普通の市民が議員、普通の市民が職員-便利で頼りになる市役所」月刊『地方財務』(ぎょうせい)2008年1月号
特集「2020年 ニッポンの地域社会」の一つとして、拙稿「普通の市民が議員、普通の市民が職員-便利で頼りになる市役所」が載っています。分権が進み、道州制が導入された時代、そして小さな市役所が実現するとどうなるか。市役所も、大きく変わっています。近未来小説です。編集長が読みながら、くすっと笑ったという論考です。まあ、読んでみてください。意見も受け付けますので、読んで批判がある方は、どうぞメールしてください。
この特集には、私のほか、御手洗冨士夫経団連会長、片山善博慶応大学教授(前鳥取県知事)、金子勝慶応大学教授らも、書いておられます。経団連会長がこの種の雑誌に寄稿されるって、すごいですよね。次のように書いておられます。
・・故郷を愛する気持ちは人一倍強い。そういう意味で、自分を「現役の田舎者」と称している。ところが、私が田舎者であるというと、聞いた方は必ず苦笑される。「田舎者」という言葉には、地方出身者が使うと東京に対してどこか自分を卑下しているような響きが、逆に東京で暮らす人が使うと地方を見下しているような響きがあるようで・・続きは、原文をお読みください。
「著作」カテゴリーアーカイブ
著作
行政構造改革
月刊『地方財務』(ぎょうせい)で、2007年9月号から連載。2008年10月号で、中断。
「行政構造改革」ー日本の行政と官僚の未来ー
総目次
はじめにー私の問題意識
第一章 行政に転換を迫るもの
1 近年の行政改革・・・以上2007年9月号
2 社会の変化と行政の転換・・・10月号
第二章 行政機構と官僚制
1 日本の行政機構・・・11月号
2 日本の官僚制・・・12月号
3 官僚の失敗と官僚制の限界・・・2008年1月号
4 責任の所在と対応策・・・2月号・3月号・4月号
第三章 政治の役割と行政の役割
1 政治と行政・・・5月号
2 政と官・・・6月号・7月号・8月号
3 政治の役割・・・9月号・10月号
第四章 行政構造改革・・・以後、未定
1 行政改革の新たな展開
2 行政の課題と役割の変化
3 手法と手段の変化
4 行政改革から行政構造改革へ
詳細の目次は、「行政構造改革」その2へ。
「はじめに」から
私は、二〇〇三年に「新地方自治入門ー行政の現在と未来」(時事通信社)を出版しました。この本は地方自治と銘打っていますが、副題にも示したように、地方自治にとどまらず、広く日本の行政の課題と方向を解説しました。そこでは、戦後日本の行政と社会について、その成功と失敗を論じました。
その後も、行政の失敗といわれる事件は続き、官僚に対する批判も収まりません。かつて日本の官僚は、政治においては、「政治家は信頼できないが、官僚に任せておけば安心」と信頼されました。経済においては、「日本の奇跡の経済成長は、官僚が司令塔だから」と評価されました。社会においては、最も信頼され、優秀と認められていた職業集団だったのです。それは、「エリート官僚」という言葉に表れています。しかしその官僚と官僚制が、今や批判と改革の対象になっています。
私の問題意識は、世界一優秀だといわれた日本の官僚制が、なぜ大きな批判にさらされているのかということです。なぜ「官僚の失敗」といわれる事件が続発するのか。また、いくつもの課題があるのに、なぜそれに対し有効な対策を打てないのか、という疑問です。
これに対する私の診断は、今起きている官僚の失敗は、それぞれ個別の政策課題に対する「失敗」ではなく、日本の官僚制の「構造的機能不全」であるというものです。
日本には、これまでにない、新しい大きな政策課題が発生しています。また、いくつもの行政改革が続けられています。それら政策課題や行政改革を研究した論文や記事は、たくさんあります。しかし、現在の日本の行政がどのような位置にあるのか、そして今後どのような方向に進むのかについて、概括した適当な本はないようです。教科書はその性格から、変化を追うことは難しく、一方、個別の課題や行政改革を扱った論文は、全体構図を示していません。また、何人もの大学教授をして「大きな改革が続いて、追いかけるのが大変だ」「教科書が間に合わない」と嘆かせるほどに、変化を続けています。
しかし、日本の行政に大きな改革が続いていることと、日本の官僚制が評価を落としたことの根は、同じところにあるのです。すなわち、社会の変化に行政をあわせること、これがいくつもの行政改革が進められている理由です。そして、その変化に追いついていない、あるいは理解できていない官僚が、失敗をしているのです。とすると、大きな改革が続いているからこそ、現在の行政がどの位置にあり、どの方向に進んでいるかを把握することが重要でしょう。
そこで、私なりの考えをまとめてみようというのが、この稿の意図です。それは、現在の日本の行政が置かれている位置、抱えている構造的問題、変化を迫る環境と課題は何かを明らかにすることです。そして、それへの対応のために、どう改革するべきかということです。それはまた、日本の官僚制が失敗している原因を明らかにすることであり、これからの官僚のあり方を示すものだと考えています。もちろん、これが無謀なことであることは、承知の上です。力不足のため、正確性を欠いた分析になるかもしれません。しかし、大づかみに日本の行政の現状と未来を鳥瞰することは、意味あることと思います・・・(2007年7月15日)
(執筆状況)
