5日の読売新聞「団塊退職の衝撃」は、「7万時間どう使う」でした。定年退職から80歳までに、一日のうち家事睡眠に使う14時間を除いた、自由時間の合計です。小学校から大学までに受けた授業時間の、3倍とのことです。
実は、私はこのような「人生時間」に、びっくりしたことがあります。39歳でフルートを始めました。まさに、40の手習いです。みんなから「今から始めてどうするんだ」と笑われました。でも、60歳まで続けると、20年になります。小学校でピアノを始めた子どもが、大学卒業まで続けても、6+3+3+4=16年です。もちろん上達度合いからすると、柔軟な子どもの時と、指も頭も固くなった中年とは違います。でも、「使用時間」「消費時間」からすると、同じ1年です。
あることに毎日1時間を使うとして、1年で365時間。10年で3,650時間です。1日8時間に換算すると、456日分になります。学校だと2年分ですね。それを有効に使うか、浪費するかの違いです。もちろん、ゆったりと時間を過ごすことも貴重ですが。もっとも私のフルートは、その後、冬眠に近いです。
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生き様-生き方
2006.10.2
10月になり、官庁では衣替えです。と言っても、男性だけですが。クールビズから、ネクタイ姿になりました。クールビズは、すっかり定着しました。小泉改革の中で、最も評価の高いことの一つだと、私は考えています。「服装くらい、自分で決めればいいじゃないか」と思われるでしょうが、公の場では目上の人の前に、ノーネクタイでは出て行きにくいものです。上の人から変えてもらわないと。私のように、スーツでない=ジャケットと違う色のズボンの組み合わせだけで、「あんたはスーツ着ないのか」と聞かれる職場、商売ですから。
何を捨てるか
友人とのやりとりで、「全勝は、夏休みといっても、出かけて遊ぶとかゆっくり何もしないとか、できないのか」と指摘されました。はい。どうも貧乏人で、ゆとりある遊び方を知らないようです。職場では、時間の使い方が上手だと自慢しているのですが、プライベートではだめですね。何もしない休日とか、旅行してのんびりなんかは、できないようです。間違いなく、原稿か本を持ち込みますね。くたびれて寝ていることは、しばしばありますが。
子供の時、若いときは、そうでもなかったような気がします。年を取ってからの方が、いろんなことに追われているようです。手を広げすぎですね。何かを切り捨てないと、虻蜂取らずになってしまいます。本棚といい、自由時間といい、まだまだ切り捨てないといけないようです。
といったことを考えていたら、15日の日経新聞「地球回覧」に、夏休みに食事中、傍らに置いた携帯電話+携帯パソコンに何度もメールが送られてくるアメリカ企業の役員の話が載っていました。「毎日、仕事なのか休みなのか区分けが難しい。寝るとき以外は、常に仕事に追われている気がする」。もっとも、この人たちは仕事に追われているのであって、私の場合は仕事ではなく、自分で好奇心、副業を広げているのです。そして、彼らは数年で巨万の富を築くのに対し、こちらはお金は使うばかり。全然違いますね。
働く高齢者
6月30日に、2005年の国勢調査抽出速報が出ました。昨日の続きです。もう一つのポイントは、働く高齢者が22%だということです。日本はヨーロッパ先進諸国に比べ、異常に高いのです。フランス1.2、ドイツ2.9、イタリア3.4で、アメリカが14.4です。一様に、「諸外国では、仕事以外の人生の楽しみを見いだしている」と解説しています。それもあるのでしょう。また、「健康なうちは働かないと、怠け者に見られる」という説もあります。このほかに、「仕事が生き甲斐だ」「自分の居場所を確保したい」ということもあるでしょう。私の父がそうです。「もう隠居したら」という私の意見に、耳を貸そうとしません。家族も「仕事を取ったら、おじいちゃんはぼけてしまう」と言っています。
私も、労働とはいいませんが、元気なうちは社会に役立ちたいです。隠居という言葉にもあこがれているのですが。庭のない住まい、地域コミュニティに参加していない身としては、退職後、生き甲斐をどこに見いだすか。それが問題です。職員からは、「課長。退職後、福本補佐と一緒に職場に顔を出さないでくださいよ」とか「福本補佐と飲んでから、職員を呼び出さないでください」「昔の自慢話をしないでください。絶対するでしょ」と、今から防御線を張られています。
中高年の楽器入門
20日の日経新聞「セカンドステージ」に、「あこがれの音色、挑む50代」「売れる楽器、教室も盛況」が載っていました。「ピアノ、サックス、バイオリンなど誰もがあこがれる楽器の演奏や弾き語り。・・挑戦する中高年が増えてきた。50代からの楽器入門を・・」。
へっへへ、小生は11年前、39歳でフルートを始めました(表紙の似顔絵)。最初はヤマハ音楽教室に通って、ごくごく基礎を教えてもらいました。しかしその後、記事の中にあるように、やはり独学では上達しませんでした。富山でグループに入れてもらって、少しはましになりました(本人にとっては長足の進歩です)。その後、東京に戻ってまた一人になり、時間もとれなくて退歩の一途をたどっています。
記事の中に、「楽器別人間学」が表になっていました。フルートは、クールでどことなくクリスタルなイメージ。トロンボーンは、飲んべえ多し、のんきなタイプで誰からも愛される、などなど。うーん、当たっているような、そうでないような。他の楽器も載っているので、ご覧下さい。