価値観共有が支える世界経済秩序

4月22日の日経新聞、ファイナンシャルタイムズ記事の転載、ラナ・フォルーハーさんの「世界経済秩序の刷新を 米国は「価値観の共有」重視」から。

「新自由主義」という言葉が最初に使われたのは、1938年にパリで開かれた会議で、経済学者やジャーナリスト、実業からが集まって、世界の資本主義をファシズムや社会主義から守るための方策を議論しました。
当時は、ヨーロッパは第一次世界大戦でずたずたになります。社会に深刻な分断が生まれ、労働市場や家族構成も変化しつつありました。スペイン風邪が世界的流行をし、インフレ、そして大恐慌です。貿易戦争で経済が壊滅します。

当時の新自由主義は、世界の市場をつなげることでこれらの問題を解決しようとしました。自由放任主義ではなく、新しい枠組みを提示したのです。それが実現したのは第二次世界大戦後ですが、それが半世紀以上にわたり機能しました。
しかし、この枠組みを利用しつつ、違う考えの国、中国が大きくなって、「一世界二制度」になっています。当時と現在とよく似た状況にあります。そして、経済を円滑に発展させるには、仕組みとともにそれを支える価値観の共有が重要だということが分かります。