カテゴリーアーカイブ:私の読んだ本

鹿島茂先生、書棚の風景を売り物にする

2020年9月26日   岡本全勝

9月17日の日経新聞夕刊「こころの玉手箱」鹿島茂さんの「ブックエンド」から。鹿島茂先生については、このホームページで、古書集めのすごさを紹介したことがあります。
先生が集めた、フランスの古書。とんでもないお金がかかった成果ですが、それを並べた書斎が、レンタル・スタジオとして家賃を稼いでいるそうです。確かに、日本で洋書が並んだ書棚はそうはないでしょうから、売れるでしょうね。
松原隆一郎先生の書庫を見せてもらって、うらやましく思ったことがあります。

ところで、書棚で、気になることを思い出しました。
一つは、先日開所した、東日本大震災・原子力災害伝承館です。導入の映画の背景に、書物が並んだ書棚が写ります。それが、すべて洋書なのです。なぜ、福島の紹介に洋書なのですかね。
ちなみに、そのあと背景は変わり、言葉が並びます。それもすべて英語です。見学に来た子どもたちは、どう思うでしょうか。この映画を作った人たちは、誰を観客に想定して作ったのでしょうか。次回見直しの際には、日本語、それも子どもにもわかる言葉にしてください。

もう一つ、自民党総裁室の総裁の後ろの書棚です。これも、整然とした背表紙が並んでいます。整然としすぎて、この本は何なのだろうかと、疑問に思います。

翻訳の難しさ

2020年6月20日   岡本全勝

先日から、ある本を読んで、難儀しています。別の本に引用されていたので、中古本をアマゾンで買って、読み始めました。原書は英語で、大学教授(Aさん)が翻訳された本です。
ところが、読みにくいのなんの。一つの文章が長い、修飾語が多くどれが主語かわかりにくい。で、文章の意味を理解する以前に、日本語として頭に入らないのです。久しぶりです、こんなに苦労するのは。普通なら、すぐに投げ出すのですが。「ひょっとして、もう少し読むと霧が晴れるのでは」と、苦行を続けました。

同じ著者の別の本を翻訳された先生(Bさん)を知っていたので、質問しました。B先生が訳された本は、日本語としては読みやすいです。文章は、なぜこのように議論が展開するのか、疑問なところも多いのですが。
B先生によると、原文もクセがあり、読解が難しいのだそうです。翻訳に際しては、直訳ではどうにもならないので、意味を理解しつつ、自分の表現に置き換える、という作業が必要不可欠とのこと。
なるほど、そんなご苦労があったのですね。

読まないうちに新版が出る

2020年6月10日   岡本全勝

本を買って積ん読にしておくと、新版が出ることがあります。悲しいですね。

連載執筆のために「現代日本人の意識構造 第八版」(2015年、NHKブックス)を引っ張りだしました。この調査は5年ごとに行われるので、「ひょっとして」と調べたら、第九版(2020年)が出ていました。吉川徹著『学歴と格差・不平等』(2006年、東京大学出版会)は、増補版(2019年)が出版されていました。

文庫本になって(寝転がって読むには)読みやすくなり、かつ解説もついている場合があります。解説があると、その本の位置づけがわかって、理解しやすいのですよね。
小坂 敏晶著『責任という虚構』(2008年、東京大学出版会)は、ちくま学芸文庫で増補版が出ました。宣伝で見つけたリン・ハント著『フランス革命の政治文化』(2020年、ちくま学芸文庫)。買おうと思って、ちょっと待てよと本の山を探したら、単行本(1989年、平凡社)を買ってありました。ロナルド・H. コース著『企業・市場・法』も、ちくま学芸文庫になりました。
中古典を文庫で出してくれる、ちくま学芸文庫、講談社学術文庫、岩波現代文庫は、ありがたいです。

時間が経つのは、早いですね。
いずれも、「いつか読もう」と買って、積んどくだった本です。まあそれでも、これらは引っ張り出して読もうとしたことをもって、良しとしましょう。本の山の中には、忘れ去られた本が、たくさん眠っているのですから。

読めそうもないほど本を買う

2020年5月10日   岡本全勝

毎度おなじみの話題です。
肝冷斎が、読めそうもないのに、本をたくさん買っています。本の山の写真付きです。
彼の生息地である古本屋が営業自粛中なので、インターネットを使っているそうです。しかも、好きで買っていながら、私にその責任をなすりつけています。

といっても、私も人のことを批判できません。読んでいる本に引用されていたり、書評を見たりして、読みたい本が出て来ます。アマゾンで買うと、数日で届きます。
数ページ見ると満足して、本の山の上に積みます。私の場合は肝冷斎と違い、もう少しきちんと積み上げてあります。そうしないと、崩れてくるからです。

紀伊国屋新宿本店が、平日に限り再開しました。区立図書館の貸し出しが再開されると、うれしいのですが。
背徳の楽しみ、未読書の山

背徳の楽しみ、未読書の山

2020年4月7日   岡本全勝

4月4日の日経新聞読書欄「半歩遅れの読書術」は、米澤穂信 さんの「本の信用 どこで判断するか 略歴や参考文献にも目配り」でした。このコラムの趣旨は、表題の通りなのですが、ここで紹介するのは冒頭の1節です。

・・・乱読ほど楽しいことはない。知りたいという欲に身を任せ、自宅に眠る未読書の山のことなど忘れて、書店のレジに本を積む快楽は背徳的ですらある・・・

はい、おっしゃるとおりです。先月たくさん買ってほとんど読んでいないのに、書評を読んだら読みたくなって、また注文してしまいました。肝冷斎も、同感やろうなあ。