カテゴリー別アーカイブ: 連載「公共を創る」

連載「公共を創る」第17回

連載「公共を創る 新たな行政の役割」の第17回「哲学が変わったー成長から成熟へ 民間との連携」が、発行されました。

前号に引き続き、町のにぎわいを取り戻すために、民間の力を借りたことを紹介しています。企業との連携、NPOとの連携です。
被災地では、がれき片付けなど、ボランティア活動もありがたいのですが、継続的組織的な支援も重要です。それは、個人ボランティアではできません。企業や能力を持ったNPOが必要なのです。
また、現地では、技能を持った人を求めています。そのような技能と情熱を持った人を継続的に送り込むことも、今回初めて実行しました。それも、企業やNPOが取り組んでくれたからできました。

連載執筆状況

連載「公共を創る 新たな行政の役割」の執筆が、少しずつ進んでいます。
「3(4)変貌した社会への対応」を、ほぼ書き終えました(全体の構成)。

前半部分まで書いて、後半部分に難渋していたのです。よくよく全体を見渡すと、後半に書こうとしていた内容は、第2部や第3部に書くべきことでした。
ということで、一挙に問題解決。書けたところまでで、第1章は打ち切ることにしました。
この後、右筆に手を入れてもらって、完成させます。この部分は、10月に掲載されます。
すぐに、次の締め切りが来ます。余裕のない生活を送っています。

連載「公共を創る」第16回

連載「公共を創る 新たな行政の役割」の第16回「哲学が変わったー成長から成熟へ 町を支える民間」が、発行されました。

今回から、全体計画では「哲学が変わったー成長から成熟へ」の「(3)主体と手法の拡大」に入ります。被災地で考えた、まちの暮らしを支えるのは行政だけでなく、企業やNPOなども重要だということを、主体と手法の観点から整理します。
まずは、企業が持っている能力を使わせてもらったことを紹介します。

連載「公共を創る」第15回

連載「公共を創る 新たな行政の役割」の第15回「哲学が変わったー成長から成熟へ 成熟社会に入った日本の行政」が、発行されました。

大震災の被災者支援と復興の過程で、これまでの行政の成功と限界がわかりました。前回に続き、日本社会の変化に従って、行政も変わらなければならないことを議論します。
明治以来、理想的な国家、理想的な国民を作るために、努力してきました。そして、それに成功しました。ところが、そこから漏れ落ちた人への対応は十分とは言えません。
漏れ落ちた場合の「安全網」の整備や、その教育をしてないのです。理想は教えますが、それに乗らない人や失敗した場合の生き方を教えないのです。
「坂の上の雲」を見上げていて、「坂の下の影」を見落としていたのです。

行政の目的も、生産者視点から、生活者視点に変える必要があります。
例えば公営住宅は、かつては住宅のない人に対し、数を増やすことが目的でした。現在は、住宅は数だけなら、余っています。他方で、入居者の孤立や孤独死が問題になっています。これは、建設部局の任務ではありません。そして、孤立は社会福祉の範疇を超える課題でしょう。「公営住宅」といっても、行政の任務が変わってきたのです。

連載「公共を創る」第14回

連載「公共を創る 新たな行政の役割」の第14回「哲学が変わったー成長から成熟へ 震災を機に行政の役割も変化」が、発行されました。

大震災の被災者支援と復興の過程でわかったことは、国土の復旧ではまちの暮らしは戻らず、暮らしの再建にまで支援の範囲を広げる必要があるということでした。
そのような視点から日本の行政を見ると、これまでの行政は、モノとサービスの提供に重点を置いていたことがわかります。明治時代以来の、産業育成、社会資本整備、行政サービスの充実の際には、これが効率的に働きました。

しかし、それらの目標を達成すると、別の問題が見えてきました。それらの行政から漏れ落ちた人や課題です。
例えば、災害で壊れると、上下水道は公共施設として復旧されますが、個人の井戸は個人の責任となります。おかしいと思いませんか。
生産者視点や提供者視点でなく、生活者視点から見ると、そのような課題が見えてきます。