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講演

政策研究大学院大学で講演

今日4月12日は、政策研究大学院大学で講演をしました。GRIPSフォーラム 『東日本大震災からの復興―強い街づくりと生活の再建』です。
コロナウイルスの影響で、オンラインによる講演です。大学の学生だけでなく、部外者で登録した人も含め、合計140人余りが参加してくれました。

外国人が多いので、また同時通訳なので、その点を考慮してお話ししました。
質疑応答が、充実していました。皆さん、適確な質問です。ふだん話していないような項目もあり、考えを整理しながら答えました。

インターネットで、見ることができます。

ビデオ講演の難しさ

先日の「世界銀行セミナー」は、10分間の講演でした。放映は3月18日でしたが、2月に事前収録しました。英語字幕作成などの作業も必要だったので。

いや~、10分は難しいです。
昨日載せた「短い演説の準備」は、同感です。10分より30分の方が準備は楽で、30分より60分の方が楽です。ただし、60分を超えると話している方も疲れるし、聞いている方はもっと疲れるでしょう。大学での講義は、時間が足らなくなったら、次回に回せます。
その点で十分準備が必要なのは、結婚式の祝辞です。3分間に何を盛り込むか。冒頭の「つかみ」と、最後の「締め」が決まれば、できたも同然です。初心者は、ここを間違うようです。投手と同じで、最初に決めるのは、その打者に最後に投げる「決め球」で、そこから初球、その後に追い込む球を組み立てるのです。

テレビ映りも、難しいですね。話す内容を書いた資料を手元に置き、投影中の資料をパソコンで見ると、そちらに目線が行って、下を向いてしまいます。顔が、カメラの方を向かないのです。あと何分あるかと、手元の時計を見る時もです。
「テレビニュースのアナウンサーは上手だなあ」と思いましたが、いくつか違いがあるようです。アナウンサーは、カメラ近くのプロンプターに原稿が写し出されていて、それを見ています。総理が記者会見で、透明なプロンプターを使うのと同じです。下を向かなくても良いように、機器が設定されているのです。

次に、アナウンサーは、書かれた原稿を読むのであって、聴衆と対話をしているのではありません。
先日「オンラインゼミの舞台裏」を載せました。そこに、「カメラに向かって話すのと、人に向かって話すのとでは、「話すこと」の意味が違うようです。対話や会話は、相手の表情(反応)を見て話すのであって、カメラ相手では、それができません。人間のしゃべりとして不自然なのです。」と書きました。
その後も、ビデオによる講演や、対面とビデオを組み合わせた講演をいくつかこなしました。いよいよその考えを確信しました。聴衆の反応を確かめながら話す対話と、一方的に話す放送とは、別物です。

ところで、ビデオを見た人から「わかりやすかった」との意見のほかに、「標準語でしたが、数か所関西弁でしたね」との指摘も。え~、私が東京弁でしゃべっていたのですか。不覚でした。もっと意識して関西弁で話すべきでした。笑い。

マッセ大阪で講演

昨日3月18日は、マッセ大阪(おおさか市町村職員研修研究センター)で開かれた研究成果報告会「これからの自治体職員が身に付けるべき能力と研修体系研究会~高度情報化社会に向けて~」で、基調講演をしてきました。

府下市町村から、12人の職員が2年間にわたり勉強会をして、報告をまとめました。また、報告会には40人ほどの職員が参加しました。意欲のある職員たちです。報告書の内容とともに、この意欲が高く評価されますね。これからも勉強を続け、役所を変えていってください。

私の講演は、「機器の導入は仕事を変えるか」です。IT機器の導入で、役所の現場は仕事が効率的になったか。
私が公務員になってから40年あまり、職場に様々な機器が導入されました。複写機、ファックス、ワープロ、電子メール、エクセル、パワーポイント・・・。電子メールで連絡は便利になりました。インターネットで調べ物も便利になりました。オンライン会議も、便利です。

便利になった反面、機械に使われていると思える場面もあります。「機械が入ると仕事が大きく変わる」という信仰にも、「だまされた」と思うところもあります。機械に使われていることも多いです。「チェシャー猫」の絵は、この様子を表現してもらいました。
かつて宣伝されたOA(オフィスオートメーション)は、どうなったでしょうか。何が変わり、何が変わらなかったか。それを考えることで、私たちの仕事のよりよい進め方が見えてきます。

私たち事務職の仕事には、「頭でする仕事」と「手でする仕事」があります。機器は、手でする仕事を効率化してくれましたが、頭でする仕事を代行してはくれません。そしてもう一つ、「顔でする仕事」(対面。例えばお詫び)は、機器は代われないでしょう。