カテゴリーアーカイブ:社会の見方

GAFA、プラットフォーマー

2019年12月18日   岡本全勝

GAFA、ガーファって、聞かれたことがあるでしょう。グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾンの4大巨大IT企業です。
12月12日の読売新聞が「プラットフォーマーとは」で、詳しく解説していました。
・・・米グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾン・ドット・コムなどの巨大IT企業は、デジタル経済の舞台を提供する「プラットフォーマー」として、人々の生活に便利なサービスを提供し、社会に大きな影響力を持つ。4社は頭文字から「GAFA」とも呼ばれる。だが、あまりに大きくなりすぎ、その全貌をつかむのは難しい。利便性の反面、影の部分も大きくなり、国家による監視の目も厳しくなりつつある。
巨大IT企業はインターネット上で便利なサービスを無料で提供し、世界中から膨大な個人データを集めている。個人データが自由に使われれば、利用者にとっては望まないサービスを繰り返し勧められるなど不利益を被る恐れがある。複数の個人情報を組み合わせて分析し、勝手に人物像が形成される可能性もあり、歯止めが必要となる・・・

皆さん、聞いたことはあるけど、詳しくは知らないのではないでしょうか。
これらが抱える問題点は、記事を読んでいただくとして、4社を並べて比較しています。これは分かりやすいです。
例えば「グーグル 検索 世界シェア9割」とか。それぞれの巨大さ、独占状態が、よくわかります。

リン・ハント著『なぜ歴史を学ぶのか』

2019年12月17日   岡本全勝

リン・ハント著『なぜ歴史を学ぶのか』(2019年、岩波書店)が勉強になりました。「E・H・カーの『歴史とは何か』の21世紀版」という書評もあるようです。

どちらの本も「歴史」と題にありますが、「歴史学とは何か」という本です。
かつて(19世紀から20世紀前半)、事実を探求すれば歴史がわかるとされていた実証主義に対し、カーは「歴史とは現在と過去との対話である」と喝破し、見る人の時代や立場によって、歴史の解釈が違ってくることを主張しました。

ハントはさらに進めて、立場の違いが解釈の対立を生んでいることを指摘します。戦争や虐殺による事実が、加害者(の子孫や国)と被害者(の子孫や国)との間で論争を引き起こしています。教科書の書きぶりであったり、「英雄」の記念碑の扱いです。被害者(の子孫や国)は、加害者の非道ぶりを国際社会で訴え続けます。アジアにおける日本もまた、例外ではありません。

また、これまで「歴史の事実」とされていたものが、ヨーロッパ人による、ヨーロッパ中心の歴史観であったことを、してきします。これらは、ハントが初めて主張したのではなく、ここ数十年の社会の実態であり、歴史学の進歩によるものです。この項続く。

参照「歴史学は面白い」「歴史は書き換えられるもの」「覇権国家イギリスを作った仕組み、7」「日経新聞夕刊コラム第16回 未来との対話

来ました、不審メール

2019年12月15日   岡本全勝

先日、携帯電話が鳴りました。ショートメールが入っています。
開けて読もうとすると、警告文が出てきました。「このメールには、電話番号が入っていて、怪しいです」といった趣旨の文章です。私の携帯電話はドコモなので、ドコモがそのような設定にしてくれているようです。

注意しながらメールを開くと、発信者は英語で「manager」とかなんとか書かれています。文面は、「あなたは未払いがあるから、次の電話番号に電話しなさい」です。そして、050で始まる電話番号が書かれています。
直ちに、削除しました。
キョーコさんのスマホには、もっとたくさん怪しいメールが届いているそうです。

人件費は費用か投資か

2019年12月14日   岡本全勝

会社では、人件費は会計上の費用に計上されます。官庁では、歳出に立ちます。この観点から見ると、人件費は少ない方が良いと考えられます。経費は少ない方が、会社では決算が黒字になり、官庁では経費を削減したと評価されるからです。

でも、この見方は、とても狭い見方です。どんどん人件費削減(人員削減と給与引き下げ)をすると、よい経営者であり、よい自治体でしょうか。会社はよい賞品を売って利益を増やすことがよい会社であり、自治体はよい業績を上げることが任務です。人件費を削減しすぎて、会社の業績が悪くなったり、必要な行政サービスが提供されないようだと、本末転倒です。もちろん、同じ売り上げ、同じ行政サービスなら、費用は少ない方が良いですが。

