4月30日の河北新報「トモノミクス」に、青柳光昌さんのインタビューが載っています。
・・・東日本大震災で芽生えた企業の復興CSR(企業の社会的責任)は、熊本地震でどう生かされたのか。日本財団の職員として、二つの大災害で企業と被災地の橋渡し役を務めた社会的投資推進財団(東京)の青柳光昌代表理事に聞いた・・・
・・・初動は東日本大震災に比べ、格段に早かった。災害に対する企業の準備や構えのレベルは上がっている。水や食料、生活必需品を被災者に届けることに議論の余地はない。災害支援はCSRの柱になっている。
問題はその次の復旧、復興期の段階。企業が本業を通し、支援を続けられるかどうかが問われている・・・
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社会
場の提供者の責任
4月27日の朝日新聞オピニオン欄、津田大介さんの「「場」の提供者、問われる倫理」から。
・・・4月初旬、生後6カ月の男児が蜂蜜入り離乳食を摂取したことで「乳児ボツリヌス症」を発症、日本初の死亡事例となった件で日本最大のレシピサイト「クックパッド」に非難の声が集まった。国や自治体が母子手帳や乳児健診で1歳以下の乳児に蜂蜜を与えてはいけないと注意喚起していたにもかかわらず、同サイト上に蜂蜜を使った離乳食レシピが約140件も掲載されていたからだ。
クックパッドのIR資料によると、月次利用者数は6327万人。実に日本人の2人に1人が日常的に利用していることになる。それだけ影響力の大きなサイトに、一部とはいえ人体に危険を与える情報が掲載されていたわけだが、同社に法的責任を問う声は聞こえてこない。彼らは一般市民がレシピ情報を投稿する「場」を提供している存在――「プラットフォーム事業者」に過ぎないからだ。同社の利用規約には「本サービスの利用により発生した利用者の損害については、一切の賠償責任を負いません」と記載されている。レシピの利用はあくまで閲覧者の自己責任で、という立場だ。
だが、蜂蜜を使った離乳食レシピがもし書籍、あるいは新聞に掲載されていたら大問題になったはずだ。通常、大手出版・新聞社には情報が正しいか確認する「校閲」という部署がある。レシピのように専門性の高い分野では、管理栄養士などの専門家が監修を行うのも通例だ。普段我々が意識することは少ないが、雑誌や新聞の定価にはそうした「情報の検証コスト」も含まれている・・・
情報を商品ととらえるなら、個別の情報はそれを書いて発信した人が、「売り主」としての責任をもつことになります。その情報が正しいのか間違いなのか、賛成か反対かも、買い手である読者が、判断することになります。では、それを並べる場所を提供した人は、どこまでその「商品」に責任を持つのか。
他方で、場の提供者が過度な「情報統制」をしたら、自由な発言が制限されます。難しい問題です。技術の進歩と多くの人が利用できるようになることで、新しい問題が出てきます。原文をお読みください。
ニワトリと日本人の歴史
NHKカルチャーラジオ、4月からの「ニワトリはいつから庭にいるのか 人間と鶏の民俗誌」が面白いです。私は、「テキスト」を読んだだけですが。
その名のとおり、人間(日本人)とニワトリとの歴史です。かつては、鶏肉を食べるためでなく、時を告げるため、闘鶏をすることが、主だったのだそうです。天然記念物なのに食べても良いとか、人口をはるかに上回る数のニワトリが飼われていることとか。へ~、と思うことがあります。
自衛隊の働き方改革、やればできる
今日紹介するのは、4月21日の日経新聞夕刊の「働き方改革 自衛隊も」です。
・・・いまは政府も民間企業も働き方改革が花盛り。少子化で人手不足に悩む自衛隊もそこは同じだ。女性が生き生きと働き、子育てもできる――そんな職場づくりに取り組んでいる。自衛隊は総勢23万人弱と、トヨタ自動車の単体ベースの従業員の約3倍に達する巨大組織。陸海空の現場でどんな改革をしているのか・・・
自衛隊といえば、屈強な男の職場を思い浮かべます。家庭に妻と子どもを残してと。ところが、女性自衛官も増えて、女性や母親も働ける職場に変わりつつあるのです。航海に出たら何日も戻らない海上自衛官はどうするのか。職場の工夫をお読みください。
中途採用の増加
4月24日の日経新聞に、「中途採用今年度11.8%増」という記事が載っていました。日本経済新聞社が、主な企業の採用計画をまとめたものです。調査対象は4,700社あまり、回答企業は2,536社です。
それによると、2018年春の採用計画は、大卒が11万4千人、高卒などをあわせて16万4千人です。それに対し、中途採用は4万人あまりです。単純に比較すると、新規学卒採用4に対し、中途採用が1の割合になります。
記事では、その原因は人手不足と、先進技術に対応するための即戦力を求めているとのことです。
日本の労働慣行では学卒一括採用が主でしょうが、中途採用が増えると、終身雇用制度が緩くなる=転職がしやすくなるでしょう。その職場に向いていないと感じても、退職すると次の就職先がないので我慢するといった「不幸」が減ると思います。