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講演

京都府庁職員研修

今日11月16日は京都府庁で、管理職研修講師を務めました。表題は、「不祥事を起こさない組織づくり」です。これは、なかなか直截な話です。

不祥事が起きるたびに、お詫びの記者会見が行われ、「二度とこのようなことが起きないようにしてまいります」と決意が述べられます。しかし毎日のように、企業や役所の不祥事が報道されます。石川五右衛門の辞世の句と言われている「浜の真砂は尽きるとも世に盗人の種は尽きまじ」をもじれば、「浜の真砂は尽きるとも世に不祥事の種は尽きまじ」です。根絶は難しいのです。

対策は、原因別に考える必要があります。会社や役所の不祥事には、個人が起こすものと、組織が起こすものがあります。横領や情報漏洩は前者で、性能偽装や統計不正などは後者です。個人の犯罪や失敗を防ぐことと、組織の不正や失敗を防ぐ方法は異なります。また個人が起こす失敗や犯罪でも、それを引き起こすような社風やそれに気づかない上司の責任もあります。
そして、根絶できないとすると、起きた場合の対処を考えておく必要があります。私は不祥事が起きた際の記者会見では、かなりの経験を積みました。変な自慢です。「お詫びの仕方・形も大切

一般論をしても退屈でしょうから、実例と私の体験を元に生々しい話をしました。職員研修では、『明るい公務員講座』に書いたように私の失敗を話すのですが、不正や失敗の防止、起きた場合の対応も、「豊富な経験?」を持つ私にしかできない話をしました。
会場では20人ほどの人が聞き、録画をして後で管理職が見るとのことです。みなさんの関心ある主題なので、熱心に聞いてくださいました。反応がよいと、元気が出ます。
また、西脇知事(私の復興庁事務次官の後任)とも久しぶりに会ってきました。

慶応ビジネススクールで講義2

11月11日に行った「慶応ビジネススクールで講義」の写真です。学校から送ってもらったので、記録として載せておきます。学生は、約半数が出席、半数がオンライン出席です。
追記、質疑応答の時間やその後の個別の話で、参加者の会社が大震災の際にさまざまな支援をしてくださったことが話題に出ました。あらためて、お礼を言います。

講演の準備4

講演の準備3」の続きです。これも準備でなく、本番の注意点です。
良くない講演の一つに、早口があります。何を言っているか聞き取れない場合です。
私は早口の方です。ゆっくり話せばよいのでしょうが、関西漫才のようにテンポの良さも、一つの売りです。早口でも、聞き取りやすい話し方があります。一つの文章と次の文章の間に息継ぎを入れると、早くても聞き取りやすいのです。

私が骨子を使うのは、そのためもあります。「これから、骨子の3を話します」「今、骨子の3(2)を話しています」というように、何を話すか、何を話しているかを示すのです。これで、聞いている方は理解がしやすいと思います。
もちろん、基本はゆっくりと話すこと。主語と述語をはっきりすること。一つの文章を短くすることです。「ユーチューブの字幕

声の大きさや通りやすい声も、聞き取りやすいかどうかに関わります。私は声が大きいので、マイク無しでも大丈夫。
滑舌の良さも、重要です。なので、マスクをしての話は嫌いです。

講演の準備3

講演の準備2」の続きです。準備と言うより、講演の難しさです。
聴衆に理解してもらえる話し方と板書の仕方は、若くして自治大学校教授になったときに部長教授に指導され、先輩の授業を見たり本を読んで勉強しました。これは役に立ちました。自己流ではダメだと気がつきました。

聴衆と視線を合わせることが、一つのコツです。
話している際に、「どれくらい理解されているか」を測るために、聴衆の目を見ながら話します。全員を見るわけには生きませんが、会場全員の目と顔をしばしば見渡し、食いつきの良さそうな人を重点に見ます。笑って欲しいところで笑ってもらえると、うれしくなります。
全員に簡単な質問をして手を挙げてもらい、参加意識を高める場合もあります。個別に難しい質問をすると嫌われます。注意を引くために、重要なことを骨子や資料に書かず、白板に書くこともします。眠そうな人も、起きて書き取ってくれることもあります。

研修には、意欲のある人ばかりが参加しているわけではありません。そうでない人の方も多いでしょう。眠そうな人や参加意欲の低い人に、どのようにしたら話を聞いてもらえるか。全力を込めて努力します。
そのためにも、私自身の「電圧」を上げる必要があります。なので、立ったままで話します。

私は、講演は聴衆との対話だと考えています。独りよがりの話をするのではなく、聴衆の反応を見て話の内容に自信を持ったり、反省したりします。
聴衆がいない録画は嫌いです。聴衆は、録画をみる方が寝やすいでしょうが(苦笑)。
どうしてもという場合は、目の前に何人かの人に座ってもらいます。落語家や漫才師は、無観客で演じることができるのでしょうか。

慶応ビジネススクールで講義

今日11月11日は、慶應義塾大学大学院経営管理研究科(慶応ビジネススクール)で講義をしてきました。日吉で、18:30から21:20まで。社会人が金曜夜に授業を受けるので、熱心です。反応もよく、楽しく話しができ、力が入りました。終了後も質問が続き、21:40までかかりました。
事前に、学生に考えてもらう課題を出し、今日私がお話しし、その後に学生が課題の回答を提出するという段取りです。

EMBAプログラムは、
「次世代経営リーダーとして期待される職務経歴15年相当以上の中核ミドルの方々を対象とし、企業経営の内外に課題を見出し先導する、グローバルな視点を持った人材を育成することを目指しています」。
私が話した「経営者討論」科目(パンフレット10ページ)は、「本プログラムの核となる授業の一つであり、「先人に学ぶ経営哲学・人間学」をテーマに、学生が「人」「事」「物」の捉え方、考え方、リーダーとしてのマインドセットを実学として体得することを目的としています」。

学校からの要望は、東日本大震災での私の判断です。想定外の危機が起きた、これまでにない対応をしなければならない、行政だけでなく企業や非営利団体と協働することなどです。