6月26日の朝日新聞夕刊、アレックス・ゴドイ、チリ・デサロージョ大学サステイナビリティー研究センター所長の「お弁当にもトレカにも、日本の使い捨てプラ」から。
・・・南米チリの環境専門家で、プラスチック汚染や気候変動などの会議に出席してきたアレックス・ゴドイさんが今年2月、家族で日本を初めて訪れ、休暇を満喫しました。ただ、驚いたのは、日常生活であまりにも多くの使い捨てプラスチックが使われていること・・・
・・・チリや欧米と比べて、日々の生活の至る所で使い捨てプラスチックが使われていることに大きなショックを受けました。
旅行中、電車内で食べるためにマグロ丼のお弁当を駅のそばで買いました。本物の木箱のように見えるすばらしい容器に入っていましたが、幾層にもわたる使い捨てプラスチックを組み合わせた容器でした。保冷剤に、おしぼり、割り箸の袋、小分けのしょうゆなど、他にも使い捨てプラスチックが多く使われていました。
それだけではありません。
スーパーマーケットでは、バナナやリンゴなどの果物が、個別にプラスチックトレーに載せられた上でさらにラップでくるんで包装され、コンビニではクッキー1枚、おにぎり1個の単位で個別にプラスチック包装されて販売されています。特に、しょうゆやマヨネーズ、サラダドレッシングなどがとっても小さなプラスチックの袋に入れられていて、毎食ごとに多用されています。
アニメグッズのお店に行くと、キーホルダーやトレカのような小さなモノまでプラスチックで幾重にも包装され、それらは、小袋にいれられ、店名やブランドが書いてあるショッピングバッグに入れられて手渡されます。
見せ方と衛生管理という意味でとても感心しつつも、使い捨てプラスチックの使用量があまりにも多すぎると思いました。日本のすばらしい企画力を、よりサステイナブルな代替策に振り向けてはどうでしょうか・・・
・・・日本は特異な立場にあります。
1人あたり年間30キロ以上を使い、国内で年間900万トン以上を生産する、世界有数のプラスチック消費国です。
この数値は、単に工業力を反映した結果ではありません。すでに述べたように、日本の「包装文化」に深く根付いた消費行動を反映しています。日本において、包装は単なる付属物ではなく、製品体験の不可欠な一部であり、洗練された美的感覚から厳格な衛生基準に至るまで、効率・尊重・視覚的調和という文化的価値を体現しています。この文化は、コンビニエンスストアの普及、丁寧に包まれた贈答品、個包装製品の構造的な好みによってさらに強化されている。私はそう、滞在中に確信しました・・・