カテゴリーアーカイブ:社会の見方

日本語教育、品詞を色分け

2024年2月4日   岡本全勝

1月22日の朝日新聞夕刊「凄腕しごとにん」は、江副隆秀さんの「「見える日本語」学んだ外国人2万人超」でした。

・・・多くの外国人にとって日本語のハードルは高い。米国務省は「英語話者には最も習得が難しい外国語」に分類している。ラテン系やゲルマン系の言語とは構造が全く違う。ひらがな、カタカナ、漢字の3種類の文字を併用。そのうえ「助詞」の使い分けが日本人でも迷うほど複雑だからだ。
そこで取り組んできたのが「日本語の見える化」。日本語の文章を「情報」と「述部」、その二つをつなぐ「助詞」の三つに分解。同時に、名詞や動詞、助詞など各品詞を色分けしてカードにした。
例えば「学校へ行く」だと、情報の部分は「学校」で、黄色の名詞カード。述部は「行く」で、緑色の動詞カード。その間に白色の助詞カードの「へ」を挟む。

日本語教育では戦前から「助詞は的確な定義ができない」として、大量の例を反復練習する「文型教育」が主流だった。
江副さんは、助詞ごとの意味を突き詰めてさまざまな図形にした。例えば「へ」は、目的地に向かう意味を込めて矢印の形。「に」は「学校に行く」という方向だけでなく、「学校にいる」「9時に出る」など場所や時間のポイントを表す際にも使われるので三角形にした。
工夫を凝らしたのがドーナツ状の「で」のカード。穴に電車の模型を通らせながら「電車で行く」と教える。手段の意味だ。穴から城の模型を見せて「お城で寝る」。こちらは場所の意味になる・・・

なるほど。

思い込みを変える

2024年2月2日   岡本全勝

日本社会にしみこんだ通念。ふだんは気がつきませんが、何かの事件や出来事で、そのおかしさに気づくことがあります。

1月22日の日経新聞夕刊、歌人・枡野浩一「父と子の記憶」に、次のような話が載っています。
・・・米国のボルチモア国際黒人映画祭で、日本人監督として初の最優秀長編国際映画賞とオスカー・ミショー賞のW受賞をした武内剛監督は、古い知り合いである・・・
「ぶらっくさむらい」という名で芸人をしていたとき、一番印象に残るネタは「武内剛という本名でアルバイトに応募したが、いざ職場に行くと、アフリカ系黒人の見た目を持つ青年を見た年配の店長夫婦が慌てふためいてしまう」という内容だった。
枡野さんは、「笑いながら、笑って大丈夫なんだろうかと心配になった」そうです。

もう一つは、日本航空の次期社長です。客室乗務員出身の鳥取三津子専務が内定しました。報道でも紹介されていますが、これまでにない人事です。
「鳥取氏は福岡県出身で、長崎県の活水女子短大英文科を経て、1985年に東亜国内航空(後の日本エアシステム〈JAS〉、04年にJALと経営統合)へ入社。CAを長く務め、客室本部長などを経て、現在はグループCCO(最高顧客責任者)を務めている。」ダイヤモンドオンライン「JALに初のCA出身・女性社長が誕生!

「これまでの思い込みを打破する人事だ」と、私と同年代の人が次のように解説してくれました。
・日本を代表する企業、かつては国策会社であった日本航空の社長に、女性が就任すること
・客室乗務員出身であること
・短大卒であること
・日本航空生え抜きでなく、合併された東亜国内航空出身であること

夏に稼ぐスキー場

2024年2月2日   岡本全勝

朝日新聞夕刊連載「現場へ!スキー場経営のいま」、1月29日は「絶景いかし、夏にも儲ける」でした。北アルプスのふもと、長野県白馬村にある「白馬岩岳スノーフィールド」が舞台です。

スキーの国内市場は縮小し、同スキー場は2016年に記録的な少雪の影響を受け、前季は11万9千人だった冬季の来場者が約7万7千人に落ち込みました。
しかし、昨季の冬季が12万人、春から秋(4月から11月)は22万人でした。雪のない時期に稼いでいるのです。
山頂の展望台から標高3千メートル近い白馬三山などの山容を眺められることが、売りです。逆転の発想と言ったらよいのでしょうか、経営を立て直した手法は、記事をお読みください。

デジタル国際収支、5兆円の赤字

2024年1月30日   岡本全勝

1月16日の日経新聞1面連載「昭和99年 ニッポン反転(11)」は「デジタル小作人、米に貢ぐ5兆円 稼ぐ日本「壊」より始めよ」でした。

クラウドなどアメリカの情報産業への依存が高まり、日本の国際収支は5兆円を超えます。デジタル化を進めるほど、アメリカ企業への支払いは増えます。記事ではそれを「デジタル小作人」と表現しています。

・・・クラウドの草分けは米アマゾン・ドット・コム。リスクを取って赤字覚悟の投資を重ね、コンピューターサービスの新市場を創出した。01年にはメインフレーム(大型汎用機)で世界シェア4割を握っていた日本の影はもはやゼロに近い。
日米の明暗を分けた誤算は何か。変化の速さというデジタルの本質を見失った点にある。マサチューセッツ工科大学のマイケル・クスマノ教授は「日本はソフトウエアを製造業として捉えてしまった」と指摘する。

米企業はサービスを運用しながら顧客と対話を重ね、失敗をいとわずに自らの意思と知恵で新たなサービスを素早く作り変えていく。対照的に日本はIT(情報技術)企業が顧客から丸投げされた提案を、忖度しながら作り込む。
顧客に納める以上、ミスは許されない。綿密に擦り合わせるため、時間がかかり技術は陳腐化する。失敗を避けるもたれ合いの構造が生まれ、進化を阻んだ。
オランダの社会心理学者ヘールト・ホフステード博士が開発した国民文化を測るモデルがある。日本は不確実性を回避する傾向がロシアなどに続いて高く、世界で2番目に完璧さを好む国だ。逆に変化を恐れない傾向が顕著だったのは北欧。デジタル競争力ランキングの上位に名を連ねる・・・

海外に増える和食店

2024年1月26日   岡本全勝

2023年の海外における日本食レストランは約18.7万店で、2021年の約15.9万店から2割増だそうです。農水省資料「海外における日本食レストランの概数」(2023年10月13日)

2006年には2.4万店でした。2013年に5.5万店、2017年に11.8万店、2019年に15.6万店と急速に増えています。地域別では、北米28,600店、欧州16,200店、アジア122,000店です。
フランス料理店や中華料理店は、世界にどれくらいあるのでしょうね。