カテゴリー別アーカイブ: 世界

ASEANの頼れる「級友」に

6月9日の読売新聞、相沢伸広・九州大比較社会文化研究院教授 の「東南アジア外交 ASEANの頼れる「級友」に」から。

・・・日本がASEANに「選ばれる」最大のメリットは経済面です。東南アジアの経済成長は日本経済に直結する死活問題だからです。東南アジアから見て、日本が「助けたい国」、「選びたい仲間」と認知されるかが重要なポイントとなります。

ASEAN各国の政治家や官僚などの政策コミュニティーには30~40代が多く、彼らの景色には、1980年代のように日本を「仰ぎ見る」形式は全くありません。非常にフラットに、「クラスメート」の一人として日本を見ているように感じます。

現時点では、日本は大変人気のあるクラスメートとしての地位を得ているのは確かです。継続的な支援に加え、カンボジア和平、97年の通貨危機対応などへの功績で、「日本は決して合意を 反故ほご にしない」「困ったときには助けてくれる」という信頼と期待は確実に醸成されています・・・

世界で最も魅力的な国

6月1日の日経新聞に、「海外客の消費額、過去最高に」が載っていました。詳しくは記事を読んでいただくとして。世界で最も魅力的な国の順位が載っています(アメリカの大手旅行雑誌によるとのこと)。
なんと、日本が第1位です。以下、イタリア、ギリシャ、アイルランド、ニュージーランド、スペイン、ポルトガル、イスラエル、ノルウェー、スイスです。旅行に求める興味は人様々なので、意見は分かれるでしょう。なぜ、日本が一位なのでしょうね。

外国人観光客に人気の観光地の順位も載っています。1位は、東京都江東区のチームラボプラネッツだそうです。私は知りません。
2位が京都の清水寺、3位が京都の侍忍者ミュージアム、4位が京都の伏見稲荷、5位が東京スカイツリーとのこと。

韓国語にある罵倒語

6月1日の朝日新聞オピニオン欄、金承福さんの「怒りの会見、罵倒語が浮き彫りにした膿」から。この欄は、韓国文化を紹介するようです。

・・・日本語で、韓国語との違いを感じることの一つは、「ヨク(ハングル表記)」がないこと。ヨクは悪口などと訳されますが、罵倒語も指します。

韓国で先日、このヨクに満ちた記者会見が話題になりました。K―POPグループ「NewJeans」が所属する会社「ADOR」のミン・ヒジン代表が2時間以上にわたって開いた会見です。ミン代表は、その直前に、ADORの親会社であるHYBEとの内紛が表面化しており、厳しい批判にさらされていました。
会見で、ミン代表は「ケジョシ(ハングル表記)くそ親父」などと罵倒しながら、自身に対する不当な扱いやK―POP界の問題点を訴えました。
ミン代表は女性ですが、もし日本の会見で、とくに女性がこんな発言をしたら内容以前に、言葉づかいを非難する声が高まったことでしょう。ところが韓国では会見後、世論が反転。「本気で仕事をしているからこその怒りだろう」と共感する人が増えたのです。

韓国では昔から、女性でも罵倒語を使うのが当たり前。女性作家、朴景利(パクキョンニ)が26年にわたって執筆した壮大な大河小説「土地」(邦訳はクオン刊)にも罵倒語があふれています。有名なのが、主人公の少女が家族の財産を奪われた際に登場する「八つ裂きにして、飢え死にさせてやる」という台詞。実際の、韓国語のニュアンスはもっと激しい。日本語に翻訳するのは至難の業で、罵倒語の中には省略せざるを得ない部分もあったそうです・・・

へえ、そうなんですね。お隣の国でも、知らないことが多いです。

トランプ氏裁判、陪審員の顔ぶれ

アメリカの前大統領トランプ氏が陪審員による裁判で有罪になったことを、各紙が大きく報道していました。5月31日の日経新聞「トランプ氏裁判、評議開始 陪審員12人、全会一致で結論」に、陪審員12人の顔ぶれが紹介されています。詳しくは記事についている表を見ていただくとして。男女の別、職業、日常の情報源や発言が載っています。

陪審員長は、営業職の男性、ニューヨーク・タイムズやFOXニュースを見ているとのこと。FOXニュースは、共和党寄りだったと思います。
そのほかの人たちは、投資銀行員の男性、企業弁護士の男性、情報エンジニアの男性、英語教師の女性、情報エンジニアの女性、法務担当の男性、元ファンドマネジャーの男性、言語聴覚士の女性、ネット販売企業社員の男性、アパレル企業勤務の女性、理学療法士の女性たちです。
ニューヨーク・タイムズやワシントン・ポストを読んでいる人が多いですが、SNSは使わない(企業エンジニア)人もいます。

非国家組織、2億人支配

5月31日の日経新聞1面連載「Polar Shift サウスの論理(5)」は「非国家組織 世界揺るがす 2億人支配、旧秩序に牙」でした。

・・・「無政府状態に陥り、ハマスが再び台頭する可能性がある」。ブリンケン米国務長官は5月12日、パレスチナ自治区ガザでイスラム組織ハマスを攻撃するイスラエルに懸念を示した。
イスラエルはハマス壊滅を誓うが、戦闘終結後に誰がガザを統治するのか明確にしていない。後ろ盾の米国は、戦後構想なきガザでハマスが支配者に居座り続けるシナリオを恐れる。
ガザ住民も国際的に認められたパレスチナ自治政府ではなく、ハマスに頼る人が多い・・・

赤十字国際委員会の推定では、国家ではない武装組織の支配下で暮らす人々は2023年夏時点で世界に1億9500万人だそうです。450以上あるこうした武装組織のうち、41%が徴税し、25%が司法・紛争解決の仕組みを持ち、16%が医療を提供しているそうです。
日本の室町時代、幕府が任命した守護の統制が及ばず、力のあるものが地域を支配したようなものでしょうか。