カテゴリーアーカイブ:著作

連載「公共を創る」第176回

2024年2月1日   岡本全勝

連載「公共を創る 新たな行政の役割」の第176回「政府の役割の再定義ー長時間労働を減らす三つの方法」が、発行されました。

前回から、職場側に必要な変化を議論しています。その第一は、労働時間の短縮です。意識の改革に続き、実際に残業を減らす方法を考えます。
そこには、仕事のやり方の改革、仕事量を減らす、職員を増やす、という3つの方法があります。とはいえ、役所の仕事の多くは法令で決められていて、仕事量は簡単には減らすことができません。

職員を増やすことは、なかなか国民の同意を得ることができないでしょう。
しかし、行政改革を進め、職員を減らし、民間委託や一部は非正規職員に代えてきたことが、行政能力の低下を招いています。

連載「公共を創る」第175回

2024年1月25日   岡本全勝

連載「公共を創る 新たな行政の役割」の第175回「政府の役割の再定義ー官僚の職場を巡る課題─その解決に向けて」が、発行されました。成熟社会の官僚に必要とされる能力として、構想力を説明しています。

官僚には所管している政策の知識だけでなく、広い分野について日本の、そして世界の動向も踏まえることが求められます。特に幹部官僚は、特定の業界の発展やサービスの提供といった「部分最適」を超え、例えば省の所管政策を全体として考える「所管の全体最適」を考えなければなりませんが、それをも超え、所管政策もまたその一部である日本と世界のことを考える「大きな全体最適」の思考が必要となります。がむしゃらに所管政策を広げて「所管の全体最適」を確保したとしても、数十年の単位で見れば「大きな全体最適」になっていなかったこともありえます。
ただしこの問題の基本には、日本社会がどのような方向に進んで行くのか、将来の構想が必要です。各省と各局は、それに従って目標を考えるからです。将来の日本社会をどのようなものにするか。その構想は本来、首相をはじめとする政治家の役割です。

もう一つ、これからの官僚には、自らの人生を企画するという能力、あるいは意思が必要になることも挙げておきます。

官僚に求められるものの変化の次に、職場側の変化を議論します。若者に敬遠される職場をどのように改善するかです。その第一は、労働時間の短縮です。

雑誌「ウェッジ」2月号に載りました。

2024年1月21日   岡本全勝

雑誌「ウェッジ」2月号特集「霞が関の危機は日本の危機 官僚制再生に必要なこと」に、私の発言「明治型国家から成熟国家へ 求められる新たな行政手法」が載りました。4ページも取ってくださいました。1ページだけ、インターネットで読むことができます(試し読みの10ページ目)。

官僚という職業は、かつての高い評価から大きく低下しました。その時期に立ち会った官僚の一人として、反省も込めてその理由を説明し、対策も提示しました。今、連載「公共を創る」で議論している内容の要約になっています。編集部の方が、上手にまとめてくださいました。

ウェッジ」は、東海道新幹線のグリーン車で配られています。宣伝には、「東京―新大阪間の約2時間30分で読める Wedgeは東海道・山陽新幹線のグリーン車搭載誌でもあり、グリーン車を日々利用する政界・経財界のエグゼクティブリーダー、文化芸能・スポーツ関係者などのトレンドリーダー達が移動中の車内でお読みいただけるよう独自の編集を行っています」とあります。
私の主張が、社会の有識者の目に触れることは、ありがたいことです。

連載「公共を創る」第174回

2024年1月19日   岡本全勝

連載「公共を創る 新たな行政の役割」の第174回「政府の役割の再定義ー課題解決型思考と構想力」が、発行されました。

前回から、成熟社会において官僚に求められる能力を考えています。
その第一は、課題解決型思考です。発展途上期には、産業振興、インフラ整備、公共サービス拡充が主たる任務であり、それが社会の課題解決になりました。しかし、それらがほぼ出そろったことで、これらの分野では既存制度の運用が主になりました。制度運用に力を注いでいると、そこに安住し、新しい課題への取り組みがおろそかになるのです。
そして、新しい課題への取り組みには現場を知ることが必要ですが、これまで欧米からの制度輸入に慣れ親しんできた官僚には、それが得意ではないのです。
実施手法も変わります。施設整備や一律のサービスといった提供者側の考えから、困っている一人一人を相手にしなければなりません。

その二つ目は、構想力です。個別の問題を拾い上げる課題解決型思考とともに、政策全体や社会を考えて、どのような方向に持って行くかを考える能力です。

発言「能登半島地震、1週間」

2024年1月12日   岡本全勝

共同通信から、私の発言「能登半島地震、1週間」が配信されました。加盟している地方紙に、順次載っています。見出しは「借り上げ住宅供給急げ「復興議論 集落ごと丁寧に」などとなっているようです。

大災害への備えと起きた際の対応は、阪神・淡路大震災、東日本大震災などを経験して、大きく進化しました。それらは、今回の災害でも生かされています。
それでも、想定外のことは起きます。今回は、集落の孤立です。そして、備蓄物資の不足が目立っています。このことは、予測されている南海トラフ地震への教訓になるでしょう。

災害が起きてからの対応は、時系列で次のようになります。
1 救助と避難所開設
2 避難者の生活支援
3 仮設住宅入居
4 住宅とまちの復興

時間の経過とともに課題は変化するのですが、それを承知の上で、私は東日本大震災の経験から、次のようなことを主張しました。
・仮設住宅建設は時間がかかるので、借り上げ仮設を活用すること。
・高齢者が多い集落では、残念なことですが、町を元に戻す形の復興は難しいでしょう。集落ごとに将来見通しを立てて、丁寧な議論が必要です。