その後、地方財政改革とも言うべき動きが動き出しました(もっとも、私が動かしたのではありませんが)。
経済財政諮問会議の提言等を踏まえ、交付税課長としていくつかの地方交付税改革に着手しました。その動きを取り入れて解説したのが、「地方財政改革論議ー地方交付税の将来像」(ぎょうせい、平成14年)です。その出版以来、約2年が経過しました。
正直言って、平成13年時点では、その後直ちに、これほど大きな交付税改革が進むとは考えていませんでした。14年の執筆時点でも、ここまで税源移譲が進むとは思っていませんでした。これは、関係者みんなの共通意見でしょう。三位一体改革が動き出し、かつ期限と数字目標が設定され、それに沿って進んでいることに、感慨無量のものがあります。
しかし、三位一体改革が進んでいることを、喜んでいるだけではいけないのでしょう。平成16年夏に、政府が地方団体に投げたボール「補助金改革案を取りまとめること」は、きちんと打ち返さなければなりません。いくつかの地方団体には、三位一体改革に対し不安もあります。今後の進め方について、理解を得る必要もあります。
今回の三位一体改革は、「走りながら考える」かたちをとってきました。確かに、地方税財源充実強化の方向性としては、関係者の間に共通理解はありました。「国庫補助金削減、税源移譲」です。しかし、具体策になると、十分まとまっていたとは言えません。
走りながら考え、考えながら走ってきました。問題点が見えるたびに、次の手を打ってきたのです。
三位一体改革が進みつつある今、われわれがしなければならないことは、これから2年間に残るノルマを達成することです。そして、「三位一体改革その一」が進んだ後の、次なる「三位一体改革その二」への道筋をつけることでしょう。克服しなければならない課題は、たくさんあります。
目次
第一章 「三位一体改革」の設定
1 設定まで(平成一三年)
(1)第一次分権改革の成功 (2)予想外の展開ー経済財政諮問会議 (3)地方交付税の算定の見直し
2 「三位一体改革」方針の決定(平成一四年)
(1)「片山プラン」 (2)「骨太の方針二〇〇二」 (3)三位一体の意味 (4)一五年度の芽だし
3 数値目標の設定(平成一五年)
(1)協議不調 (2)分権改革推進会議の「迷走」 (3)「骨太の方針二〇〇三」 (4)その評価 (5)秋の動き
第二章 平成一六年度の成果と評価
1 経過
(1)総理指示 (2)麻生プラン (3)補助率カット案拒否 (4)幻のたばこ税移譲 (5)総理のリーダーシップ
2 初年度の成果
(1)概要 (2)成果
3 関係者の評価
(1)プラスの評価 (2)マイナスの評価
4 いくつかの論点
5 評価
(1)平成一六年度分の評価 (2)三か年間の評価
第三章 一七年度に向けて
1 これまでの動き
(1)麻生プラン (2)「骨太の方針二〇〇四」 (3)評価一ー進む改革(4)評価二ー政治的意味
2 今後の予想
(1)残されたノルマ (2)対象補助金の選択 (3)地方団体の責任 (4)全体像の明示 (5)関係者の協力と国の決断
第四章 「三位一体改革」の次に来るもの
1 三位一体改革の続き
(1)三位一体改革その二、その三 (2)検討すべき課題一ーどこまで補助金を廃止するか (3)検討すべき課題二ー税源移譲の構想
2 ポスト三位一体改革
(1)財政再建 (2)規制の分権
3 地方財政の将来
(1)財政再建と歳出削減 (2)増税の準備 (3)交付税の将来像
第五章 見えてきたこと
1 地方財政の新展開
(1)理論と政治 (2)動き出した地方財政
2 構造改革
(1)新しい政治の形 (2)改革が進む条件 (3)この国のかたちを変える
立教大学大学院講義
今日は、20時過ぎから、立教大学大学院(21世紀社会デザイン研究科)で講義をしました。危機管理論の講座の一コマを頂いて、「豊かな社会の新しいリスク」を、お話ししてきました。今、連載している内容の、一部です。日本大学大学院では、春学期10数回を使った内容です。
それを、1時間半の授業、しかも質疑応答の時間も取らなければならないので、1時間ちょっとに収めなければなりません。ポイントだけをお話しするとしても、工夫が必要です。なかなかうまくは、できませんねえ。早口になり、脱線したりと。反省。
それでも、皆さん熱心に聞いてくださいました。少人数だと、聴衆の反応がわかって、しゃべりやすいです。もっとも、私のリスク論は、普通の危機管理論とはかなり視点が違うので、とまどわれたと思います。
このような時間に勉強しておられることに、敬意を表します。私も、駅で軽く晩ご飯を食べて、出かけました。お腹がすいては、力が出ませんからね。今回の講義も、中国出張の前に準備しておいたので、あわてることなく、しゃべることができました。
一橋政策大学院で講義
今日は、一橋大学政策大学院に呼ばれて、公共政策セミナーで講義。最近、もう一度勉強しなおしている行政改革の分類と変化について、お話ししました。院生にとっては、聞いたことがない内容だったと思います。皆さん熱心に聞いてくれました。
一橋の院にはかつて2年、講義に行ったことがあります。その講義などを基にして、「行政構造改革」を書いていたのですが、途中で挫折しています。