カテゴリー別アーカイブ: 生き方

生き様-生き方

長谷川真理子「私が進化生物学者になった理由」

長谷川真理子著「私が進化生物学者になった理由」(2021年、岩波現代文庫)をお勧めします。長谷川真理子さんは、元早稲田大学教授、総合研究大学院大学学長。その半生記です。生物好きの少女が、生き物を対象とする研究者になります。しかし、そう簡単な道のりではありません。

今では考えられない「男社会」の中を、生き抜いていきます。女性には、学者や研究者の門が閉ざされていたのです。長谷川さんも、研究をあきらめ、教育者として生きていきます。
さらに、「既存学界」の壁にもぶち当たります。通説を批判すると、長老たちから笑われ、無視されるのです。それも理屈ではなく、「長老たちのお師匠さん」を批判することは許さないという理屈です。
日本の学界、それも自然科学の分野で、こんなことがあったのだと驚きます。その意味でも、貴重な記録です。

シニア女性のへそくり夫の倍

12月27日の日経新聞女性欄に「シニア女性のへそくり 夫の倍」が載っていました。
・・・50代以上の女性の「へそくり」金額は、夫の2倍以上――。シニア女性向け雑誌「ハルメク」の生きかた上手研究所が10月、50~79歳の既婚男女600人に実施した調査で、そんな結果が出た。「自分だけのへそくり」があるか、との質問に対し、あると答えたのは夫で36.7%、妻で45.3%。金額を聞くと、妻の平均額が739万円と夫の金額(334万円)を大きく上回った・・・

調査「シニア世代の夫婦関係と生活に関する意識調査」(11月15日)には、次のような結果も載っています。
言われたい言葉の1位は「ありがとう」。特に妻から夫への要望が多く、男女で15ポイント超の差がみられる。感謝の言葉は、お互い伝えているつもり状態になっている。
・言われたい言葉1位は「ありがとう」で、特に妻は6割以上と切望。夫は「頼れる」「あなたのおかげ」「素敵」、妻は「お疲れさま」「さすがだね」「料理が上手」が高い。
・言われたくない言葉1位は、男女とも「結婚しなければよかった」。

ゴルフ愛好家、20代と50代の違い

10月29日の日経新聞ビジネス欄に、興味深い記事が載っていました。「若者ゴルファーはテスラ好き 世代マーケは「OB」?

20代と50代の、ゴルフ愛好家の違いです。その調査によると、50代男性では、車はBMW、レクサス、メルセデス、マツダが多く、飲酒は毎日です。DIY志向が強いです。それに対し20代男性は、車はテスラやマツダ、関心はスポーツとゲーム、飲酒は週に1回です。

女性では、50代の車はフォルクスワーゲン、BMW、アウディ。飲酒は毎日で、美術や手芸への関心が高いです。それに対し20代女性は、車に乗らず、飲酒は月に1回です。関心事は、ペットや美容です。

私は、車はよくわかりませんが、男女とも年齢の違いによる飲酒の回数の差に驚きました。

瀬地山角教授の家事男子

日経新聞夕刊「時短家事」という欄があり、瀬地山角教授が「カジダンへの道」を連載しておられます。家事男子と言うことでしょうね。毎月月末に載るようです。

子育てで仕事セーブした40代、後悔ない」(7月27日)から。
・・・夕食の支度をし、帰宅したパートナーと家事を分担し、食事をして子供をお風呂に入れ、洗濯物を乾燥機に入れ、一息つけるのは夜10時。そこから仕事をすればいいのだが、エネルギーが残っていない。これをほぼ一人でやっている世のお母さんは本当にすごいと感心した。
子供が小さいときは仕事の時間が取れず、論文や著書などの研究実績が残せなかった。仕事をセーブして子育てに関わることは、自ら選んだ道のはずなのに、研究が進まないプレッシャーでうつ病を発症した。子供の手が離れ始めた2、3年前から本を書くなど、恐る恐る仕事のギアを上げている。
仕事の面では40代は失われた10年だった。それでも、「歩いた」「初めて25メートル泳げた」など、できることが増えていく子供の成長を身近で感じられた日々は宝物だ・・・
・・・ノーベル賞を2つくれてやると言われても、盆暮れ正月以外はずっと研究室にいた、なんて生活は選ばなかっただろう・・・

「家事はこうすべき」を疑う」(8月31日)は、表題通りの家事の「手抜き」です。
手抜きと称されるやり方について、「批判するなら、あんたもやってみろ」という精神があふれています。
子育てや家事をせず、孫の世話くらいで音を上げている「昭和の仕事人間」は、今頃になってその意味がわかります。反省。
でも「家事男子」という言葉が必要な社会は、まだ男女共同参画ではありませんね。過渡期と言うことでしょう。

ピンピンコロリ、健康寿命を伸ばす

8月20日の読売新聞「ピンピンで長生き目指そう」から。
・・・「ピンピンコロリ」という言葉を聞いたことがあるだろうか。死ぬ直前まで元気で過ごし、病気で苦しんだり、介護を受けたりすることがないまま天寿を全うすることを意味する。最近は略して「PPK」と呼ぶらしい・・・

日本人の2020年の平均寿命は男性が81.64歳、女性が87.74歳です。他方で、健康寿命は、2016年時点で男性が72.14歳、女性が74.79歳です。
平均寿命との間には、男性で約9年、女性で約12年の差があります。この間は病気などを抱える「不健康期間」と呼ばれています。健康寿命を延ばし、不健康期間を短くすることが、ピンピンコロリに近づくことになります。
平均寿命の82歳まであと10年以上あると思っていましたが、健康寿命の72歳だと、私はあと6年しかありません。10年近くも、病気などを抱えて暮らすのはつらいです。ボケて家族に迷惑をかけるのは、いやですね。

・・・健康寿命を延ばすには、どんなことを心がければいいのだろうか。国立がん研究センターなど六つの国立研究開発法人が今年、連名で「健康寿命延伸のための提言」をまとめており、参考になる。提言では、様々な病気の原因とされる喫煙、飲酒などいくつもの留意事項を列記。取り組むべき10項目として、注意を呼びかけている。
具体的には、喫煙はがん、循環器病、高血圧、糖尿病、うつ病などのリスクが増加するので「たばこは吸わない」。過剰な飲酒は、がん、循環器病、高血圧、糖尿病に加え、アルコール依存症リスクも増加するので「節酒する」。飲むなら1日あたりの飲酒量は男性は日本酒なら1合程度、女性はその半分に抑えるといったものだ。
項目は睡眠や育児、社会関係の維持にまで及んでいる。1日60分の歩行などの運動も勧めている。うつ病などの発症リスクを低減させるという・・・