カテゴリー別アーカイブ: 講演

講演

福島での講演会、福島の課題

今日10日土曜日は、福島市で勉強会の講師を勤めました。120人ほどの聴衆を相手に、対談です。福島の課題と今後の戦略について、議論しました。
議論が発散しないように、議題を農業、観光、教育に絞ってもらいました。特に農産物と観光は、風評被害に悩まされています。これをどう克服するか。それぞれに、「攻めの戦略」が必要です。
福島県では、課題は明確です。そして、それを克服するべく、県知事が先頭に立って、戦略的に取り組んでいます。国も、復興庁が中心になって各省とともに、それを精力的に支援しています。県議会、市町村、経済団体などが協力して取り組み、そして県民の理解があれば、困難な課題も解決できるでしょう。議論しながら、そのようなことを考えていました。

全国都市監査委員会、講演

8月25日は、函館市で開かれた全国都市監査委員会で、80分の講演をしてきました。千人を超える方に、大震災直後に私と政府が何をしたか、そして町のにぎわいを取り戻すために、これまでないことをしていることを、お話ししてきました。80分あると、かなり具体事例を入れて話すことができました。抽象論だけでは、聞いていて眠くなりますよね。
前段は具体論、後段は理論編として、理解してもらえるように工夫しました。皆さん熱心に聞いていただきました。パイプ椅子で80分座って聞くのは(私の前にも数時間会議がありました)、疲れたでしょうね。でも、寝ている人はいませんでした。壇上からは、よく見えるのですよね。

初任者研修の講師

去年6月に、国家公務員初任研修で、次官講話を話しました。それが、人事院のホームページに載りました。「東日本大震災からの復興―試された政府」。でも、もう1年以上も前のことです。
私の経験でも、役人道や公務員の心構えを説いても、新人にはぴんとこないでしょうし、頭に残りません。そこでテーマを絞って、私の経験をお話ししました。この話のかたちは、いつものことです。ただし、聴衆を笑わせたり緊張させる「話術」の部分は、講義録には反映されていません。新聞を読んでいるか、聴衆に手を上げてもらい、読んでいない人たちは「官僚には向いていない」と言ったことは載っています。

慶應大学、復興5年を振り返るシンポジウム

今日は、慶應大学での「復興リーダー会議シンポジウム」で、話してきました。グローバルセキュリティ研究所は、復興リーダー会議を主催し、国や自治体、企業、大学、NPO等いろいろな組織の人と、勉強や意見交換をしてきました。このような異なるセクターを横断したつながりを、継続的に持つことは、大学ならではの機能です。ありがとうございます。
参加者は、社会を変えたいという意欲に燃えた人たちなので、私も、この5年間何を変えたかったか、何が変わったか、そしてこれから何を期待しているかを中心に話してきました。

地方財政学会

今日は、静岡大学での日本地方財政学会大会に行ってきました。朝10時からの共通論題「環境と災害」の「東日本大震災被災自治体の財政に関する分析」(宮崎雅人先生発表)の討論者に指名されたので。
宮崎先生の分析は、被災地域市町村の決算統計から、主に何に使われたか、その地域別の違いと経年変化とを読み取ったものです。総務省自治財政局が、復興分を別枠にして統計を取ってくれていること、それを公開しているので、分析が容易になりました。先生の分析は丁寧なもので、かつてない災害に対し自治体がどのような支出をしているかがよくわかります。私たち復興庁が見て感じている内容と合致しています。その上で、私からは、さらなる分析をお願いしました。
・過去の大きな災害と比べ、どのような特徴があるのか。
・今回、国が異例の財政措置をしたことが、どのような影響を与えているか。
・今後の財政状況はどうなるか(土地建物の被害による固定資産税の減収、公営住宅などの増加による維持管理費の増など)
このほか、「粗大ごみの有料化に関する実証分析」「神奈川県の森林保全をめぐる財政支出の構造と変化」も良くできた分析でした。神奈川県庁の税財政経験者かつ水源環境保全税に関係した教授も出席していて、実のある討論が行われました。
若手研究者が実績を上げ、活躍してくれるのはうれしいですね。地方財政は、現場を持った、現場に近い学問分野です。研究室で理論や数式だけを扱うのではなく、自治体がどのようなことで悩みどのように立ち向かっているか。目の前に課題とデータがあるのです。地方在住の研究者にも、同じように現場と課題があります。また、自治体も研究者を求めています。自治体の施策の検討や検証に、学者の目が欲しいのです。
研究者にはもっと、自治体に研究テーマについてデータをもらいに行ったり、疑問点についてヒアリングに行ってもらいたいです。自治体にも、近くにおられる研究者に相談に行き、データを提供して欲しいです。