今日は、日本経団連にお招きを頂き、東日本大震災の政府の取組と企業の貢献について、お話ししてきました。経団連では、社会貢献推進委員会での活動の他、今回の大震災では積極的な支援活動をしていただいています。概要は、機関誌の12月号に載っています。
今回の大震災に際し、民間企業には、義援金、物資の提供、ボランティア活動など、多くの支援をしていただきました。政府が調達した食料や水などの支援物資も、大半は無料で提供していただきました。阪神淡路大震災がボランティア元年といわれましたが、今回は企業の社会的貢献が大きくクローズアップされました。
それ以上に、企業には、電気やガスなどのインフラを素早く復旧してもらいました。また、ガソリンスタンド、コンビニ、宅配便が、重要な社会インフラであることも、認識されました。
今日はありがたい機会だったので、これらについて感謝を申し上げるとともに、厚かましく、これからの期待もお願いしてきました。
それは、企業活動の再開や投資です。このページで何度も書いているように、商業活動が再開されないと、暮らしていけません。お店がないところには、住めないのです。また、働く場がないところでは、住民は暮らせません。無償の支援もありがたいのですが、本業を続けていただくことが、町の復興や賑わいにつながります。
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講演
企業の方への講演
今日は、六本木ヒルズで、港区主催の「企業と環境展」のオープニングセッションの講演をしてきました。今日の参加者は企業の方が多いので、今回の大震災に際し、企業にたくさんの支援を受けたこと、また地域の復興には企業活動の再開が必要であることを、お話ししてきました。
被災直後は、道路や上下水道、電力や通信といった公共インフラとともに、ガソリンスタンド、コンビニ、宅配便といったサービスが重要だったこともお話ししました。
阪神淡路大震災では、ボランティアが活躍し、ボランティア元年といわれました。今回の大震災では、ボランティア活動とともに、企業の貢献が大きかったです。それは、近年、企業の社会的責任、CSRという概念が広がったからだと思います。阪神淡路大震災の当時は、それほど広がっていなかったのだそうです。
今日も、国会や各省との協議等、忙しかったのですが、その合間を縫って、行くことができました。六本木ヒルズの49階は、眺めが良く、東京の都心だけでなく、富士山まで見えました。
日本広報学会・基調講演
今日は、東京経済大学で開かれた、日本広報学会の研究発表大会で、基調講演をしてきました。主催者からの指示は、「政府の情報提供に限らず、今回の大震災対策で何をしたか、どんな点に苦労したかを話せ」ということでした。
ということで、これまでの私たちの仕事を、お話ししました。新しい組織を緊急に立ち上げた際の、苦労についてです(4月2日の記事など)。
もちろん、情報発信についても、お話ししました。苦労したのは、「誰に、どのような情報を、どのような媒体で伝えるか」です。もっとも、ほとんどは、内閣広報官が考えてくださったのですが。
「誰に何を」では、避難所にいる人たち、広く被災者、国民や企業、マスコミやオピニオンリーダー、政府関係者や自治体、支援を考えている人たちに対して、何を伝えたかです。
「どのようにして」では、被災地では停電し、インターネットももちろん使えません。新聞も届かないところもありました。避難所以外でも、仮設住宅や借り上げ住宅に入った人たちにどう届けるか。居住地を離れ全国に散らばっておられる避難者に、どう伝えるかです。
講演会でしゃべるのは、準備が大変です。しゃべること自体は、そんなに苦痛ではないのですが。ふだんやっている仕事や、考えていることを整理する、良い機会です。特に「異業種」の方にお話しするのは、勉強になります。どのような素材をどう話したら、伝わるか。それを、考えなければなりませんから。このような機会を与えてくださって、ありがとうございました。
日本広報学会
10月22日に開かれる日本広報学会の研究発表大会で、基調講演を仰せつかりました。私は政府広報の担当者でもなく、広報の専門家でもないので、辞退したのですが。「被災者支援の段階から携わっているので、その体験からしゃべれ」とのことで、お引き受けしました。
政府が、被災者や被災地支援のために行った広報や情報提供は、いろんな方法で、かなりの件数に上ります。講演のために資料を整理し、何をしたか何が足りなかったかを、振り返りました。職員にも意見をもらい、考えました。講演は、良い機会ですね。レジュメと資料を用意したのですが、内容が多すぎて、切り捨てるのに困ります。
当日は土曜日なので、お引き受けしたのですが、公務が入りませんように。
地方財政学会シンポジウム
今日は、岩手大学で、地方財政学会の震災復興のシンポジウムに出席し、パネリストを務めてきました。200人近くの方が、参加してくださいました。地味な催しですが、たくさんの方が熱心に聞いてくださって、びっくりしました。
菅野飯舘村長の基調講演の後、井上博夫・岩手大学教授、増田聡・東北大学教授、清水修二・福島大学副学長と私の4人で討論です。司会は金子勝慶應大学教授でした。
テーマが多岐にわたり、持ち時間は少なく、結構大変でしたが、金子先生が上手に司会進行してくださいました。研究者の方は、それぞれの観点から問題提起をされます。当方は、立場上そういうわけにはいかず、政府の取組を説明することになります。もっとも、私見も交えながら、課題などにも触れてきました。
現場で話を聞いたり、違う世界の人と話すと、行政が行っている復旧・復興が、いかに狭い範囲に限られているかが分かります。
個人や家庭の生活の再建、地域の復興、産業の復旧、地域の未来像、自治体ができる復旧と復興の範囲、日本経済に与える影響、原発に対する考え方や「想定外」といった社会の意識の変化など。復旧と復興といっても、いくつもの次元があります。このうち、行政が貢献できる範囲は、限られています。