カテゴリー別アーカイブ: 明るい課長講座

生き様-明るい課長講座

朝日新聞夕刊連載「オールド・ボーイズ・クラブ」

8月30日の朝日新聞夕刊から「オールド・ボーイズ・クラブ」の連載が始まっています。オールド・ボーイズ・クラブ(OBC)とは、オールド・ボーイズ・ネットワーク(OBN)とも言う、多数派の男性が築いた暗黙のルールや約束に満ちた、仲間うちの閉じた世界のことだそうです。

8月31日の「行動10か条 働き方も変えた」から。
・・・男性同士の閉じた世界を指すオールド・ボーイズ・クラブ(OBC)。変革や挑戦の障害とされるが、女性はどう感じているのか。
「部下よりも常に上司の方を向いて仕事をしている」「接待やゴルフに付き合うことが上司に気に入られる条件だと思っている」「昼食に一緒に行っても、食べるのが早すぎる。せっかくの機会なのだから、ゆっくりいろいろ話したい」「同行で一緒に歩いていると速すぎてついて行けない。こちらが小走りなのに気づかない」
女性活躍やダイバーシティー(多様性)の推進に取り組むNPO法人「ジャパン・ウィメンズ・イノベイティブ・ネットワーク」(J―Win)に参加する男性メンバーが、OBCについて女性にアンケートをとった時の回答だ。J―WinはOBCをオールド・ボーイズ・ネットワーク(OBN)と呼ぶ。

「被害届のようだな」「効率的な業務推進には必要なことだ」「良かれと思ってやったのに」。東レ経営研究所ダイバーシティ&推進部長の宮原淳二さん(56)らメンバーは当初、回答にショックを受け、正面から受け止められなかった。
その後議論を重ねてOBNに向き合い、男性が「変えられる行動10か条」を作成した・・・

その後の変化については、原文をお読みください。オールド・ボーイズ・クラブの一員(?)として、反省しながら読んでいます。

暮らしやすいコミュニティとは

Web日本評論、竹田伸也・鳥取大学教授の「みんなのストレス波乗り術」第12回・最終回「できる範囲で力を届ける」から。

・・・世の中から余裕がなくなり、なおかつ自己責任という論理が幅を利かすと、コミュニティにある変化が起こります。それは、「率先して責任を背負おうとする人が少なくなる」ということです。
あなたに思い返していただきたい日常風景があります。
あなたが今いるコミュニティ。職場でも地域でも家庭でも学校でもなんでもかまいません。そのコミュニティには、率先して責任を背負おうとする人が、ご自分を含めてどの程度いますか? コミュニティにそういう人がどの程度いるかを、次の3つの視点で評価してみてください。

1点目は、「役割の決まっていない仕事を自発的に担う人が一定数いるかどうか」です。コミュニティの務めには「これは誰々さんの役割」と決まっていないようなものがたくさんありますね。たとえば、切れかかった電球を交換するとか、床に落ちているゴミを拾うとか。そうした、誰の役割か決まっていない務めは、そのコミュニティにいる人々の自発的な取り組みで処理されることがほとんどです。なので、率先して責任を背負おうとする人が少なくなると、そのコミュニティは見た目から荒れ始めます。

2点目は、「配慮の必要な人に対して手を差し伸べる人が一定数いるかどうか」です。なんらかの障がいを抱えているせいで、障がいを持たない人と比べて特定の務めに十全に力を発揮できない人がいます。そうした人がいた場合、その人の力を補って動こうとする人がどの程度いるかが、これにあたります。あるいは、特定の人――この場合の特定の人とは、責任感の強い人です――に仕事がどんどんたまっているのに、周りの人はその人から仕事をもらったり、一緒に抱えたりしようとしない。これなんかも、配慮が必要な人に対して手を差し伸べない状態といえます。

3点目は、「会議などみんなで意思決定する場面で建設的な発言をする人が一定数いるかどうか」です。コミュニティをどのような場として成長させるかは、そのコミュニティに属する構成員みんなの責任です。にもかかわらず、会議ではほとんど発言しない。あるいは、発言しても大きな声で誰かやなにかの批判ばかりして、建設的な意見を出さない。一方で、陰ではあれこれと悪口が飛び交っている。こうした状態も、率先して責任を背負おうとしない人が多いコミュニティといえます・・・

