「講演」カテゴリーアーカイブ

講演

「曾子三省」

11月28日の肝冷斎「「論語」より「曾子三省」」に、「講演の準備5」を取り上げてもらいました。

「論語」を読み始めると、その冒頭の第四章に「曾子三省」の章がございます。
曾子曰、吾日三省吾身。為人謀而不忠乎、与朋友交而不信乎、伝不習乎。
曾子曰く、吾、日に吾が身を三省す。人のために謀りて忠ならざるか、朋友と交わりて信ならざるか、伝不習か。
曾先生がおっしゃった。「わしは、毎日自分のことを「三省」するんじゃ。他人のために相談にのってまごころを尽くしただろうか、友人たちとの付き合いで信用を失わなかっただろうか、「伝不習」しなかったか。

このあと、難しい説明が続きます。関係の部分は、「伝不習乎」です。
これをどう訓ずるのか。古来、二つの解釈があるそうです。
1.伝え(られ)て習わざるか。 ・・・教えてもらったのに習熟していないのではないか。
2.習わざるを伝えしか。 ・・・(教えてもらって)習熟していないことを教えてしまったのではないか。

私の、講演を終えた後に、その日の出来を振り返えることを、これに当てはめてくださったのです。

講演の準備5

講演の準備4」の続きです。今回は、準備や本番でなく、終わった後です。
講演を終えた後に、振り返ってみます。帰りの新幹線中などが多いです。
伝えたいことは、忘れずに伝えることができただろうか。
早口にならなかったか。時間配分はよかったかか。
聴衆の反応がよかった部分と悪かった部分はどこか、などなど。

聴衆から評価をもらったり感想文をもらう場合は、それを読むことで、どこがよかったか悪かったかがよく分かります。
それを、次回に活かします。受けがよくなかった部分を、思い切って捨てるとか。うまく伝わらなかった部分の話し方を変えるとかです。これが、次回の準備になります。

そして、資料を入れた半封筒を棚に保管します。電子データは、パソコンに分野別に保管します。それぞれ年月日をつけてあるので、すぐに取り出すことができます。

慶応ビジネススクールで講義3

慶応ビジネススクールで講義2」の学生レポート(感想文)74通が届き、読みました。

私の伝えたいことがほぼ伝わっているようで、うれしかったです。ビジネススクールの参加者は、会社でそれなりの経験を積んだ人たちなので、官と民との違いはあっても理解しやすかったのでしょう。私も、それを意識して話しましたから。
見出し語(キーワード)がみなさんの頭に入りやすく、残りやすいようです。
また、私の仕事ぶりや心構えも高く評価してくださって、ありがとうございます。みなさん紳士淑女なので、礼儀をわきまえてくださったのかもしれません。

感想文は、私の話のうちどこがウケたか、どこがよく理解されたか(逆にあまりウケなかったところはどこか)がわかって、とても参考になります。また、1時間半の質疑応答があったので、そこでの質問もみなさんの関心事項が分かって、今後の役に立ちます。

関西大学で講義

今日11月17日は、関西大学で講義をしてきました。林宏昭先生のお招きで、毎年この時期に出講しています。表題は「大震災復興で考えた社会を支える3つの仕組み-行政、取引、助け合い」としました。大震災から早11年が経ち、学生たちは当時小学生でした。大震災のことも知って欲しいのですが、経済学の授業なので、自説の「官共業」がふさわしいと思い、こちらに重点を置いて話しました。

学生(林ゼミ、佐藤雅代ゼミ)の対面授業と、録画による視聴との組み合わせです。教室では、約50人の学生が熱心に聞いてくれました。質疑の時間にも素晴らしい質問が相次ぎ、充実した授業でした。

京都府庁職員研修

今日11月16日は京都府庁で、管理職研修講師を務めました。表題は、「不祥事を起こさない組織づくり」です。これは、なかなか直截な話です。

不祥事が起きるたびに、お詫びの記者会見が行われ、「二度とこのようなことが起きないようにしてまいります」と決意が述べられます。しかし毎日のように、企業や役所の不祥事が報道されます。石川五右衛門の辞世の句と言われている「浜の真砂は尽きるとも世に盗人の種は尽きまじ」をもじれば、「浜の真砂は尽きるとも世に不祥事の種は尽きまじ」です。根絶は難しいのです。

対策は、原因別に考える必要があります。会社や役所の不祥事には、個人が起こすものと、組織が起こすものがあります。横領や情報漏洩は前者で、性能偽装や統計不正などは後者です。個人の犯罪や失敗を防ぐことと、組織の不正や失敗を防ぐ方法は異なります。また個人が起こす失敗や犯罪でも、それを引き起こすような社風やそれに気づかない上司の責任もあります。
そして、根絶できないとすると、起きた場合の対処を考えておく必要があります。私は不祥事が起きた際の記者会見では、かなりの経験を積みました。変な自慢です。「お詫びの仕方・形も大切

一般論をしても退屈でしょうから、実例と私の体験を元に生々しい話をしました。職員研修では、『明るい公務員講座』に書いたように私の失敗を話すのですが、不正や失敗の防止、起きた場合の対応も、「豊富な経験?」を持つ私にしかできない話をしました。
会場では20人ほどの人が聞き、録画をして後で管理職が見るとのことです。みなさんの関心ある主題なので、熱心に聞いてくださいました。反応がよいと、元気が出ます。
また、西脇知事(私の復興庁事務次官の後任)とも久しぶりに会ってきました。