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講演

自治体学会、災害からの復興

8月22日は、自治体学会(奈良市)第5分科会「大災害からの復興を実践から考える」パネルに出席してきました。金井利之・東大教授、更谷慈禧・十津川村長、坪井ゆづる・朝日新聞東北総局長、山口一史・ひょうご・まち・くらし研究所常務理事さんらと、突っ込んだ議論ができました。
災害時での救助や、その後の復旧・復興は、自治体の能力が問われる場です。国の指示や外国の先進事例より、日本の自治体が一番進んでいて、事情をよく知っているでしょう。ただし、経験のある自治体です。避難所の運営、被災者への支援、仮設住宅建設、新しいまちづくり、住民の意見の集約、コミュニティの維持と再建など。自治体行政の最先端だと私は考えています。課題は、さらに改善することと、経験のない自治体にどう勉強してもらうかです。

講演会のお誘い

秋が近づき、いくつか講演のお誘いが来ています。
8月22日 自治体学会(奈良市)第5分科会「大災害からの復興を実践から考える」パネル
9月5日 国際研修交流協会セミナー(福島県会津)基調講演
9月12日 広報学会(東京、東大)シンポジウム基調講演
そのほか、内輪の会合なども。
お誘いがあると、喜んで引き受けるのです。そして、講演会や資料の締め切りが近づくと、何をしゃべろうかと悩んでしまいます。「復興の現状と課題」なら、資料なしでしゃべることができるのですが。もっとも、レジュメを配らないと、私の話は脱線ばかりで、聞いていてわかりにくいでしょう。

早稲田大学での講義

今日は午前中に、早稲田大学で、復興の取り組みと行政の役割を講義してきました。政経学部小原隆治教授の依頼で、先生の授業の1コマを使っての講義です。時間が限られているので、ポイントを絞っての話にしました。でも、いつものようにエピソードを入れると脱線して・・。100人近い学生が、熱心に聞いてくれました。政経学部の建物は、昨年に改築が終わり、きれいな高層ビルになっています。その中に、かつての4階建ての建物の一部が取り込まれています。
追補
授業で紹介した拙稿は、次の通りです。
被災地から見える「町とは何か」~NPOなどと連携した地域経営へ」(共同通信サイト、47行政ジャーナル。2012年8月31日

新採職員研修

今日15日は、午前中に、人事院の初任行政研修で100人の新規採用総合職を相手に、「公務員のあり方」を、お話ししました。約500人の新採職員を5班に分けて、研修をしています。その一つのコースを相手に、お話しするのです。これまでの次官の講話は、印刷物になり、インターネットでも読むことができます。
引き受けてから、復興庁の若手数人にに、「あんたが研修を受けた際に、誰にどんな話聞いたの? 何が印象に残っている?」と聞きましたが、ほとんどの職員が覚えていません。まあ、そんなものでしょうね。公務員の心構えは重要ですが、研修の講話だけで身につくものではないでしょう。まだ仕事に慣れていない職員に話をするのは、難しいですね。そこで、先輩の説教臭い話ではなく、私の37年の公務員人生で得た教訓を2つ3つ、そして今やっている復興の仕事をお話ししました。特に後者は、未曾有の災害に、行政はどのように応えているかです。1時間の講話、30分の質疑応答では、十分に話せないので、資料をたくさん配って、後で読んでもらうことにしました。「私の個人ホームページも読んでください」と宣伝しておきました。
で、追補です。リンクを張っておきます。
「明るい課長講座」は、こちら。「明るい係長講座」は、こちら。「仕事の仕方」は、こちら。「お詫びの仕方」は、こちら
行政の役割の変化「福祉提供国家」から「安心保障国家」への転換は、こちら
しかし、それにつけても、若い職員が毎朝新聞を読んでいないことには、驚きました。かつて大学に教えに行っていたときもびっくりしましたが、今日挙手を求めたら、採用された若手官僚の多くが読んでいないのです。「記事を読むというより、まずどのようなニュースが取り上げられているか、特に1面に来ているか、それを見なさい」「社会で、いま何が問題になっているのか、官僚ならそれに関心を持ちなさい」と、指導しておきました。

22日放課後の勉強会に参加された方へ

私の話に出てきた拙稿は、次の通り。
(1)1990年代の行政改革が単にスリム化だけではないことは、「行政改革の現在位置~その進化と課題」年報『公共政策学』第5号(2011年3月、北海道大学公共政策大学院)。図表はp39に載っています。
(2)社会の変化とリスクの変化、行政の対応については、連載「社会のリスクの変化と行政の役割」月刊『地方財務』(ぎょうせい)2010年10月号から2011年4月号。