8月1日の日経新聞に「シニアの「気の若さ」マイナス7〜8歳 加齢に前向きで4年長生き」が載っていました。
・・・自分は実年齢より若いと感じる傾向を「若年視」と呼ぶ。60代以上では実年齢との差が7〜8歳に広がるという調査がある。気の若さが健康に与えるプラスの影響も分かってきた。
自分をどの程度若い、あるいは老いたと感じるかを主観年齢という。早稲田大学文学学術院心理学コース助手の澤田奈々実さんらは、東京都在住の4500人を対象に、主観年齢の世代変化を調べた。
20代では主観年齢が実年齢を0.2〜1.7歳上回った。30代以降は逆転し、30代で約2歳、40代で約4歳、50代では5〜6歳若く認識。60代以降ではマイナス幅が7〜8歳近くまで広がった。
なぜ年を重ねるごとに、若い方向にギャップが広がるのか。澤田さんによると、背景には心の防衛戦略がある。老いは喪失や衰退など負のイメージと結びつけられやすい。「自分は違う」と心理的に距離を置き、それが実年齢より若い主観年齢として表れるのだという。
男性は50代から60代以降にかけて若年視がマイナス5.1歳から同7.8歳へと一気に進み、その変化幅は女性より大きい。澤田さんは「働き方の違いが影響している可能性がある」と分析する。「50代以降は定年退職が視野に入り老いを意識する。『自分はまだ現役で能力もある』と考え、アイデンティティーを保つのではないか」
こうした心理は以前から知られており、実年齢と主観年齢の差は先行研究と大きく変わらないという。一方で、現在の高齢者は昔より若返っているという指摘もある。
日本老年学会と日本老年医学会は2017年、現在は65歳以上を高齢者としている区分について、加齢による身体機能の低下が10〜20年前よりも5〜10年程度遅くなっていると指摘。65〜74歳を「准高齢者」、75〜89歳を「高齢者」、90歳以上を「超高齢者」とする新たな区分を提言した。国立長寿医療研究センターの研究によれば、認知機能が良好な高齢者も増えている。
意識も変化してきた。「『老人』『お年寄り』は何歳から?」。博報堂生活総合研究所は1986年から10年おきに60〜74歳に同質問を尋ねてきた。86年時点で「老人」は71.5歳からだったが、2026年には75.9歳に上昇。「お年寄り」も72.8歳から75.8歳まで高まった。
上席研究員の高橋真さんは「今の60〜74歳は、自分たちは老人でもお年寄りでもないと思っている」と解説する・・・
私の子どものころは、60歳を超えると老人でした。平均寿命は男性64歳、女性68歳(1955年)でしたから。71歳は、かなりの老人でした。でも、今の私は、孫から「じっちゃん」と呼ばれても、自分のことを老人とは思っていません。若いときのように、動けず体力はありませんが。