業績の悪い会社を立て直す経営者に、コストカッターと呼ばれる、経費削減を行う人がいます。しかし、経費を削減するだけでは、業績は向上しません。売り上げを上げないと、じり貧です。経営立て直しには、コストカット(経費削減)と共に、新製品など売り上げ向上が必要なのです。

人件費をどう考えるか。難しいのは、従業員の職場での「価値」を、お金では測ることができないことです。同じ職位の職員に同じ給料を払っていても、仕事のできる職員とできない職員がいます(ボーナスでは差をつけているでしょうが)。
さらに、多くの職員は将来、より重要な職務に就くことが期待されています。職員は現在の仕事を処理する「機械」であるとともに、将来を見越しての育成中の「素材」です。よい職員を育てることは、「投資」です。費用に終わる人件費と、投資になる人件費があるということです。

と書いて放置してあったのですが。10月11日の読売新聞の「経済学×現代 ノーベル賞5 人は財産 世界で争奪戦」が、人的資本について解説していました(今頃になって、すみません)。
・・・ゲーリー・ベッカー「人的資本」(1930~2014)米国生まれ。経済学の手法を様々な社会問題に応用した。1992年に受賞。
人への投資は一時的にコストがかかっても、企業の発展につながる。当たり前のように思える知見を実証し、「人的資本」という言葉で表したのがゲーリー・ベッカーだ。技術革新のスピードがこれまでになく速くなるなか、企業が求める人的資本も変わり始めている・・・
人的資本については、次のように説明しています。
「労働者を、投資によって生産性を高められる「資本」と捉える考え方。伝統的な経済学は、企業にとって労働者の生産能力はあらかじめ決まっており、必要に応じて雇用、解雇することを前提にしていた」

人的資本をこのようにとらえることはよいことですが、課題は、人的資本をどのように数値化するかでしょう。きわめて難しいと思います。
ある社員の能力を、どのように評価するか。それぞれの社員の能力は、用いる分野や場面で違ってくるでしょう。もっとも、あらゆるものを価格で評価するのが、経済学や会計学の手法です。その手法を使えば、一つの方法は、ある社員がいくらの値段で他社や労働市場で「取引されるか」の価格で表すことができます。経済学では、どのように扱っているのでしょうか。「統計に表れない人的資本の価値

「タテ社会と現代日本」その2

2019年12月13日   岡本全勝

中根千枝先生の新著『タテ社会と現代日本』の続きです。
いくつも「なるほど」と思う指摘がありますが、その一つに「社交の場がないこと」(P106)があります。
日本では、場を重視し、集団への帰属と集団内での扶助が優先されます。小集団を超えた関心は少ないのです(P102)。それは、社交の場がないことにつながります。ラテン系の国では、村に広場があって、夕方には村人が出てきて会話を楽しみます。中近東ではコーヒーハウスがあって、イギリスではパブがあります。そこに集まるのは、同じ階層の人です。これらの国では、集団への帰属より、資格・階層が重視されるからです。

地域でのつながりが薄くなると、困ったことになります。これまで多くの男性は、会社という場に入り、それを唯一の帰属先としていました。定年で退職すると、一部の人を除いて、つながりを失います。また、新しいつながりの作り方を知りません。女性は、ママ友など、横のつながりを作っているのですよね。

社交の場がないことは、私も痛感しています。
一つは、職場以外での付き合いが少ないことです。近所の人とは挨拶をし、植木の手入れの教えは請います。しかし、私の職歴や関心で、話が合う人は少ないです。簡単に言うと、一緒に飲みに行く人がいないのです。

二つ目は、オシャレをしてキョーコさんと出かける場がないのです。
宮中に呼ばれたり、桜を見る会に呼ばれたときに、キョーコさんは和服を着て、おめかしをして出かけます。私は、モーニングコートかダークスーツです。しかし、モーニングを着る機会は、ほかにありません。結婚式と成人式だけでしょうか。タキシードでも羽織袴でもよいですが、私は着ることがないので。
中根先生がおっしゃる「資格が共通するつながり」が、もっとあればよいのですが。