12月25日に、連載「公共を創る 新たな行政の役割」の第244回「政府の役割の再定義ー地方自治体の「内包と外延」」が発行されました。新自由主義的改革の行き過ぎを反省し、地方自治体の在り方を、その役割にさかのぼって考えています。
官共業三元論で見ると、政府部門、市場部門、非営利部門がそれぞれ得意なものを提供し、公的・私的といったサービスの区別はなくなります。そしてこの三つの部門の「上に」、政府がもう一度出てきます。こちらの政府の役割は、公共的なサービスが継続的かつ安全、公平に行われるよう、ルールを設定すること、各主体を誘導し監視することです。また、企業やNPOだけで提供できない場合は、支援するという役割を持ちます。
地域の経営という視点で考えると、地方自治体の役割は、地域の暮らしに必要なサービスが提供されるよう、それら全体について目配りし、足りない部分を補うことです。
これからの地方自治体の在り方を考える際には、役所そのものを対象としているだけでは不十分であり、地域の状態とその中での役所の役割を対象としなければならない、ということになるでしょう。私は、この違いを「内包と外延」と表現しています。専門的な定義は置いておいて、ここでは「内容を深掘りすること」と「周囲を見渡して置かれた立場を考えること」と理解してください。
人口が減少し活力が低下する地域では、役所が従来の施策を実施するだけでは、地域を維持できなくなりました。総合計画もそのような観点から、見直す必要があるでしょう。もっとも、行政の範囲外の分野は民間の力に頼るので、目標や手法について同じような位置付けにはできませんから、新たな整理が必要になります。
例えば、福島県の総合計画(2021年策定)は、県の事情により、東日本大震災からの復興・再生と、地方創生・人口減少対策を重要課題としています。そして目標を、ひと・暮らし・しごとの3分野それぞれについて掲げています。課題と目標は明確です。その際に、SDGs(持続可能な開発目標)の理念を踏まえて、目指す将来の姿を描いています。