ドイツ企業の女性管理職育成

8月23日の日経新聞女性欄「ドイツBASFの女性管理職登用 対話重ねて長期育成」から。
・・・日本同様、性別による役割分担意識が根強いドイツ。先進国では経済分野の女性活躍で後れをとっていた。だが2016年にクオータ制を導入するなどここ数年、管理職への登用で前進が目立つ。一例が化学大手のBASFだ。上司らとの対話を中心とする育成策で、着実に女性管理職比率を高めている。その取り組みは日本企業の参考になる・・・

・・・「この先、どんな仕事をしていきたい?」
「リーダーとして人を束ねることに挑戦したいです」
全世界に拠点を抱える独BASF。各地で定期的に女性社員と上司・先輩との間でこうした会話が交わされる。
「サクセッション・プランニング」と呼ばれる女性管理職育成の取り組みの一環だ。優秀な女性を早期に発掘し「○年以内にこの役職に引き上げるためには、こういった経験を積ませなければいけない」というシナリオを会社が作成する。その上で長期的な育成プランをたてるものだ。
BASFではこの取り組みを積極的に進めている。カギとなるのが対話だ。身近な先輩、直属の上司、エリア代表と3階層にわたる人材が女性社員と定期的に面談し、それぞれの立場に合わせたアドバイスをしたり、相談を受けたりする。「女性社員が今のポジションの『次のステップ』を描きやすくすることが狙い」と、アジア太平洋地域プレジデント、カローラ・リヒターさんは説明する。
さらに自分の得意・不得意分野などを棚卸しするためのツールとして、13ページに及ぶワークシートを社員らに配布。進みたいキャリアを自ら洗い出せるようにしている・・・

女性だけでなく、日本では男性の幹部育成にも参考になります。

在宅勤務、気持ちの切り替え方法

8月17日の日経新聞夕刊「照明や風呂でゆったり感 在宅勤務のチルアウト」から。
・・・新型コロナウイルス禍で終わりの見えないステイホーム。仕事とプライベートの切り替えに悩む人は、ゆったりとした「チルアウト(くつろぎ)」の時間を取り入れてはどうか。朝にお決まりの作業をして仕事の意欲を高める「モーニングルーティン」が注目されたが、夜のチルアウトとセットにするとメリハリがつきそうだ・・・

在宅勤務では、オフの時間に精神面での疲れも癒やすことが課題になっている。夜の時間に気持ちを整理し、ストレスを軽減するコツを、明治大学教授で「どうしたらストレスフリーに生きられますか?」の著者、堀田秀吾さんに聞いた。
――在宅勤務での疲れを軽減するために、オフはどのように過ごすべきですか。
「コロナ禍では、プライベート空間の自宅で朝から晩まで過ごし、そこに仕事が取りこまれている。加えて、現代は情報技術の発達で多くの情報が入ってくる『過剰情報環境』にある。脳は疲れ切ってしまった状況になっている。一日のオフの時間では、デジタル環境を断食のように絶つデジタルデトックスの時間をつくった方が良い」
「特にSNS(交流サイト)を見ると、他者との比較をするなどして不安感などが増幅されてしまいがちだ。海外の大学が1000人以上を対象に行った実験では、デジタルデトックスをした成人の幸福度が上がったとする研究成果も出ている」

「チルアウト」では意味がわからず、「くつろぎ」の方が通じますよね。これも「言葉の商品」ですかね。

職場で孤立させない

8月20日の朝日新聞ひと欄に、植田陽子さんの「学校看護師の「豊中方式」を全国に広げる」が載っていました。

・・・「学校で働く看護師が辞めないようにしてほしい」。そう上司から言われたのが20年前。大阪府豊中市立病院の看護師から畑違いの教育委員会に異動になった時だ。
豊中市では、人工呼吸器などの医療的ケアが必要な子どもを地域の小中学校で受け入れ、学校に看護師が配置されている。だが、その離職率が高かった。
「異質な環境で相談相手がいなくて孤独だった」と分析し、看護師を集めて意見を聴くことから始めた。どの子でも担当できるようにマニュアルを整え、日替わりで教委から学校に派遣するやり方に変えた。看護師の負担が減り離職率も低下。「豊中方式」として注目されるようになった・・・

なるほど、良い方法ですね。たくさんの人が働く職場でも、さまざまな職種がいてそれぞれの職員が少ないところもあります。その人たちを孤立させないことは重要です。
東日本大震災での復興の際に、地方の中小企業に採用された社員が、同期や同年齢の社員がいなくて孤独だという問題を聞きました。その問題に取り組んでいるところもあります。人手不足解消は、採用活動だけでなく、採用後の定着も重要です。「マチリク、町ぐるみで採用する