東大出版会PR誌「UP」10月号に、佐藤郁哉・一橋大学教授の「不思議の国を社会調査」が載っています。そこに、不思議な用語が、4つ取り上げられています。まず、「ポンチ絵」について。
・・・ポンチ絵というのは、この場合、概念図や略図のことを指す。この言葉は官庁用語になっており、各種官庁のウェッブサイトでは、おびただしい数のポンチ絵らしき図表を目にすることができる。また大学の予算申請などの際にも、監督官庁やその関係機関に対してポンチ絵を提出することが求められる場合が少なくない。
もっとも、このような意味でポンチ絵という言葉を用いるのは、かなり奇妙な慣行である。なぜならば、ほとんどの辞書に明記されているように、「ポンチ絵」は、通常「西洋風の風刺画・漫画」(『日本国語大辞典』小学館)を意味するからである・・・
この文章の後に、先生の解説と批評が書かれています。そこは原文をお読みいただくとして。私も、この言葉を職場で使っています。「1枚の紙にした、簡単な解説図」です。職員には通じる便利な言葉で、よい言い換える言葉がないのです。原義に戻れば、佐藤先生の指摘のとおりなのですが、既に官庁では日本語として定着しています。何か良い代案はありませんかね。
たぶん、公務員の多くは「ポンチ」という言葉が、「パンチ」という官庁を風刺の対象とした漫画という原義でなく、なにか「簡単な図」という意味に取っているのかもしれません。このあたりのことは、学識の深い肝冷斎に聞いてみます。
「明るい課長講座」カテゴリーアーカイブ
生き様-明るい課長講座
岡本次官の怒り、仕事と家庭
今週の某日、ある職員が、相談に来ました。「来月の休日に、地方で開くイベントですけど、娘の運動会とぶつかったので、遅れて駆けつけます。ついてはイベントの前段を、次官に務めてもらえませんか」と。それを聞いて、久しぶりに私の怒りが爆発。「あんたの娘さん、まだ小さかったよな」。彼が答えて「小学校1年生です」。私は怒りを抑えつつ優しい声で、「あんたはアホか。娘さんの運動会と復興庁のイベントとを、天秤にかける親がどこにいる。一日中娘さんの運動会に出なはれ。あんたの小学校の時を、思い出してみ。親と一緒に玉転がしをして、弁当を食べたことが、うれしかったやろ。子どもさんが高校生とかだったら、親が来なくても良いだろうけど」と。
彼はまだ「私がいないと、イベントが・・・」とか抵抗していましたが、ここはキッパリ。「あんたがいなくても、仕事は回る。イベントに出席することは禁止する。自分がいないと仕事が回らないと考えているのは、自分の誇大評価も、はなはだしい」と、追い打ちをかけました。まじめな職員なので、少々演技をして、二人の共通語である関西弁で指導しました。
ゆう活終了
昨日8月31日で、官庁の「ゆう活」が終わりました。この間に、全職員が8:30に出勤し定時(17:15)に退庁できたわけではなかったようです。しかし、20時までには、ほぼ退庁できたようです。ただし、国会審議の前の晩は、ダメです。職員に、「なぜ17:15に退庁できないの?」と聞くと、「いや~、飲み会が18:30始まりで」とか「体が18:15退庁に慣れているんです」という、「意味不明の答」も返ってきます(笑い)。
今日から、復興庁でも多くの職員が、勤務時間を9:30~18:15に戻したようです。「通勤電車が混むので」というのが、大きな理由のようです。もっとも、1割を超える職員が、引き続き早出(8:30出勤または9:00出勤)を選んでいます。
私は、以前と同じように今朝8時過ぎに出勤したら、8:30に外の方から電話がかかってきた以外は、部下からの「攻撃」が少なく、9:30までは自分の時間が持てました。うれしかったです。
今週の反省、うれしかったこと
今週、うれしかったこと。
・職場で「こんなことをしたら、現場で喜ばれるなあ」と考えていたことを、2人の参事官が、それぞれ新規施策に作り上げてくれました。感激。
・新しい企画を職員と議論していたら、ある職員が私が考えていなかった「よいアイデア」を出してくれました。びっくり。うれしいですね、後輩たちが、新しいことに挑戦してくれて、また私を超えるアイデアを出してくれるのは。
・職員が報告に来てくれた資料のできばえが、とてもよかったこと。何に使うか、日付、作成者が、まず書いてあって、表題も的確、要旨も簡潔でわかりやすかったです。花丸。
・ある人に頼まれていたある案件、私の所管ではないのでツテを頼って別の人に頼んでいました。かなり難しかったのですが、その人のお骨折りで、できました。ありがとうございました。
・7月に若い独身男女を、引き合わせました。婚約の報告に来てくれました。すごい速攻です。めでたしめでたし。
今週、悲しかったこと。
いくつかありました(いくつもありました)が、忘れることにしましょう。世の中、思うとおりにはいきませんわ。
ゆう活、定時退庁実績
7月14日に、内閣人事局が、国家公務員の「ゆう活」実績を発表しました。初日である7月1日の実績です。それによると、霞が関公務員約4万人のうち、早朝出勤実施者は2.3万人で、6割が参加しています。そのうち定時退庁した職員は65%です。夜8時までに退庁した職員の割合は88%です。(NHKニュース)。大きな成果が上がっています。しかも、国会開会中です。
私は毎日、定時(17:15)に退庁して、異業種交流へ。かつては19時開始とか18:30開始でしたが、17:45や18時開始にしてもらっています。今日も18時前に開始、20時には退出。20時半には、家でこのホームページを加筆しています。(2015年7月15日)
内閣人事局発表資料は、こちらです。昨晩探したのですが、よう見つけへんかったのです。内閣官房のサイト内検索も、うまくできなくて。こんなところに載っていました。