カテゴリーアーカイブ:社会の見方

会社で初の賃上げ

2024年3月3日   岡本全勝

2月28日の日経新聞に「モスフードサービス、初のベア実施 定昇含め8%賃上げ」という記事が載っていました。
・・・モスフードサービスは27日、4月に正社員や嘱託社員約650人を対象に賃上げを実施すると発表した。ベースアップ(ベア)の実施は記録が残る限り今回が初めてとしている・・・

よい話だと思いつつ、ベースアップが記録に残る限り今回が初めてということに驚きました。日本では30年間にわたって給料が上がらなかったのですから、このような会社は多いのでしょう。給与担当者も、前例がないので困るでしょうね。

70歳以降も働く、39%

2024年2月27日   岡本全勝

2月19日の日経新聞1面に「70歳以降も働く、最多39% 将来不安「経済」7割、「健康」上回る」が載っていました。

・・・日本経済新聞社は2023年10〜11月に郵送で世論調査をした。働き方・社会保障に関する質問で何歳まで働くつもりか尋ねたところ、70歳以上の回答が39%で、18年の調査開始以来最も高かった。将来不安に感じることは7割が「生活資金など経済面」をあげた。
何歳まで働くかを聞くと「70〜74歳」が21%、「75歳以上」が18%。「75歳以上」に限っても18年調査よりも5ポイント高く、調査を始めてから最高を記録した・・・

収入は欲しいですが、それ以上に、生きがいとして働くことのできる場所が欲しい人も多いと思います。

ただし「長く働くための技能向上」は14%でしかありません。これは2018年の調査以来横ばいで、働き続ける以降は多くなっても、そのための技能を身に付ける意欲は高まっていません。
どのような技能をつけたらよいのか、多くの人は分からないのではないでしょうか。リスキリング(学び直し)という言葉が流行っていますが、内容が良く分からないのです。IT(情報通信技術)とかDX(デジタルトランスフォーメーション。これは日本語にすると何というのでしょうか)が重要と報道は騒ぎますが・・・。

「威徳輝宇宙」

2024年2月24日   岡本全勝

清酒瓶に貼ってあるラベル、「酒票」と呼ぶのだそうです。「日本酒ラベル そのデザイン変遷の歴史」に書いてありました。この記事も、なかなか深遠なものがあります。

そこに、しばしば威勢のよい語句が書いてありますよね。「名声轟四海」「名声響世界」とか。すごいのを見つけました。石鎚酒造の「石鎚 純米吟醸 緑ラベル」です。
拡大すると読めるのですが、「威徳輝宇宙」です。
これまでに見たものは、せいぜい世界でしたが、これは宇宙まで広がっています。

かつて徳島県に勤務したとき、ぶどう饅頭という名物を知りました。その宣伝文句も、気宇壮大でした。「海越えて ほめられに行け ぶどう饅頭」です。
しかしこれも、宇宙までは届きませんね。

国家ブランド指数、第1位

2024年2月23日   岡本全勝

2月9日の日経新聞「私見卓見」は、ナンシー・スノー、カリフォルニア州立大学フラトン校名誉教授の「日本はブランド力を生かせ」でした。

・・・アンホルト―イプソス社が毎年発表している「国家ブランド指数」で、昨年、日本が初めて60カ国中1位となった。このランキングは世界的にどのように認識されているかによって各国をランク付けするもので、フランスの市場調査会社イプソス・グループが6万人以上を対象に実施したインタビューに基づいている。
国家ブランドとは、単にその国の良い評判のことだ。特定の企業や人に良い評判や悪い評判があるように、国にも良い評判や悪い評判がある。日本の国家ブランドの将来性は高まっている・・・

日本が総合ランキングで1位になったのは、製品の信頼性と他国にはない魅力です。世界経済のリーダーという項目でも、総合2位です。
もっとも、スイスのビジネススクールIMDが毎年発表する「世界競争力ランキング」では35位です。政府とビジネスの効率性、上級管理職の国際経験、語学力、デジタル技術力が最下位に近いようです。

製品の信頼性が高いのはよいのですが、性能偽装のニュースが続くようでは、これも危ないです。

日本のGDPが世界4位に

2024年2月21日   岡本全勝

内閣府が、2023年の国内総生産の数値を公表しました。各紙が「ドイツに抜かれた」と伝えています。
・・・2023年の国内総生産(GDP)は、物価の影響をふくめた名目GDPが前年より5・7%増え、591・4兆円だった。米ドルに換算すると1・1%減の4・2兆ドルで、ドイツ(4・4兆ドル)に抜かれて世界4位に転落した。1968年に西ドイツ(当時)を追い越して以来、55年ぶりに日独が逆転した・・・「日本GDP、4位に転落 円安響きドイツ下回る」2月16日の朝日新聞。

報道では、第4位に転落したことを強調していますが、問題はそこではありません。ドイツの人口は8000万人余りで、1億2000万人の日本の3分の2です。すなわち、一人あたり国内総生産では、日本はドイツの3分の2なのです。それは、個人の豊かさと言い換えることができます。

2月17日の日経新聞5ページに、「物価を考える 名目GDP600兆円」という記事が載っていて、各国の名目GDPの伸びがグラフで出ていました。
このグラフでは、1993年を起点に100として、日本やアメリカ、ヨーロッパ先進国の名目GDP(自国通貨建て)の伸びを示しています。アメリカ、イギリスは3倍以上、フランス、イタリア、ドイツが2倍以上、日本は横ばいです。毎年2~3%程度の伸びがあると、30年間でこれだけの差が出るのです。日本だけが独自の道を歩んでいます。

30年間とは結構長い時間です。どこに問題があったのでしょうか。昭和後期に奇跡のような高度成長を遂げ、ジャパン・アズ・ナンバーワンと言われて自慢していたのに。
数字では見えない、悪いことがあります。企業はリストラという名の下に社員を解雇し、非正規や派遣社員に置き換えました。役所も行政改革の旗印の下、職員を非正規職員に置き換えました。そして、就職氷河期、年越し派遣村、子どもの貧困、結婚できない若者という言葉に象徴されるような、不安な社会を作ったのです。子どもの数が減るのも、これが大きな要因でしょう。
数字の上では横ばいですが、正規と非正規の間の格差、社会の分断を生んでいるのです。社会は悪くなっています。