カテゴリー別アーカイブ: 明るい課長講座

生き様-明るい課長講座

教師を支える仕組みが必要

4月5日の朝日新聞オピニオン欄、宇佐美真さんの「追い込まれ孤立化 教師を支える仕組み必要」から。
・・・教師がこうした状況に追い込まれるのは、何も山行に限られない。クラス経営や授業がうまく行かず、孤立することがある。状況が悪化すれば、その教師の能力が足りないとみなされ、担任を外されることもあり、それがまた、無力感や孤立感を強め、状況をさらに悪化させる。
精神的な病気を抱えて入院し、甚だしい場合は退職に追い込まれることさえある。最近、教師の仕事が多忙で、「ブラック」だと言われることがよくあるが、こうした状況の放置こそ深刻な問題だと思う。
教師は教員免許を持ち、ひとりで何でもやれる、という自負を持っている。それで同僚が互いに意見を言いにくいこともある。教師の能力の評価も、あくまで個人としてどうなのか、を問われる傾向がある。
しかし教育は、教師が個人で立ち向かうには限界がある。しかも今は学校間の競争の拡大、有名大学への進学競争、保護者や地域への対応、部活動や進路指導など、教師がやるべき仕事は多い。徹底したチームワークで問題解決に当たり、教師を孤立させず、支援し合っていくような仕組みが必要だと思う・・・

大部屋で仕事をする、その過程で仕事の仕方を覚える会社員や公務員と違い、教室という「個室」で仕事をする教員は、大変だと思います。しかも大学卒業後直ちに、教室に立つのですから。
特に勉強を教えることのほかに、じっと座って話を聞くことができない子供、いじめ、学級崩壊、モンスターペアレンツなどへの対応は、どの程度教えてもらっているのでしょうか。

社員の心の病

3月21日の日経新聞が「心の病、若手社員に急増 17年民間調査「責任重く、権限はなく」」を伝えていました。
日本生産性本部の「『メンタルヘルスの取り組み』に関する企業アンケート調査結果」です。

・・・うつ病など心の病にかかる社員が最も多い年代は10~20代だと答えた企業の割合が、3年間で急増し、27.9%に達したことが、20日までに日本生産性本部の調査で分かった。40代が多いと答えた企業は35.8%で、30代も32.6%を占めるが、それに迫る勢いで若者の割合が上昇している。同本部は「若者でも責任の重い仕事を任される一方、見合ったポストや権限は与えられず、不調に陥る人が増えている」と分析している・・・

かつては(戦前から高度成長期まで)、心の病は若者がなるものでした。小説も、若者が恋愛、結婚、人生いかに生きるべきかなどを悩むことが一つの主題でした。自殺の多い年齢や理由もそうでした。
ところが、近年特に1990年代以降、中年の自殺が増え、その理由が生活疲れや会社での悩みが多くなりました。心の病も、この自殺の傾向を先取りしていると思われます。
自殺は近年減る傾向にあるのですが、職場でうつ病になる職員は減らずに増えているようです。

拙著『明るい公務員講座』は、私の経験も含めて、仕事に悩む職員を減らそうと思って書いたものです。これを読んで、病気になる人が減ってくれればよいのですが。

人事異動の季節

3月4月は、多くの職場で人事異動の季節です。私のところにも、内示を受けた人たちが、挨拶に来てくれます。公務員も民間人も。みなさん、これまでの経験を生かして、次の職場でも活躍してください。

今日は、福島復興局の送別会に参加しました。転出者は、2年、3年の任期を終え、新しい職場に転勤します。
復興局は、様々な職場から参加してもらっています。総務省、国土交通省、厚生労働省、農水省、警察庁、法務省、文部科学省、さらには独立行政法人UR・・・。本省から来た人、出先機関の人、任期付き任用の職員も。まあ、これだけ「出自が違う」人が一緒に仕事をすることは、滅多にないでしょう。次の行き先も、県内、東北各地、東京、関西と様々です。

