カテゴリーアーカイブ:社会の見方

認知症が死因の首位に

2025年4月20日   岡本全勝

3月22日の日経新聞に「認知症 死因首位に」が載っていました。ネット記事と紙面とは少し異なります。

・・・慶応義塾大学や米ワシントン大学の研究グループは21日、日本人の過去30年の健康状態を解析し、2015〜21年で最も多い死因は認知症だとする研究成果を発表した。医療技術の向上によって、死因に占める脳卒中の割合が低下した・・・

記事についている表によると、1990年での死因の順位は、脳卒中、虚血性心疾患(心筋梗塞など)、下気道感染症(肺炎など)、胃がん、肺がんの順で、次の6位が認知症です。これに対し、2021年では、認知症、脳卒中、虚血性心疾患、肺がん、下気道感染症の順で、胃がんは7位になっています。

・・・厚労省の人口動態統計は死亡届を基に集計している。誤嚥性肺炎や肺炎のほか、いわゆる自然死である老衰が死因の上位を占める。認知症はこうした死因のきっかけとなる。認知症に詳しい東京大学の岩坪威教授によれば「認知症の原因となる病気では嚥下障害が合併症として現れることが多いほか、寝たきりでは飲み込み自体も難しくなり、誤嚥性肺炎などにつながる場合がある」という・・・

小学校の教科書ページ数が3倍に

2025年4月19日   岡本全勝

3月23日の日経新聞1面に「分厚い教科書 理想手探り 20年で3倍」が載っていました。
・・・小中高で使用する教科書が厚みを増している。小学校の教科書のページ数は20年で3倍近く、中学校は2倍近くに膨れ上がった。「脱ゆとり教育」以降、児童生徒が学ぶ量は増えたが、学習指導要領が掲げる主体的な学びをサポートする教員の育成は追いついていない・・・
・・・学習範囲が広くなるとともに、近年は考えを手助けするヒント付きの解説や、ケーススタディーのような発展的な問題が盛り込まれ、厚みが増した。2020年度の学習指導要領で「主体的・対話的で深い学び(アクティブラーニング)」が導入され、さらに流れは強まった。
授業時間も増えた。小学校6年間の標準授業時数はゆとり教育時の02~10年度は5367コマ。20年度には418コマ増の5785コマになった。文科省の24年度調査では、年間の標準授業時数を超える公立学校は、小学5年で89%、中学2年で84%に上る・・・

催し物の経済波及効果

2025年4月18日   岡本全勝

大阪・関西万博の経済波及効果が3兆円と見込まれると、政府が発表しました。これ自体は、喜ばしいことです。来場者による消費や、工事費、人件費などを足し上げると、経済波及効果になるのでしょうか。

私の疑問は、万博による需要拡大が、純粋に上乗せになるのかという点です。
例えば、ほかの催し物に行っていた人が、万博に行くのなら、全体では消費は増えません。ある映画がたくさんの人を集めても、映画館に行く人の総数が増えないと、ほかの映画の分を食っているだけです。
訪日外国人が増えるなら、その分は純増と思いますが。ホテルが満杯状態だと、ほか旅行客を断念させているかもしれません。

工事費も、労働者不足で工事が遅れたという報道もあります。すると、労働者不足が足かせになって、日本全体の工事費は増えません。人件費も、万博関係で雇用者が増えたとしても、労働者不足ですから、どこかほかの職場の労働者を奪っているのでしょう。
このような影響は、経済波及効果の計算では、どのように扱われているのでしょうか。「催し物の経済波及効果2」へ

正社員の転職100万人

2025年4月18日   岡本全勝

3月23日の日経新聞に「正社員の転職が最多、24年99万人 若手ほど賃金増加」が載っていました。
・・・正社員の転職が増えている。2024年は99万人と前年から5%増え、比較できる12年以降で最多となった。20代後半から40代前半が多く、より良い待遇の企業に移る例が多い。企業は賃上げや職場環境の改善を続けなければ優秀な人材を囲い込めなくなっている・・・

記事によると、2013年頃の正社員から正社員への転職は60万人程度で、10年間で6割増えています。非正規社員から正社員への転職は32万人で、増えていません。
年代別に見ると、25歳~34歳が最も多く、次が35歳~44歳です。転職で賃金が増えた人は20代前半では5割、減った人は2割います。年代が上がるにつれて、賃金が増えた人の割合は減り、50代後半からは減る人の方が多くなっています。

産業分類

2025年4月16日   岡本全勝

私は学生時代、産業分類として、第一次産業、第二次産業、第三次産業の違いを学びました。これはクラークの3分類で、ウィキペディアによると次のようなものです。
第一次産業 - 農業、林業、鉱業、水産業など、狩猟、採集。
第二次産業 - 製造業、建設業など、工業生産、加工業。電気・ガス・水道業
第三次産業 - 情報通信業、金融業、運輸業、販売業、対人サービス業など、非物質的な生産業、配分業。

かつてはこの分類が有効でした。「公共を創る」第41回で図1で説明したように、1950(昭和25)年では、第1次産業が49%、第2次産業が21%、第3次産業が30%でした。1970(昭和45)年には、それぞれ19%、34%、47%になりました。
1990(平成2)年では、第3次産業が6割になり、2015(平成27)年では、第1次産業はわずか4%で、7割が第3次産業です。産業の3分類は、意味を持たなくなりました。

現在、統計として使われているのは、日本標準産業分類のようです。そこでは、次のように大きく、20に分類されています。「大分類A~T
A農業,林業。B漁業。C鉱業,採石業,砂利採取業。D建設業。E製造業。F電気・ガス・熱供給・水道業。G情報通信業。H運輸業,郵便業。I卸売業,小売業。J金融業,保険業。K不動産業,物品賃貸業。L学術研究,専門・技術サービス業。M宿泊業,飲食サービス業。N生活関連サービス業,娯楽業。O教育,学習支援業。P医療,福祉
Q複合サービス事業。Rサービス業(他に分類されないもの)。S公務(他に分類されるものを除く)。T分類不能の産業

この中が、さらに中分類、小分類に分けられています。しかし大分類が20とは、多いですね。3分類なら、理解しやすいのですが。サービス業の中を、いくつかに括れませんかね。何か良い切り口はないでしょうか。試みておられる先学がおられたら、教えてください。