カテゴリーアーカイブ:社会の見方

合羽王ユーグ・カペー

2022年5月12日   岡本全勝

日経新聞連載、佐藤賢一さんの「王の綽名」、4月30日は「合羽王 フランス王ユーグ」でした。「青歯王 デンマーク王ハーラル1世

ユーグ・カペーは、フランス史で習います。カペーは、カッパのことだったのですね。日本語のカッパは、ポルトガル語から来ていますが、元は同じです。家名はロベールなので、本名はユーグ・ロベールなのです。

本人はぱっとしない王様だったようですが、子孫はカペー朝、ヴァロア朝、ブルボン朝と、800年も続いたのです。
フランス革命でルイ16世が廃位されたあとは、ルイ・カペーと呼ばれたのだそうです。へえ・・。

二つの産業政策、キャッチアップ型と開拓型

2022年5月11日   岡本全勝

4月27日の日経新聞経済教室、矢野誠・経済産業研究所理事長の「分配と成長、高質な市場カギ 「新しい資本主義」の課題」が勉強になりました。

・・・誰もが自由に参加できる市場があり、工夫や熱意、想像力や創造力が生かされて技術開発が起きる。そうした民間活力でけん引された代表例がIT(情報技術)革命である。
とはいえ、個々の経済主体の意欲だけでは実現できない技術開発もある。その場合、初期投資の段階で研究開発や技術習得を促進する産業政策が必要になる。

古典的な産業政策は先進技術へのキャッチアップを目的とした。独立戦争直後の米国をリードした政治家アレクサンダー・ハミルトンが、保護なしには英国の先端技術に追いつけないとしたのが始まりとされる。20世紀半ばには、先端技術の学習期間短縮に向けた産業政策理論が確立し、日本の高度成長を裏打ちした。技術に大きな差があることや一定程度の市場があることが成功の条件だろう。

第2次世界大戦以来、先端技術の開発や経済構造の転換を目指す「開拓型」ともいうべき新しい産業政策が採用されるようになった。それまではワットの蒸気機関やフォードのベルトコンベヤーなど、多くの本源的技術が私的な生産活動で生み出された。それが第2次大戦期に転換され、政府主導により原子力エネルギーやコンピューターなどが開発され、戦後に有人ロケットやインターネットなどに継続された。
最先端技術の開発は、初期段階で大規模な固定費を必要とし、民間に任せていては成功しない。経済構造の転換も同じ問題がある。1960年代には根岸隆氏(日本学士院会員、東京大学名誉教授)により、収穫逓増の視点からこの問題に精緻な数学的定式化が与えられ、開拓型産業政策の基礎が作られた。それが成功するには、将来のニーズへの高い洞察力が不可欠だ・・・

記事には、「産業政策の昔と今」という表題で、キャッチアップ型と開拓型の違いが表になっています。わかりやすいです。

価値観共有が支える世界経済秩序

2022年5月10日   岡本全勝

4月22日の日経新聞、ファイナンシャルタイムズ記事の転載、ラナ・フォルーハーさんの「世界経済秩序の刷新を 米国は「価値観の共有」重視」から。

「新自由主義」という言葉が最初に使われたのは、1938年にパリで開かれた会議で、経済学者やジャーナリスト、実業からが集まって、世界の資本主義をファシズムや社会主義から守るための方策を議論しました。
当時は、ヨーロッパは第一次世界大戦でずたずたになります。社会に深刻な分断が生まれ、労働市場や家族構成も変化しつつありました。スペイン風邪が世界的流行をし、インフレ、そして大恐慌です。貿易戦争で経済が壊滅します。

当時の新自由主義は、世界の市場をつなげることでこれらの問題を解決しようとしました。自由放任主義ではなく、新しい枠組みを提示したのです。それが実現したのは第二次世界大戦後ですが、それが半世紀以上にわたり機能しました。
しかし、この枠組みを利用しつつ、違う考えの国、中国が大きくなって、「一世界二制度」になっています。当時と現在とよく似た状況にあります。そして、経済を円滑に発展させるには、仕組みとともにそれを支える価値観の共有が重要だということが分かります。

曽我豪記者の振り返り

2022年5月9日   岡本全勝

4月8日の朝日新聞「日曜に想う」、曽我豪・編集委員の「国会の「抑止力」伝承されるか」がよかったです。本論もよい分析なのですが、ここで取り上げるのは裏に隠された第二の主張です。

冒頭は、次のように始まります。
・・・戦後日本の安全保障の歴史を画したその記事は、拍子抜けするほど小さい。30年前の昨日、1992年5月7日付の朝日新聞朝刊(東京本社発行最終版)は1面でなく2面に3段の見出しを立てる。
「PKO法案 『自公民で成立も』 小沢氏、同日選挙は否定」・・・
最後の部分で、もう一つ指摘します。
・・・最後にもう一つ。30年前の昨日の2面を縮刷版で見直して驚いた。小沢氏の記事の右隣に4段の見出しがある。後に生じた衝撃を思えば、やはり小さ過ぎる。
「細川前熊本知事が新党 『自由社会連合』 参院選へ候補者擁立」・・・
そして最後を次のように締めます。
・・・課題に向かう敏感さを欠く者は退場するほかない。激動期の政治の怖さだ・・・

二つの大きな転換について、当時の朝日新聞記事が小さいことを振り返った「朝日新聞の自己批判」が秀逸だと思います。

スマホ使用による脳の低下

2022年5月8日   岡本全勝

4月23日の読売新聞夕刊「もの忘れを防ぐには? 計算や読書で脳活性化」から。

Q 人の名前を思い出せないことが多くて困ってるの。
ヨミドック 加齢による「もの忘れ」かもしれませんね。年を取ると、脳内の記憶を呼び起こす前頭葉の機能が落ちて、過去に覚えたことを思い出しにくくなります。

Q 前頭葉?
ヨ おでこの裏側あたりにあります。「脳の司令塔」とも言われ、脳内に記憶を取り込んだり、呼び起こしたりする働きをしています。

Q 認知症の心配はない?
ヨ 認知症は、記憶の取り込みのほうがうまくいかなくなります。たとえば、朝食について聞かれても、食べたこと自体を覚えていません。
加齢によるもの忘れは、記憶を呼び出す力が落ちているので、食べたことは覚えていても、何を食べたのか思い出せません。高齢になると、どちらのリスクも高まります。

Q 若いのに、もの忘れが増えたという知人がいるわ。
ヨ スマートフォンの使いすぎによるものかもしれません。東北大加齢医学研究所の実験では、スマホで言葉を検索したり、メッセージをやりとりしたりする間、前頭葉の血流が乏しく、働きが抑制されているとわかりました。能動的に調べることや、漢字を思い出すことなど、前頭葉が本来行う作業をスマホに任せているためだと考えられます。
その状態で大量の情報を目にし続け、脳が疲労すると、若い人でも認知症と似たように、脳内に新しい情報を取り込みにくくなる可能性があります。スマホを使わない時間を意識して作りましょう。