彼ら彼女たちの挨拶でも、「これまでにない仕事をしました」「最初は何をするのか、わかりませんでした」「いろんな人と一緒に仕事ができました」・・と率直な発言がありました。「次の職場では、福島を宣伝します」という宣言も。
そうですね、全く違った仕事、全く違った場所での仕事ですから。平常の職場勤務では得ることのできない経験だと思います。苦労した分だけ、人は成長します。この経験は、間違いなく糧になります。
中には、配偶者を見つけた人も。これは、絶対忘れられないですね。

彼ら彼女たちと話しながら、私の若い時を思い出していました。
たまには、若い人たちと飲むのも良いですね。彼らは、いやがっているかもしれませんが(苦笑)。

新社会人と先輩のずれ

3月24日の日経新聞別刷り「プラス1」は、「新人VS.先輩 会社でびっくり体験ランキング」でした。
・・・新社会人にとって職場は知らない常識ばかり。驚くのは彼らを迎える先輩、上司も同様だ。双方にびっくりした経験を聞き、ランキングした・・・
詳しくは、本文を読んでいただくとして。
新人の驚きは、
1位 発言や休暇は空気を読んでから
2位 仕事のマニュアルや説明がなかった
5位 仕事をだらだらやる
10位 下積み時代を武勇伝のように語る

「1年目に身につけるべき能力は?」という問があります(記事の図表)。
新人は「知識やスキル」を重視し、上司は「仕事への姿勢」を重視しています。いずれにしろ、この2つが重要です。

次のような記述もあります。
・・・人材育成のプロがみる新社会人の特徴は「冷静で現実的」「無駄を省く」。経験は浅いが「ネット上の情報を組み合わせ一定の成果を出す自信がある」(リクルートマネジメントソリューションズの桑原正義主任研究員)。調査では自分の職場を「だらだらやる」「指導がない」と見ていた。
一方、30代以上は経験を通じて仕事を覚えていった世代。自分で答えを見つけて問題解決した経験が多いため、新社会人に対して「手取り足取り教えないと何もできない」と手厳しい。
ただ、こういった世代間ギャップは世の常で、先輩は新人に手厳しいもの・・・

先輩たちも数年前は新人だったのに、忘れているんですね。
このような記事は、後輩や部下の指導に役に立ちます。

仕事の邪魔をする電子メール

3月14日の日経新聞夕刊Bizワザは「職場のイラッ 原因はメール?」でした。原文を読んでもらうとして。
・・・「イライラしたり怒ったりすることは正常なこと」。こう指摘するのは、日本アンガーマネジメント協会(東京・港)の安藤俊介代表理事だ。怒ることを悪いことと考え、我慢したまま仕事をするとかえって効率も下がってしまう。千葉商科大学専任講師の常見陽平氏は「摩擦の生じない職場などない。必要に応じ言い合うことも決して悪いことではない」という。
そこで重要になるのは、怒るべきかどうかをしっかり判断することだ。安藤氏は「後悔するかどうか」を基準にすることを提案する。後で「あんな言い方をしなければよかった」と思うくらいなら、怒るのは避けた方がいい。
ただ、こうした判断ができるためには、まずは冷静になる必要がある。怒りのピークは6秒とされる。6秒数えて気持ちを整えた上で判断する。場所を離れて1人になるのも有効だ・・・

『明るい公務員講座』でも、腹が立った場合の対処方法をお教えしました(p202)。

次のような記述もあります。
・・・仕事を効率良く進める上で欠かせなくなった業務メールも、時にはイライラの原因になる。社内外の仕事に関係する連絡などをメールですます場面が増えた。メールの返信が遅いとイライラする場面もある・・・
そして、メールの対応方法も載っています。
・相手のメールが来なくていらいらする場合
→自分でパソコン・スマホを使わない時間を設ける
・込み入った話は、メールを使わず電話で直接話す
・夜間はメールを見ない
→緊急な用件なら電話連絡がくると考える

電子メールに仕事を邪魔させない方法は、近刊『明るい公務員講座 仕事の達人編』に書いておきました。参考にしてください。