「講演」カテゴリーアーカイブ

講演

相模原市役所で講演

今日20日は、相模原市経営層研修の講師に行ってきました。主催者からの要望は、「今、求められる自治体と公務員の役割ー転換期にある日本社会の中で」です。やや欲張りな要望なので(笑い)、焦点を絞ってお話ししました。

自治体に求められていることが変わってきていることから、幹部に求められることも変化しています。だから前段を話さないと、後段の議論にはなりません。他方で企業と違い、競争のない「地域独占企業」という性格は変わらず、「前例通り」でも倒産しません。ここが、一番難しいところです。

自治体は、どのように住民の期待に応えるのか。幹部は、課題をどのように拾い解決するのか。そのために、どのように部下を育てるのか・・・。首長と幹部の意識と行動が問われます。
まず意識して欲しいのは、「大過なく勤めました」ではなく、「このような付加価値をつけました」と言えるように心がけることです。付加価値には、新しい仕事に取り組むことと、既存業務を効率化することの二種類があります。
そして、あなたの日頃の仕事ぶりを見て、部下はまねをします。いくら良いことを言っていても、行動が伴わないと、部下は見ていますよ。

福島市役所で講演

今日14日は、福島市役の管理職研修に行ってきました。
木幡市長は総務省(旧自治省)出身で、行政の専門家です。市役所の能力を向上させるために、さまざまな取り組みをしています。待機児童解消にも、就任早々に取り組み、早々に成果を挙げました。

企業と異なり、自治体は他社との競合のない「地域独占企業」です。競争のない組織は、どうしても「ぬるま湯」になります。顧客の要望に応えるのが鈍い、職員が研鑽しないなどです。これは自治体だけでなく、電力会社もそうでした。
そのような条件の中で、いかに住民の期待に応えるか、職員を育てるか。この二つが、企業と異なる「肝」になります。
先日紹介したように、自治体の管理職研修の良い教材や講師がいないようです。私にも、しばしばお呼びがかかります。

全国市町村国際文化研修所で講義

今日は、全国市町村国際文化研修所で講義するために、大津市に行ってきました。全国市町村国際文化研修所は、市町村職員中央研修所の姉妹校です。

研修内容は「トップマネジメントセミナー~災害や感染症などへの対応と質の高い地域社会の構築に向けて~」で、私の話は「大規模災害に備えて― 想定外は起きる」です。
「我が町は安全だ」と思っていた地域で大きな地震が起き、豪雨災害が起きています。新型コロナ感染症もありましたし、サイバー攻撃もひどくなっています。武力攻撃事態も想定されます。戦後半世紀にわたって安全を享受していた日本が、1990年代に入って国の内外でこれまでにない危機が発生しました。この30年間に分かったことは「確実に言えることは、確実なことはない」ということでした。

役所も国民も一度経験すると、二度目は上手にやります。また、他人や他の自治体の経験が、役に立ちます。しかし、想定外は、想定しないことが起きるから想定外なのです。
要点は、想定できる危機については準備をする、それでも想定できない危機は起きると考えておく、想定外が起きたときに柔軟に対応することです。

尚絅学院大学、公共社会学フォーラム出演

今日は、尚絅学院大学の公共社会学フォーラム「震災復興と公共社会学」で基調講演をするために、仙台に行ってきました。
題は「震災復興と公共社会学」です。尚絅学院大学では、公共社会学専攻の大学院設置を予定しています。その一環として「続フォーラム(全3回)を開催するのですが、第1回目が今日でした。

先日も書いたように、長谷川公一先生が勧進元になっておられます。
私はかねがね、社会学が欧米の理論の輸入や「説明の学」にとどまっていることに不満を感じていました。最近では、格差、非正規雇用、子どもの貧困、若年介護者、孤独と孤立などなど実社会の問題を取り上げる研究「実用の学」が増えていることは喜ばしいことです。公共社会学は、まさにそれです。応援の意味を込めて、話をしてきました。