「行政構造改革」の原稿を書いています。これも、月刊『地方財務』に連載する予定です。長年予告していた、日本の行政論、官僚制論です。ここ数年、大学でしゃべった内容や、このHPに書いたものを基にしています。もっとも、一つの論文にしようとすると、大変な労力と時間が必要になります。週末と会合のない夜は、ほとんどこれに没頭中です。肩がこって、目が疲れて・・。(2007年7月2日)
大作「行政構造改革-日本の行政と官僚の未来」は、順調とは言えませんが、少しずつ進んでいます。書いては消し、章立てや節を入れ替え、事実を確認し・・と、苦労してます。それでもこつこつ書いたので、第2章の半ばまでほぼ完成。連載にすると、3か月分くらいは書きためました。全体は4章と考えているので、3分の1はできましたかね。(7月8日)
いよいよ、「行政構造改革-日本の行政と官僚の未来」の連載を始めます。第1回は、月刊『地方財務』(ぎょうせい)2007年9月号に載ります。今、ゲラの校正をしています。発行は、8月末です。乞うご期待。(8月4日)
大論文「行政構造改革」の第2章を、ほぼ書き上げました。1,200字×57ページ+資料13枚の大作です。暑いのによく頑張りました。自分で自分をほめてやりたいです(笑い)。この後、知人や専門家に目を通してもらって、完成させます。「地方財務」に載るのは、まだだいぶ先です。でも、書けるときに書いておかないと。まだ、第3章と第4章が残っています。(8月12日)
連載「行政構造改革ー日本の行政と官僚の未来」が、月刊『地方財務』(ぎょうせい)2007年9月号から始まりました。第1回は、「近年の行政改革」です。私の方は、今週末は10月号のゲラの校正です。第2章(11月号~1月号)の原稿は、今日、編集長に渡しました。一部は未定稿なのですが。第2章は、8月中に書き上げようと思っていたので、まずは目標達成です。自分をほめてあげましょう(こればっかり言ってますね。笑い)。
「再チャレンジ支援施策に見る行政の変化」が載った8月号は、売り切れたそうです。もっとも、私の論文で売れたのではないでしょうが。いずれにしろ、めでたいことです。(8月31日)
大論文連載「行政構造改革」第2回が、月刊「地方財務」10月号に載りました。今回は、第1章第2節「社会の変化と行政の転換」です。内容は、次の通りです。なかなか、意欲的で興味深いでしょ。日本の行政にご関心ある方は、ぜひお読みください。
(1)政府の新たな課題
①政府は新たに何をしたか、②何がうまくいかなかったか、③日本政治の失敗
(2)行政に改革を迫るもの
①私たちの成功、②日本の行政が成功した三条件、③成功の三条件の反転
(3)見えてきた日本の成功の問題点
①負担を考えない、②国際貢献を考えない、③自分たちで考えない、④二一世紀の日本と行政
一息つく間もなく、来月号の校正が来ています。しかも、9月なってから新しい執筆が進まず、困っています。本業が忙しくなったのと、大学の授業が始まったからです。次の講演のお誘いも来ているし・・。でも、こうして連載にして自分を追い込まれないと、なかなか書けませんよね。(10月2日)
地方財政改革論議
三位一体改革が、予想以上に進んでいるので、改訂の準備に入りました。出版後の動き(三位一体改革)については、「進む三位一体改革-評価と課題」月刊『地方財務』(ぎょうせい)2004年8月号、9月号に載せました。これを加筆すればいいのですが、全体構造から変えようと思っています。目標は2005年春です(決意表明)。(2004年9月20日)→すみません。目標時期を秋以降に延期してください。(2005年5月5日)
いよいよ、着手しました。「三位一体改革-その成果と課題」(仮称)です。「地方財政改革論議」の改訂というより、その続きになります。(2006年9月24日)
と言いつつ、挫折してます。(2007年4月7日)
(お詫び)
すみません、挫折しました。8割ほど書き終えたのですが、出版時機を失してしまいました。「進む三位一体改革ーその評価と課題」を連載したので、それを加筆すればすむことだったのですが。私の怠惰のせいです。「三位一体改革の記録」として、出版しておきたかったのですがねえ。(2007年4月23日)
地方交付税-仕組みと機能
出版してから12年がたち、状況も変わりました。基本は変わっていませんし、今なお「もっともわかりやすい交付税の解説書」でしょう。もっとも、かなり状況も変わっているので、そろそろ改訂したいと思っています。「早く書き換えろ」とのご要望もあるので。
といいつつ、これも当分めどが立ちません。交付税課長を離れてから、詳しく追いかけていないのです。また、まとまった時間が取れそうにありません。
雑誌への寄稿
「地方財政による文化芸術支援」2003年8月、UFJ総合研究所芸術文化政策センターのニューズレターNo19「芸術支援と財源」所収
「地方交付税批判と将来課題」『地域政策-明日の三重』(三重県庁の政策雑誌)2003年10月号
「地方交付税改革-財源保障と地方財政の将来像-」月刊『都市問題』(東京市政調査会)2004年11月号
「地域文化とまちづくり」『日向の歴史と文化』(早稲田大学日本地域文化研究所編、行人社、2006年1月)所収
「地方分権の実行力と推進力」『日本人の力』第38号(2006年11月、東京財団)所収
識者31人アンケート「自治体職員にお薦めの3冊」、月刊『ガバナンス』2007年1月号(ぎょうせい)所収
自著を挙げるのはルール違反とも思いましたが、類書がないことを理由に挙げました。あしからず。もっとも、編集部がつけた見出しは、3冊目の『人を動かす』(カーネギー著、創元社)に関して「お願い、お詫び、お礼が、仕事の上での基本」でした。これも、私のモットーですが。