今日7月30日は、PHP総研フォーラム「官邸の作り方ー総裁選を前に政治主導の未来を考えるー」に出演しました。オンライン形式です。とはいえ、前に人がいないと話しにくいので、牧原先生の研究室にお邪魔して、先生と向かい合わせで、話しました。私の後ろの書棚は、牧原先生の蔵書です。
牧原先生たちがまとめられた「官邸の作り方― 政治主導時代の政権運営―」について、意見を述べるのが私の役割でした。
首相に選ばれた政治家が、どのように主要な幹部を任命し、官邸を運営するか。重要な課題ですが、これまでは実務でも研究でも、あまり扱われてきませんでした。政権の引き継ぎについてもです。大臣と党幹部の任命については報道でも大きく扱われ、その評価がされます。それと比べると、扱いが小さいのです。しかし「誰がやっても同じ」ではなく、初動を誤ると政権への支持が低下します。
もちろん官邸の作り方は、首相の考え方に依存する面が多く、私の経験はその一つでしかありません。とはいえ、首相が代わっても共通する面があります。
私は特に、首席秘書官の重要性、首相の日程作りの重要性を指摘しました。首相にとって最も希少な資源は、時間です。忙しい首相が、どの案件にどれだけ時間を割くか。もちろん本人が判断するのですが、すべてを一人でやることは不可能です。首相の意を体して、事前のさばきをする必要があります。比較不能な価値に順位をつけるのです。日々生まれる案件を処理するだけでなく、首相を国民や報道機関の前にどのように「見せるか」も考える必要があります。
では、どのようにして首席秘書官を育成するか。これが難しいのです。
首相秘書官の育成について、書いたことがあります。「首相秘書官の現実と課題」(時事総合研究所・コメントライナー、2023年3月24日)。
話に出した「麻生内閣の政策体系」は、国立国会図書館に保管されています。